イベントレポート

HP、Atom S1260採用の超高密度ブレードサーバー「Moonshot」

〜ProLiant MicroServerもIntel搭載で第8世代へ

HP ProLiant Moonshotサーバー
6月24日〜25日(中国時間) 開催

 米Hewlett-Packard(HP)は中国・北京でプライベートイベント「HP World Tour」を開催した。本稿では、本誌の読者でも興味深いと思われるサーバーの2製品を紹介する。

HPの今後の戦略の中心となる「Project Moonshot」

 6月24日〜25日(中国時間)の2日間にわたって開催されたイベントだが、基本的には顧客向けのイベントであり、そのためHPとパートナーを組む企業顧客のための説明が中心となった。

 イベントの講演などで複数のトップが登壇したが、HPがコンサルティングを行ない、企業顧客が抱える問題を解決するとともに、レガシーな業務システムやアプリケーションなどをクラウド上に移行するのを手伝うサービスなどを展開することを強調する内容となった。

 コンサルティングサービスを始めるとは言え、HPは従来からあるハードウェアベンダーである。顧客が抱える問題を、まずHPでハードウェアで解決することも強調された。そのキーとなるのが、4月に発表された「Project Moonshot」である。

 Project Moonshotを簡単に言ってしまえば、4.3Uのシャーシに45個のブレードを集約できる高密度サーバーである。ブレードは独自のインターフェイスで、スロット経由で相互接続されており、RAIDアレイやネットワークコントローラなどを共有できる。これにより配線を大幅に減らし、集中管理を可能にした。

 ブレードを小型化するために、低いTDPのCPUを採用するが、特にアーキテクチャの制限を受けず、現時点ではIntelのAtom S1260(2GHz、デュアルコア、Hyper-Threading対応)、またはCalxeda EnergyCore ARMを選択できる。将来的にブレード単位でのCPUのアップグレードも当然可能である。性能はそれほど高くないため、主に大規模なWebサービスやソーシャルメディア、スケーラブルな分析向けのソリューションであり、HPCなどの科学演算などには向かない。

 ソフトウェアで動作を定義できるのも特徴で、これによりアプリケーションの挙動によってブレードの動作を最適化できる。

 例えば既存のx86サーバーで、10台のラックに400台の2way 1Uサーバーを集約した場合、20台のルータ、および1,600本のケーブルが必要で、1時間あたり91kWの消費電力、そして330万ドルのコストがかかる。これをMoonshotに置き換えた場合、1,600台のサーバーに相当するワークロードに対応できるが、わずか0.5台のラックに集約でき、ケーブルも41本、消費電力は9.9kW、さらにコストは120万ドルしかかからない。つまり空間は94%、複雑性は97%、エネルギーは89%、コストは63%も低減できることになるという。

 Moonshotに搭載されるブレードの一例として、「HP ProLiant Moonshotサーバー」の主な仕様は、Atom S1260、メモリ8GB(ECC対応、1,333MHz)、500GB/1TB HDDまたは200GB SSD(いずれもSATA)、Marvell 9125ストレージコントローラ、Broadcom 5720デュアルGigabit Ethernetコントローラなどを備えている。

 シャーシ側の電源は2基で、ホットスワップ可能、最大4基まで搭載できる。また5つのホットスワップ可能なファンも装備する。2基のRJ-45ジャックを備えており、1つはiLOによるシャーシ管理、1つはiLOのデイジーチェーン用とされている。また、47個の状態表示LEDインジケータなどを備える。

Moonshotのシャーシ
いくつかのブレードを搭載した状態
シャーシの背面
ブレードを高密度で搭載するため、スロットがずらりと並んでいる
Moonshotのブレード。状況表示インジケータなども備える
ブレード本体。1つのブレードにCPUからストレージまでを集約する
ストレージと思われるもの
クアッドコアARM「Calaxeda EnergyCore」を搭載したブレード

低価格超小型サーバー「ProLiant MicroServer」がIntel搭載で進化

ProLiant MicroServer Gen8

 イベントでもう1つのトピックは、本誌の読者でもおそらく馴染みが深い「ProLiant MicroServer」シリーズの新製品が紹介されたことだ。米国で6月中旬に発表され、すでに販売されている。価格は449ドルから。

 ProLiant MicroServerは“ProLiant史上最小”と謳われたサーバーで、2010年に発表された。当時はCPUに低消費電力のAthlon II Neoを搭載し、4台の3.5インチHDDを内蔵できることや、改造でビデオカードを搭載し低価格/小型のデスクトップとして“一応”使えることで、マニアの間では人気の製品となった。

 それが今回、“Gen8(第8世代)”となり、Intelアーキテクチャに刷新された。また、筐体のデザインも変更され、フロントパネルがシルバーとなった。従来あった5インチベイを廃し、スリム光学ドライブベイに変更したほか、PCI Expressスロットも1基(x16)となったことで、本体サイズは229.7×245.1×232.4mm(幅×奥行き×高さ)と、従来の210×260×267mm(同)から小型化されている。

 最小構成の主な仕様は、CPUにCeleron G1610T(2.3GHz)、メモリ2GB(UDIMM、ECC対応、最大16GB)、Intel C204チップセット、Matrox G200ビデオチップなどを搭載する。HDDとOSは非搭載。

 拡張ベイは3.5インチシャドウ×4、スリム光学ドライブ×1。インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×5、Gigabit Ethernet×2(HP Ethernet 1Gb 2-port 332i)、内部microSDカードスロットなどを備える。

ProLiant MicroServer本体。従来から小型化された
本体背面のインターフェイス
5インチベイをスリム光学ドライブベイに変更することで、高さを抑えた

(劉 尭)