イベントレポート

Razer、4形態になる10.1型ゲーミングWindowsタブレット

~Panasonicが4K表示対応の20型Windows 8タブレット

Razerブース
会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian/Pallazo

Razerから10.1型のGeForce搭載タブレット

 米Razerは、CES 2013に併せてゲーミング用途を前提とした10.1型Windows 8タブレット「Edge」を発表し、会場で実機を展示している。Edgeは2012年のCESでも「Project Fiona」というコードネームで参考展示されていたが、製品化にこぎ着け、ユーザーが自由に触れる試遊機も複数用意された。

 ゲーマー向けキーボードやマウスなどで定評がある同社は、近年サブ液晶を搭載したノートなど独創的なPCも手がけ始めている。Edgeの開発に当たっては、ゲーマーコミュニティの間で広く意見を募り、どのような仕様にするかから、いくらぐらいにするかまで、を決定していったのだという。

 同社では本製品を、タブレット兼PC兼コンソールと表現している。というのも、オプションによって4種類の形態で利用できるからだ。まず、単体は読んで字のごとくタブレットモードと呼ばれ、10点タッチ対応のタブレットして利用する。

Edge。コンパクトながらPCゲームをプレイできるだけのスペックを備える
側面。昨今のAtom搭載機やAndroidタブレットと比べると厚いが、ゲーミング用途としては及第点といったところか
上面にUSBや電源端子
下面にはドッキングポート

 キーボードモードというのは、専用のキーボードドックに合体させた状態のことで、クラムシェルPCのような形状になる。キーボードが必須となるMMOなどで利用する。利用しない時は、ノートPCのように折りたためる。

キーボードモード
右側面
左側面

 コンソールモードは2種類あり、ホームコンソールモードはドッキングステーションに合体させた状態を指す。ドッキングステーションには、HDMI出力、USB×3、音声入出力があり、映像は大型TVなどに出力し、USBでゲームコントローラをつないで、ゲームコンソールのように利用するスタイルを想定している。

コンソールモード
ドッキングステーションにはHDMI出力もある

 もっともユニークなのが、モバイルコンソールモードで、ゲームパッドコントローラと呼ばれる、背面カバーを取り付けた状態を指す。このカバーの左右には、それぞれアナログスティックと、十字スティック、ボタンがついており、その姿はモバイルゲーム機とゲームコントローラを合体させたような形態になる。これで、外にいてもFPSなどのゲームをプレイすることができる。

モバイルコンソールモード
コントローラは、人差し指と中指の部分にもボタンがある

 本体の主な仕様は、CPUがCore i5(1.7GHz、Turbo Boost時2.6GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、SSD 64GB、GeForce GT 640LE(1GB、Optimus対応)、1,366×768ドット/10点タッチ対応10.1型IPS液晶、Windows 8を搭載し、価格は999.99ドル。

 上位モデルのEdge Proは、CPUをCore i7(1.9GHz、Turbo Boost時3GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、ビデオメモリ2GB、SSDを128/256GBに変更したモデルで、価格はSSD 128GBの構成が1,299.99ドル。

 インターフェイスは、USB 3.0、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、200万画素Webカメラ、音声入出力などを装備する。本体サイズ、重量は公開されていない。

 オプションの価格は、キーボードドックが199.99ドル、ドッキングステーションが99.99ドル、ゲームパッドコントローラが249.99ドル。また、キーボードドックとゲームパッドコントローラにつながる増設バッテリを69ドルで発売する。

 販売地域は、北米とアジア太平洋で、出荷開始は第1四半期。

【動画】実際にゲームをプレイしている画面

Panasonicが20型4K Windowsタブレットを発表

 Panasonicは基調講演で20型で4K表示に対応するWindows 8タブレット「4K Tablet」を公開した。

 基本的にモバイル端末という定義が成り立つタブレットというジャンルを20型のこの製品に当てはめることは賛否両論あるとは思うが、この製品の真のポイントは4KディスプレイをWindows PCに持ち込んだ点にあるだろう。

 解像度は3,840×2,560ドットと圧倒的で、1,000万画素の写真をほぼドットバイドットで表示できる。また、アスペクト比が3:2となっているので、一眼レフカメラで撮影した写真のプレビューにはうってつけだ。また、20型というサイズでありながら、230ppiというRetinaディスプレイを搭載する13インチMacBook Proと同じ精細さを実現している。パネルはIPSαを採用。

 また、指による10点タッチに加え、専用のデジタイザーペンによる操作にも対応。ブースでは、製品の利用例として、専用アプリ上で精細な2次元図面に手書きの指示を書き入れ、それがネットワーク経由で相手のマシン上にも表示されるといったデモが行なわれていた。

 主な仕様は、Core i5-3427U(1.8GHz)、メモリ4GB(最大16GB)、SSD 128GB、GeForce、Windows 8 Pro。インターフェイスはUSB 2.0、microSDカードスロット、1,280×720ドット対応Webカメラ、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0。

 バッテリ駆動時間は約2時間。本体サイズは474.5×334×10.8mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2.4kg。

 最終的には仕様などが変更になる可能性はあるものの、製品化は決定しているようで、2013年内に発売予定という。

4K Tablet
背面は金属感溢れるシルバー
側面。厚さはわずか10.8mm
右側面にUSB 2.0とmicroSDカードスロット
接写したところ。精細さが分かるだろう
写真のプレビュー、編集にも好適
専用のデジタイザーペンによる操作も可能
OSはWindows 8 Pro

(若杉 紀彦)