【CES 2012レポート】Buffalo編
~12個のHDDベイを備えるNASなど新製品を展示

12個のHDDベイを備えるTeraStation Proフラッグシップモデル。4TB HDDを利用すれば、最大48TBのストレージ容量を確保できる

会期:1月10日~13日(現地時間)
会場:米国ネバダ州ラスベガスコンベンションセンター/ベネチアンホテル



 バッファローの米国法人Buffalo Technologyは、CES 2012会場にブースを構え、新製品の展示を行なった。今回Buffaloブースで最も注目を集めていたのは、こちらの記事で紹介したように、IEEE 802.11ac対応の無線LANルーター「AirStation WZR-1750H」の展示と、他社に先がけて行なっていたIEEE 802.11acの実稼働デモであったが、他にも多数の新製品が展示されていたので、ここではIEEE 802.11ac対応無線LANルーター以外の新製品を取り上げる。

●12個のHDDベイを備える「TeraStation Pro」シリーズフラッグシップモデルを参考展示

 SOHOや企業向けのNASとして展開しているTeraStation Proシリーズ。その最新モデルで、フラッグシップに位置付けられる製品が参考展示されていた。この製品は、2Uラックマウント型の製品で、HDDベイを12個備える点が最大の特徴。搭載されるHDD容量は仕様によって異なるが、容量3TB以上のHDDもサポートされており、3TB HDDを利用すれば最大36TB、4TB HDDを利用すれば最大48TBの容量を実現可能。また、エンタープライズ向けの高信頼性ドライブを搭載する上位モデルも用意される。

 RAID機能は、従来のTeraStation Proシリーズ同様ソフトウェアRAIDによって実現され、RAID 0/1/5/6/10に対応。内部にサーバークラスのシステムを採用していることにより、ソフトウェアRAIDでも十分な速度を発揮するとしているが、将来はハードウェアRAIDのサポートも予定しているそうだ。

 内部スペックは、ベーシックモデルがXeon E3-1225(3.1GHz)にメモリ4GB、上位モデルではXeon E3-1275(3.4GHz)にメモリ8GB。また、全モデル電源を2系統搭載する。さらに、内部には拡張用のPCI Expressスロットも用意されており、USB 3.0や10Gbit Ethernet、iSCSIなどの拡張も可能としている。日本では2012年の春以降に発売を予定している。

最終仕様ではないが、内部の構造はラックマウントサーバーに近い。搭載CPUはXeonで、メモリも4GBまたは8GBと大容量。PCI Expressを利用した拡張性も確保されている。電源ユニットを2系統搭載しるなど、サーバー相当の仕様を採用している

 このフラッグシップモデルに加え、HDDベイを6個および8個備えるモデルも、スペックを強化した新モデルを用意。CPUが従来のAtom D510(1.66GHz)がAtom D2700(2.13GHz)に強化されるとともに、Intel製のGigabit Ethernet対応NICが2系統搭載される。また、USBポートもUSB 3.0対応に強化されている。こちらも2012年春以降の発売を予定している。

TeraStation Proの6ベイ搭載モデルも進化。搭載CPUがAtom D2700に強化され、パフォーマンスが向上している前面トビラを開けた状態。右上にはUSB 3.0対応ポートが見える
こちらは8ベイ搭載モデル。こちらもCPUがAtom D2700に強化され、USB 3.0ポートも搭載される背面にもUSB 3.0ポートを2ポート配置。さらにIntel製NICによる2系統のGigabit Ethernetも用意

●5GHz帯域での450Mbps通信に対応する無線LANルーターなど

 無線LANルーターの新モデルも2製品展示されていた。

 1つは、最高450Mbps(理論値)の高速無線LAN通信に対応する無線LANルーター最新モデル「WZR-HP-AG900H」だ。この製品は、既に発売されているWZR-HP-G450Hの上位に位置付けられる製品で、5GHz帯域での450Mbps通信をサポートする。また、背面にはUSB 3.0ポートが用意されており、USBポートに接続したHDDなどを利用した簡易NAS機能も高速化される。未発表の製品のため、細かな仕様は不明だが、日本でも発売を予定している。

5GHz帯域での450Mbps高速無線LAN通信に対応する「WZR-HP-AG900H」。日本での発売も予定している背面のUSBポートがUSB 3.0対応となり、外付けHDDなどを利用した簡易NAS機能も高速化されている

 もう1つは、PLC(電力線通信)に対応する無線LANルーター「WPL-05G300」。こちらは、PLCアダプタに無線LANルーター機能を合わせたものと考えていい。無線LAN機能はIEEE 802.11b/g/nに対応しており、最大300Mbpsの速度に対応。側面のスイッチを利用してルーター機能をOFFにし、純粋なPLCアダプタとしても利用できる。こちらもまだ未発表の製品のため、細かな仕様は不明。日本での発売は検討中だそうだ。

無線LANルーター機能を備えるPLCアダプタ「WPL-05G300」。PCL経由で接続されたネットワークを単体で無線化できる側面にはスイッチが用意されており、無線LANやルーター機能の使用有無を設定できる直接コンセントに取り付けて利用する。日本でも発売を検討しているそうだ

●Android対応の外付けSSD

 ストレージ関連製品の新モデルとしては、USB接続の外付けストレージ製品が2製品展示されていた。

 1つは、耐衝撃性を備える外付けのポータブルHDD「HD-PZU3」。こちらは、従来モデルである「HD-PXTU2」シリーズの後継にあたる製品で、新たにUSB 3.0に対応。また、耐衝撃性も向上しており、アメリカ国防総省の納入規格であるMILスペックに準拠した耐衝撃性能(MIL-STD-810G)を備えるとしている。また、この製品の登場により、一部を除きBuffalo製の外付けHDDは、USB 3.0対応への移行がほぼ完了することになる。価格は従来モデルとほぼ同等を予定しており、早い時期での発売を予定している。

耐衝撃性に優れる仕様が特徴のポータブルHDD「HD-PZU3」。USB 3.0に対応するとともに、新たにMILスペックにも準拠し、耐衝撃性が向上しているこの製品の登場で、Buffalo製外付けHDDのほとんどが、USB 3.0対応への対応を完了することになるUSBコネクタは収納可能。USB 3.0対応でフラットなフレキシブルケーブルの実装が難しく、USB 3.0への対応が遅れたそうだ

 もう1つは、Android向けのUSB外付けSSD製品だ。こちらは参考出品で、まだ型番は用意されていない。製品には独自のバックアップアプリが付属する予定となっており、Android端末に保存しているデータなどのバックアップが可能。また、外部ストレージとしても活用できるため、動画などの大容量データを保存しAndroid端末で活用するといった用途にも対応する。発売時期や価格、搭載されるSSD容量などは未定となっている。

未発表の外付けSSD。Android端末に対応する点が大きな特徴USBストレージに対応するAndroid端末に接続し、外部ストレージやデータバックアップ用途として活用できる製品にはAndroid端末に保存されているデータなどをバックアップできるオリジナルバックアップツールが付属する予定

(2012年 1月 16日)

[Reported by 平澤 寿康]