イベントレポート

ZOTAC、Intel第6世代CoreやAMD“Carrizo”搭載ミニPCを展示

~GeForce GTX 980 Ti搭載ビデオカードも

 ZOTACは、COMPUTEX会場ブースで、ミニPCベアボーン「ZBOX」シリーズや、ビデオカードの新製品を展示した。COMPUTEX TAIPEI 2015開催前に国内で一部製品が発表されているが、会場ブースでは未発表の製品がいくつか展示されていたので、本稿ではそれら未発表製品をまとめて紹介する。

ZBOX SN970

 「ZBOX SN970」はゲーミングプラットフォーム“Steam”を運営するvalve Corporationとのコラボレーションによる、小型のSteam PC。搭載CPUの型番は未公開だが、第6世代Coreプロセッサを搭載。また、ディスクリートGPUはGeForce GTX 970Mを搭載し、快適なゲーム性能が得られるという。メモリはDDR3-1600対応のSO-DIMMスロットを2個搭載し、標準で8GBのメモリが搭載される。内蔵ストレージは、64GBのM.2 SSDと1TBのHDDを標準搭載。OSはSteam OSがプリインストールとなる。

 接続ポートの豊富さも特徴の1つで、背面にはUSB 2.0×2ポート、USB 3.0×2ポート、Gigabit Ethernetポート×2ポートに加えて、HDMI出力を4ポート備え、4画面出力をサポート。前面にはSDカードスロットとUSB 3.0コネクタが一体型となった特殊なポートと、ヘッドフォンジャック、マイク入力、さらにUSB 3.1 Type-Cコネクタを用意(展示機では表記が“USB 3.0”となっていたが、発売時にはUSB 3.1になるとのこと)。これだけ豊富なポートが用意されていれば、ゲーミングデバイスの接続に困ることはないはずだ。また、SN970にはSteamコントローラも標準添付になるとのこと。発売時期は2015年11月頃を予定しており、価格は未定。日本での発売は未定だ。
 なお、今回展示はなかったが、SN970とほぼ同仕様となるZBOXシリーズベアボーン製品の投入計画もあるそうだ。そちらは、メモリやストレージを搭載しないベアボーンモデルと、メモリやストレージ、OSをプリインストールした”Plusモデル”が用意されることになるという。そちらの発売時期は2015年9月頃を予定しており、価格は未定。

Strem OSベースの小型PC「ZBOX SN970」
正面。USB 3.1 Type-Cポートを備える。展示機の表記は3.0だったが、出荷時には3.1になるとのこと
側面
背面
主な仕様

Carrizo搭載ZBOX Nano

 こちらは、プロセッサにAMDの“Carrizo”こと第6世代Aシリーズプロセッサを搭載するZBOX Nanoシリーズ。詳しい仕様などは公開されておらず、あくまでも参考展示とのこと。

 ただ、プロセッサ以外の仕様はある程度公開されており、DDR3-1600対応SO-DIMMスロットを2個搭載し、最大16GBまで搭載可能。内蔵ストレージは2.5インチSATA 6Gbpsドライブをサポート。外部出力は、背面にDisplayPort、HDMI、Gigabit Ethernet×2、USB 3.0×2、USB 2.0×1、前面にSDカードスロット、USB 3.0×2などを備える。また、標準でIEEE 802.11ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0も搭載するようだ。発売時期および価格は未定。

第6世代AMD Aシリーズプロセッサ搭載のZBOX Nano未発表モデル
正面
背面
主な仕様

ZBOX CI321 NANO

 「ZBOX CI321 NANO」はハニカムデザインボディでファンレス仕様が特徴のZBOX Nanoシリーズ新モデル。こちらは、ベアボーン製品だけではなく、メモリやストレージを搭載し、Windows 8.1 Entry(Windows 8.1 with Bing相当)をプリインストールした状態で販売するモデルの投入を計画しているという。

 Windows 8.1 Entryは、メモリが2GB以下、ストレージが32GB以下という要件があるが、ZBOX CI321 NANOはベースがベアボーンPCで、ユーザーが自由にスペックを強化できるため、購入後にメモリやストレージを強化して利用することを想定しているとのこと。また、Windows 10への無償アップデート対象にもなっているため、安価なWindows 10 Readyマシンとしての魅力もあるとしている。発売時期は未定だが、日本でも3万円前後での販売を目指しているとのことだ。

