イベントレポート

Acer、4コアCPUとGeForce MX150搭載でファンレスを実現した13.5型2in1「Switch 7 Black Edition」

クアッドコア(4コア/8スレッド)の第8世代Coreプロセッサ・Uシリーズを搭載している

 Acerは、9月1日よりドイツ連邦共和国ベルリン市で開催予定の世界最大の家電ショーIFAに先立って、同会場内で記者会見を開催。同社の最新フラグシップ製品となる2in1デバイス「Switch 7 Black Edition」を発表した。

 Switch 7 Black Editionは、昨年(2016年)にAcerが発表したSwitch Alpha 12(日本エイサー、ファンレスでCore i5を載せた着脱式2in1「Switch Alpha 12」参照)の後継となる製品だ。

 Switch Alpha 12はUシリーズのCoreプロセッサを搭載しながら、ファンレスを実現した意欲的な脱着型2in1型PC。独自の液体循環ヒートシンク「LiquidLoop」を採用することで、TDP 15WのCPUをファンレスで駆動できるようになっていた。

液体が循環することで放熱を実現するLiquidLoopを採用している

 Switch 7 Black EditionもLiquidLoopを採用しているが、従来がCPUだけを冷却していたのに対して、今回はCPUに加えてdGPU(単体型GPU)も合わせて冷却できるようになっているのが大きな特徴。搭載されているGeForce MX150はPascalベースのローエンドGPUで、GeForce 940MXの後継とされている。ただ、シェーダー数などのスペック(リンク先を参照)はほとんど公開されていない製品となる。

GeForce MX150を搭載。Acerによれば、2in1デバイスでdGPUを搭載した製品は世界初だという

 かつ、搭載されているIntelのSoCは、先日Intelが発表したUシリーズの第8世代Coreプロセッサ(開発コードネーム: Kaby Lake Refresh、KBL-R)になる(第8世代Coreプロセッサの本当のコードネームはどれ?参照)。TDPは15Wながらクアッドコアになっており、Turbo Boost時により高い消費電力が必要になることから、その分とdGPUによる消費電力(NVIDIAは非公表だが、おそらく10W程度)が合わさることを考えると、同じLiquidLoopながら排熱容量が上がっていると予想される。

CPUは第8世代CoreプロセッサになるCore i7-8550Uが採用されている

液晶ディスプレイは12型から13.5型に強化されているが、重量も増えている

 前モデルのSwitch Alpha 12は液晶ディスプレイは12型QHD(2,160×1,440ドット)となっていたが、Switch 7 Black Editionの液晶サイズは13.5型に拡張されており、解像度もフルHD+(2,256x1,504ドット)に強化されている。

 また、従来モデルでは手動で展開する必要があったスタンドは、ワンタッチで本体から外せるようにスイッチが用意されている(実際には2つのボタンを同時に押す必要があるので“ワンタッチ”は微妙な表現だが……)。さらに、今回もスタイラスペンが用意されており、Windows Inkなどのペンアプリケーションを利用できる。

スイッチを押すとスタンドが出てくる仕様に変更されている
スタンドは角度を自由に変更できる
800万画素の背面カメラが用意されている
ペンは本体の格納できる
本体の右側面にUSB Type-C、USB Standard-A(3.0)、ACアダプタ端子、ヘッドフォン端子、MicroSDカードスロットがある
本体の左側面は、電源スイッチとボリュームがある
付属のキーボード
ポゴピン

 このほか、メモリは16GB(LPDDR3)、ストレージは512GB(SATA SSD)となっており、従来モデルでは最大でメモリ8GB/SSD 256GBという構成だったことを考えると、スペック的にハイエンド2in1と言えるだろう。

 本体の重量は1.15kgで、キーボードドックをつけたときには1.55kgとなる。サイズは本体が329.4×229.7×9.99mm(幅×奥行き×高さ)、キーボードドック装着時が329.4×236.4×15.29mm(同)となる。従来モデルは本体が900gだったが、パネルサイズと性能が大幅にアップしたことと引き換えに増量している。

【表】Switch 7 Black Editionのスペック
Switch 7 Black Edition(SW713-51GNP)
CPUCore i7-8550U(1.8GHz、4コア)
GPUGeForce MX150
メモリ16GB(LPDDR3)
ストレージSATA SSD 512GB
ディスプレイ13.5型フルHD+(2,256×1,504) IPSパネル
本体サイズ/本体+ドック(幅×奥行き×高さ)329.4×229.7×9.99mm/329.4×236.4×15.29mm
本体重量/本体+ドック1.15 kg/1.55 kg
無線機能2x2 IEEE 802.11ac、Bluetooth
背面カメラ500万画素
前面カメラ720p
OSWindows 10 Pro 64bit

 北米と欧州で12月より販売が予定されており、北米での市場想定価格は1,699ドル(1ドル=110円換算で約187,000円)となっている。なお、現地の担当者によれば、日本での発売や価格などに関しては未定とのことだった。