イベントレポート

ASRock、容量2.7LでGeForce GTX 1080搭載を可能にするMicro-STXフォームファクタ

Micro-STXのマザーボード

 台湾ASRockは31日(現地時間)、同社が1月に発表した“Micro-STX”ファクタ、およびそれに準拠したデスクトップPC「DeskMini GTX」に関する詳細な説明を行なった。

 Intelは2016年にMini-ITXより小型のMini-STXフォームファクタを発表し、対応製品がASRockから投入された。Mini-STXはMini-ITXと同じくソケット型のCPUに対応しながら、PCI Express x16スロットを省いてボードサイズを小型化した。これにより、ASRockから発売した「DeskMini 110」シリーズは容積1.92Lを実現した。

 一般的なビジネス用途では、Mini-STXでも十分な性能を持っているが、ディスクリートGPUを搭載できないため、グラフィックス性能を必要とする用途には利用できない。Micro-STXを搭載したDeskMini GTXはこの状況を改善するために投入するもので、ボードを下部に2インチ伸ばし、容積を2.7Lとした。

 これによって実現できたのが、MXMスロットの実装だ。MXMはもともとNVIDIAが提唱したモバイル向けのオープンな規格で、GPUを換装可能なモジュールの形で提供する。Micro-STXではMXMにより、3L以下という小型PCの容積でディスクリートGPUの搭載を実現したわけだ。

 また、ASRockのMicro-STXマザーボードは、背面にM.2スロット(PCI Express 3.0 x4)を3基、Wi-Fi専用のM.2スロットを1基搭載。5V出力を兼ね備えた2基のSATAコネクタと合わせて、最大で5台のストレージを搭載できる。X299E-ITX/acがリトルモンスターなら、DeskMini GTXはもう1つのリトルモンスターだと言える。

 CPUはTDPが65WまでのLGA1151、メモリはDDR4-2400対応のSO-DIMMを2枚まで(最大容量32GB)を装着可能。チップセットはIntel Z270またはB250。MXMモジュールは、GeForce GTX 1050/1050 Ti/1060/1070/1080、Radeon RX 560/570/580、またはQuadro M3000SE/M3000/M5000SE/M5000などを搭載できる。

 インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort、Mini DisplayPort、USB 3.0 Type-C、Gigabit Ethernet、音声入出力。電源は19VのACアダプタを利用する。

Micro-STXフォームファクタのDeskMini GTX
PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットが3基
Mini-STXのフォームファクタ
Micro-STXでは下に向けて基板を2インチ伸ばした
Micro-STXのマザーボード
MXMモジュールを搭載可能とした
M.2も3基備える
0.8L増で、ディスクリートGPUや強力なストレージを搭載可能となった
サイズ別の区分
メーカー製小型ゲーミングデスクトップよりも小さい
それでありながらカスタマイズできる
搭載GPU別の性能比較
新たに対応できる分野
Micro-STXマザーボードの仕様