ZBOX CI321 NANO
正面
背面

 ファンレスZBOX Nanoシリーズとしては、Atom N3150を搭載する未発表モデルも展示。DDR3L-1600対応SO-DIMMスロットを2個搭載し、内蔵ストレージは2.5インチSATA 6Gbpsドライブをサポート。外部出力は、背面にDisplayPort、HDMI、アナログRGB、Gigabit Ethernet×2、USB 3.0×1、USB 2.0×2、前面にSDカードスロット、USB 3.0×1、USB 3.0 Type-C×1などを備える。また、標準でIEEE 802.11ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0も搭載するようだ。発売時期および価格は未定。

Atom N3150搭載のファンレスZBOX Nanoシリーズ
正面
背面
仕様表

USB 3.1 Type-Cポートを備えるZBOXシリーズ

 USB 3.1 Type-Cポートを備える未発表製品も2種類展示された。1つはやや大柄なボディの「ZBOX」シリーズに属する製品。本体前面にUSB 3.1 Type-Cを2ポート備える点が特徴。搭載CPUはCore i5-5200Uで、DDR3L-1600対応SO-DIMMスロットを2個搭載し最大16GBまで搭載可能。ストレージは、M.2対応SSDと2.5インチSATA 6Gbpsドライブをサポート。USB 3.1 Type-C以外のポートは、背面にDisplayPort、HDMI、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、USB 2.0×1、シリアルポート、前面にヘッドフォン、マイクジャック、SDカードスロット/USB 3.0共用ポート、右側面にUSB 3.0×1などとなる。

USB 3.1 Type-Cを2ポートを備えるZBOXシリーズ未発表モデル
正面にUSB 3.1 Type-Cを2ポート配置
背面
右側面
仕様表

 よりコンパクトな「ZBOX Nano」シリーズでも、USB 3.1 Type-Cを2ポート備える未発表モデルを展示。内部のM.2スロットがなかったり、外部ポートの仕様に一部異なる部分があるものの、それ以外のスペックはUSB 3.1 Type-C2ポート搭載ZBOX未発表モデルとほぼ同等だ。これら2製品は、ZBOXシリーズとして初のUSB 3.1 Type-C搭載モデルになるという。なお、双方とも発売時期や価格は未定だ。

USB 3.1 Type-Cを2ポート備えるZBOX Nano未発表モデル
こちらも正面にUSB 3.1 Type-Cを2ポート配置
背面
仕様表

GeForce GTX 980 Ti搭載ビデオカード

 ZOTACブースでは、ミニPCだけでなくビデオカードの新製品も展示。GeForce GTX 980 Tiを搭載するオーバークロックモデル「AMP! EDITION」3製品と、空冷/水冷ハイブリッド仕様の1製品が展示されていた。

 AMP! EDITIONは、「GTX 980 Ti AMP! EDITION」、「GTX 980 Ti AMP! Omega」、「GTX 980 Ti AMP! Extreme」の3製品をラインナップする。

 これら3製品には、GPUやビデオメモリの動作クロックと、採用する冷却システムに違いがある。AMP! EDITIONでは、GPUの動作クロックがベース1,051MHz/ブースト時1,140MHz、ビデオメモリの動作クロックが7,010MHz、AMP! ExtremeではGPUの動作クロックがベース1253MHz/ブースト時1335MHz、ビデオメモリの動作クロックが7,210MHzとなっている(AMP! Omegaは、現時点ではGPUとビデオメモリの動作クロックは非公開)。また、AMP! OmegaとAMP! Extremeでは、従来よりも30%風圧を向上しているという特殊な形状のブレードを採用したファン「EKO Fan」を搭載することで、冷却性能が高められている。

GTX 980 Ti AMP! EDITION
GTX 980 Ti AMP! Omega
GTX 980 Ti AMP! Extreme
AMP! OmegaとAMP! Extremeは、従来より30%風圧を向上する特殊形状のブレードを採用したファン「EKO Fan」を搭載

 「GTX 980 Ti ArcticStorm」は、大型ヒートシンクと3連ファンによる空冷システムに加えて、背面側に水冷装置を装着し、水冷と空冷のハイブリッド仕様になっている点が大きな特徴。水冷システムを装着せずとも利用可能とのことだが、ユーザーが任意の水冷システムを装着することで、より優れた冷却能力が得られるという。GPUの動作クロックは、ベース1,025MHz、ブースト時1,114MHzと、若干ではあるがオーバークロック仕様となっている。ビデオメモリの動作クロックは700MHzと、こちらは定格クロックとなる。

GTX 980 Ti ArcticStorm

 日本での発売時期と価格は、GTX 980 Ti AMP! EDITIONが6月末で100,000円前後、GTX 980 Ti AMP! Extremeが6月中旬頃で110,000~120,000円前後、GTX 980 Ti ArcticStormが6月中旬頃で128,000円前後を予定しているという。なお、GTX 980 Ti AMP! Omegaは発売時期、価格ともに未定とのこと。

(平澤 寿康)