【COMPUTEX 2009レポート】
CLEVO、モバイルクアッドコア「Clarksfield」搭載ノートを展示

Nehalemベースのモバイルクアッドコア「Clarksfield」搭載ノートを展示したCLEVO

会期:6月2日~6日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



●Clarksfield搭載の17.3型ノートを展示

 OEM向けにノートPCのベア製品を多数出荷するCLEVOのブースでは、毎年のことながら、さまざまなノートPC製品が展示されている。その中の「W870CU」は、ポップに“Intel next generation processor”と書かれて展示されてる。

 デバイスマネージャを確認すると、メモリコントローラがプロセッサ内蔵である点や、Intel 5シリーズチップセットを使用していること、ストレージはPCH-Mから提供していることなどを確認でき、間違いなくNehalem世代のCPUを搭載していることがわかる。

 この製品のプロセッサに関してブース担当者は「Intelがローンチしていないプロセッサなので詳しくは答えられない」と述べるのみだったが、Intelが予定しているモバイル向けのクアッドコアCPUであるClarksfieldを搭載するものと見られる。もちろん、デスクトップ向けCPUをラップトップに組み込むことでは実績あるCLEVOだけに、Lynnfieldを搭載している可能性も捨てきれない。とはいえ、(サンプルなので参考程度ではあるのだが)動作クロックが1.33GHzとなっており、この値から想像するとモバイル向けのClarksfieldである可能性は高い。

 画面にも示したとおり、メモリコントローラはプロセッサに内蔵。本製品はDDR3対応のDIMMスロットを2基備え、デュアルチャネルアクセスをサポートする。GPUはGeForce GTX 280Mを搭載。ディスプレイは17.3型で、展示機は1,600×900ドットの解像度を持つパネルを使用していたが、最大で1,920×1,080ドットパネルも可能。ストレージ周りでは光学ドライブスロットのほか、2.5インチスロットを1基装備する。製品の出荷は8月末が予定されているとのこと。

 このほか、製品の展示は行なわれていないものの、16:9比の15.6型液晶と“new generation processor”を組み合わせた製品「W860CU」も予定しているという。そちらのグラフィック機能はGeForce GTX 260Mとなる。

インテルの次世代CPUを搭載する「W870CU」。16:9比の17.3型ディスプレイのPCCPUはClarksfieldを搭載すると見られる。クアッドコア×Hyper-Threadingで論理8コア。動作クロックは現時点では参考程度
デバイスマネージャのシステム周りの表示。メモリコントローラはプロセッサ内蔵であるほか、Intel 5シリーズによりPCI Expressが提供されていることが分かるストレージコントローラは、サウスブリッジとなるPCH-Mに含まれている

 一方、Clarksfieldの登場までNehalemノートを待ちきれない顧客向けなのか、デスクトップ用のCore i7を搭載したノート「D900F」も展示。展示機はCore i7-940を搭載していたが、Core i7-965 Extreme Editionの搭載も可能という。チップセットはIntel X58+ICH10Rで、デスクトップ向けプラットフォームを丸ごとノートPCに押し込んだ格好となる。

 ストレージ周りは光学ドライブスロットを1基のほか、2.5インチスロットを3基も装備。もちろん、ICH10RによるRAID0/1/5を構築することもできる。ディスプレイは17.1型でアスペクト比16:10の1,920×1,200ドット(WUXGA)パネルを採用。グラフィック機能はGeForce GTX 280Mを搭載する。

Core i7搭載ノート「D900F」。16:10比の17.1型ディスプレイを採用する非常に分厚い(最大60mm)本体。内蔵の2.5インチHDDスロットを3基備えるのも大きな特徴となる展示機ではCore i7-940を搭載。ほかのCore i7の選択も可能。グラフィックはGeForce GTX 280Mを搭載する。XMスロットは1基でSLIはサポートしていない

●ノートPCへのデザインサービスを本格化

 CLEVOのブースで大々的にアピールされていたのが、ノートPCのボディにさまざまなデザインを施したPCだ。CLEVOでは、熱転写フィルムによる印刷工場を自社で有しているという。この技術は「Magic of Film Art」と名付けられ、曲面などへも高いクオリティのデザインを施せると自信を見せている。

 現在はOEM先の要望に応えてロット単位での受注を行なっているが、今後、個人向けに、1台からの受注を開始する計画があるとのこと。これまで、日本のコンシューマユーザーによって、CLEVOという名前はあまり表に出てくることはなかったが、こうしたサービスによって知名度を上げることになるかも知れない。

CLEVOブースの入り口では、さまざまなプリントを凝らしたノートPCを観覧車風に展示している現在はこのようなオリジナルデザインのみだが、ライセンスを受けてキャラクターのデザインも手がけたいとしているパームレストから側面部への適用など、曲面や凹凸部へのクオリティに自信を見せている

●CULV版Core 2搭載製品などその他の展示ノートPC

 今回のCOMPUTEXでは、IntelのCULV(Consumer Ultra Low Voltage)版のCore 2シリーズを搭載したノートPCを各社が展示しており、1つのトピックになっている。もちろん、CLEVOのブースでも3製品が用意されている。

 「W840T」は、Core 2 Solo SU3500とIntel GS45を組み合わせた製品。1,366×768ドットの14型液晶を搭載し、本体サイズは340×231×23mm(幅×奥行き×高さ)。重量は1.5kg。同社ブース担当者は、とくにその薄さをアピールしている。

 「W830T」は、Pentium SU2700またはCeleron ULV 723とIntel GS40を組み合わせた製品。Pentiumブランドではあるが、プロセッサー・ナンバーがSUであることから分かるとおり、これもCULVのセグメントに投入されたプロセッサだ。ディスプレイは1,366×768ドットの13.3型で、本体サイズは330×221×23mm(同)。重量は1.45g。

Core 2 Solo SU3500+Intel GS45を搭載する14型ノート「W840T」Pentium SU2700+Intel GS40を搭載する13.3型ノート「W830T」

 その他、ネットブックからゲーミングPCまで多数の製品が展示されている。まとめて写真で紹介する。

Core 2 Extreme QX9300などを搭載可能な18.4型液晶ノート「M980NU」。NVIDIA製チップセットを使っており、GeForce GTX 280MのSLI構築も可能Atom N270+Intel 945GSEを用いた典型的なネットブック「M815L」。液晶は1,024×576ドットの10.1型Core 2 Quad Q9000などを搭載可能な15.4型ノート「M860TU」。チップセットはIntel PM45で、GeForce GTX 260Mを組み合わせて使用。液晶解像度はWUXGAまで可能
1,366×768ドットの15.6型液晶を採用する「W760TUN」。Core 2 Duo T9800などを使用可能で、チップセットはIntel PM45。グラフィック機能はGeForce G 105MとなるAtom Z540+US15WというMenlowプラットフォームのラグPC「T890M」。液晶は1,024×600ドットの8.9型でタッチパネルになっているCULV版のCore 2 Duo SU9300とIntel GS45を用いた「R130T」。液晶は1,280×800ドットの13.3型。キーボード部が防水仕様になっているのが特徴

(2009年 6月 3日)

[Reported by 多和田 新也]