Windows 8の深夜発売イベントレポート
~秋葉原の街がWindows 8一色に

ベルサール秋葉原前にはWindows 8の画面を模した展示物も

10月25日~26日 開催



●「タブレットでも覇権取る」と樋口社長宣言

 10月25日の夕方から26日深夜にかけ、東京・秋葉原地区でWindows 8発売前夜祭と、Windows 8発売カウントダウンイベントが開催された。

秋葉原のあちこちにWindows 8 10.26 Debutの看板が登場
最新のWindows 8搭載マシンを展示し、説明員のアドバイスに応じて来場者はWindows 8を体験会場で配布された前夜祭号外
3色のWindowsトレーラーも登場
18時から前夜祭スタート自作ショップ12店舗が深夜発売を行なうこともアピール

 前夜祭は18時にスタート。まず日本マイクロソフト代表執行役社長・樋口泰行氏が登場。「待ちに待った新しいWindowsの登場となる。すでにTV CMの放送が始まっているが、今後6カ月ぶっ通しでCMオンエアを続けるという、これまでにない大々的なアピールを行なっていく。大げさにいえば、Windows 8によって日本全体を活気づけるくらいに盛り上げていきたい」と日本マイクロソフトとしてWindows 8に大きく注力していく姿勢を強調した。

 この後、樋口社長は報道陣の囲み取材に応じた。発売を目前にしたWindows 8の手応えについては、「非常に手応えを感じている。予約状況も堅調で、一般コンシューマ、企業のお客様両方から期待の声をもらっている。これまでマウスとキーボードによる進化だったが、今回タッチ対応のタブレットでも使えるし、従来通りの使い方もできる。使い方が広がったことでユーザー層の拡大も期待できる。Windows 7を上回る成果を期待できるのではないか」と話した。

 Windows 8発売を前に、AppleとAmazonが相次いでタブレット新製品を発表したが、「第三者が作ったものを受け身的に見る行為と、何かを作り出す行為と両方があるが、受け身的なオフな行為だけでは満たされないユーザーが多い。何かを作り出すオンとオフの両方を実現できるWindows 8には独自の強みがある」とWindows 8の優位性を強調した。

 タブレット分野でもPC同様にナンバー1シェア獲得が目標となるのか? という質問に対しては、「もちろん、そのためにWindows 7から思いをためて、Windows 8を発売した」と断言した。

 また、今回はこれまでのWindows発売とは異なり、全世界的に発売前は情報を押さえ、発売後に宣伝活動を含めたアピールを行なう方法をとっているが、「発売に向けエネルギーを倍増しようと、発売前に出す情報はある程度制限するマーケティングを行なってきた」と説明した。

 新しいタイルのような独自UIの採用や、これまであった終了ボタンがない点などWindows 8の独自性については、「確かに画期的な変化を起こそうとすると、これまで慣れ親しんだものを変えなければいけないことは、ジレンマでもあるが、Windows 8の設計思想には自信を持っている。新しいUIについてもすぐに慣れるようにできているので、慣れていただくことで解決するのではないか」と話した。

 Windows PhoneやSurfaceなどの日本での発売が未定となっている点については、「現状ではお話することはない。タイミングの問題であり、これも戦略の1つ」と説明した。

日本マイクロソフト 代表執行役社長・樋口泰行氏
報道陣の囲み取材に応じる樋口社長樋口社長の胸元には新しい会社ロゴバッチが

 日本マイクロソフトで量販店を管轄する執行役コンシューマー&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長の五十嵐章氏は、「実際に製品が並ぶようになったのは最近だが、販売店のトレーニングは前倒しで実施してきた」と販売支援体制は発売の数カ月前から整備してきていることを明らかにした。

 コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明執行役常務は、「今回、パートナー各社から登場したPCがバラエティに富んだものとなったのは、当社が主導してそうなったわけではない。各パートナーの皆様の意向があって、新鮮なラインアップとなったが、これはWindows 8のポテンシャル高さがあったからこそではないか」としている。

 また、Windows Phoneを担当する業務執行役員 コンシューマー&パートナーグループ コミュニケーションズ パートナー統括本部長兼コミュニケーションズインダストリー統括本部長の横井伸好氏は、「今回のタイミングはWindows 8に集中することを選択したが、Windows Phoneは必ず日本で投入する」との強い決意を語った。

●幅広い客層に向けたイベントとなった前夜祭
自作系メディアの応援セッション

 前夜祭イベントは、第1部は徳光正行さんの司会のもと、デーブ・スペクターさん、声優の古谷徹さん、ブロガーの桃さん、第2部はWindows 8のTV CMに出演するパルクールパフォーマーの島田善さん、流れている曲を歌っているガールズバンドSCANDAL、第3部はクリスタル・ケイさんのスペシャルLive、第4部は自作系メディアの編集長セッションとバラエティに富んだラインアップとなった。

 日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部の藤本恭史本部長は、「それぞれのイベントごとに異なる年代、客層のお客様が楽しめる内容となることを狙った。これまでの秋葉原の発売前イベントとは異なる客層にもアピールできるものを目指した」と狙った上でバラエティに富んだ出演者を選んだことを明らかにした。

 その狙い通り、第1部はイベントスタート直後ということで、比較的秋葉原に慣れた人から、オープンスペースの会場前を偶然通りかかった人まで幅広い客層が参加した。予測されていた通りデーブ・スペクター氏はほとんどWindows 8とは異なる話題を話し始め会場に笑いを誘い、それを慌てて徳光氏が引き戻し、Windows 8をアピールするために壇上に登場した藤本本部長も苦笑いという展開が続いた。

 さらにPC歴30年という古谷徹さんは現在4台が稼働中という自宅のPC環境を披露し、「ぜひ、Windows 8タブレットを導入したい!」と断言。

 新ブログの女王と呼ばれる桃さんは、藤本本部長のタブレットデモンストレーションを見て、「アプリケーションの連携のところがとても気になりました!」と自分が気になったポイントを藤本本部長に質問。藤本本部長のWindows 8によって展開する新しいアプリケーションのデモンストレーションを興味深げに見つめていた。

Windows 8とは関係のない話ばっかりしていたデーブ・スペクター氏と司会の徳光正行氏日本マイクロソフト Windows本部の藤本恭史本部長がWindows 8の特徴を紹介
新ブログの女王といわれる桃さん相変わらずのヘビーなPCユーザーぶりをのぞかせた声優 古谷徹氏
Windows 8のCMソング「サティスファクション」を歌っているガールズバンドSCANDAL

 第2部はTVで流れているWindows 8 CMの出演者であるパルクパフォーマーの島田善さんと曲を歌っているSCANDALが登場。

 CMの中で島田さんはアクロバティックな動きを見せているが、壇上でも司会者の女性から「ここでちょっとパフォーマンスをお願いしていいですか?」と訊ねられると快諾。椅子の上を宙返りしながら飛び越えて見せた。

 会場や壇上でそれを見ていたSCANDALのメンバーからは歓声の声が上がったが、本人は、「朝飯前です」と言ってのけた。

 SCANDALはCMに使われている「サティスファクション」について、「日本語に訳すと、満足ということになりますが、もっとこんなことをしてみたい! という希望を持って! というニュアンスを込めて歌っています」と説明した。

ガールズバンドSCANDAL

 第3部のクリスタル・ケイさんのスペシャルLiveは、それまでとはうってかわって、会場内には女性の姿が目立った。観客の大きな拍手によってステージは始まり、曲の間のMCでは「私もWindows 8、さっき見せてもらったんだけど、ここからここまで全部のPCを頂戴! って言いたくなるくらい魅力的だった!」とWindows 8搭載PCへエールを送った。

スペシャルライブを行なったクリスタル・ケイさん

●午前0時カウントダウンには樋口社長も登場

 秋葉原のパーツ販売店では21時過ぎ頃からそれぞれ独自にイベントを行ない、特価製品の販売やオークション、タレントを呼んでのトークイベントなど趣向を凝らして深夜発売を行なった。

 カウントダウン15分前には日本マイクロソフトの樋口社長も姿を見せ、人混みで混雑するパーツ通りの各店舗を行脚した。樋口社長の周囲にはTVカメラ、スティールカメラを抱えたマスコミが取り囲み、さながら大名行列のような様相となり、樋口社長の登場を知らなかった人からは、「あれは誰?」という声もあがった。

 人で一杯のパーツ通りを見た樋口社長は満足そうな様子で、「Windows 7の時よりも人が多いようだ。多くの人にWindows 8を期待してもらっていることを感じた」と話した。

 深夜0時のカウントダウンの際には、手を高く掲げてカウントダウンを喜んで見せた。

カウントダウン2時間以上前であるにも関わらず、目玉製品を求めた長蛇の列
RMobile秋葉原店では小さな「マイクロソフトクリーム」を88円で、林檎飴を500円で販売。林檎飴には「林檎を食べちゃえ!」という意味がかかっているとかWindows 8スペシャルパッケージに登場している2人の萌えキャラ「ゆう」と「あい」FreeTではシャア衣装の店員登場
ツクモeXのオークションセールは大人気該当製品購入者が抽選できる日本マイクロソフト抽選会場では各店舗のイベント予定もドスパラの裏にあるカフェバー「SISIXTEEN」が通りかかる人に振る舞い酒を差し入れ
ドスパラでは馬のマスクやボンバーヘアーの店員がアピール「幅広い層が参加できるイベント目指した」と日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部・藤本恭史本部長
じゃんぱらではWindows 8チロルチョコレートをサービスツクモeXではツクモたんグッズのプレゼントもソフマップ前は長蛇の列が
ソフマップ前のWindows 8待機列カウントダウン直前、パーツ通りに向かう樋口社長
日本マイクロソフトの樋口社長と株式会社ドスパラ 取締役社長兼COO 畑谷浩治氏窓辺ななみにクラウディアのコスプレも登場Windows 8の萌えキャラ「ゆう」と「あい」のコスプレも
複数のTVカメラが樋口社長の動向を追い続けるカウントダウンはTWOTOP秋葉原本店で、樋口社長と株式会社ユニットコム 取締役 前谷正弘氏とともに
ツクモeXでは、樋口社長が株式会社Project White 取締役副社長の鈴木淳一氏とともに、カウントダウン後オープンされた看板を見上げるツクモeXにWindows 8登場看板
日本マイクロソフト コンシューマー&パートナーグループ担当 執行役常務 香山春明氏イベントの控え室に用意されていたWindows 8ケーキ

(2012年 10月 26日)

[Reported by 三浦 優子]