イベントレポート

Acer、世界初の湾曲液晶搭載ゲーミングノート「Predator 21X」

Acerの発表会で発表された世界初湾曲液晶搭載ゲーミングノートPC「Predator 21X」

 Acerは9月2日~9月7日にドイツ共和国ベルリンにおいて開催されているIFAに先立って記者会見を開催し、同社の最新製品を発表した。モバイルノートPCに関しては別記事でお伝えした通りなのだが、本記事では、世界で初めて湾曲液晶を搭載したゲーミングノートPCとなる「Predator 21X」、Androidベースのファブレットとなる「Acer Iconia Talk S」、省スペースデスクトップPCとなる「Revo Base Mini PC」などを紹介する。

クラムシェル型ノートPCに世界で初めて湾曲液晶を搭載したPredator 21X

 Acerが発表したPredator 21Xは、クラムシェル型ノートPCとしては世界初となる湾曲液晶を採用している。湾曲液晶は、外付けディスプレイなどでは採用例が少なくないが、クラムシェル型ノートPCの場合では、採用するとなると頑丈なケースなどが必要になるため重量増を招くことになる。

 このため、これまで採用された例はなかったのだが、Predator 21Xは21という数字からも分かるように、21型という、ノートPCとしてはかなり大型のディスプレイを採用しており、ゲーミングPCという性格上からも重量の問題を度外視した。よって、こうした設計が可能になった。

発表会で紹介されているPredator 21X、液晶部分がカーブしていることがよく分かる
21型の液晶ということもあり、かなり大型であるのがキーボードからも分かる

 21型で2,560×1,080ドットの解像度を持つディスプレイは確かに中央付近を起点にしてカーブしており、外部ディスプレイに採用されている湾曲液晶がそのままノートPCに収まった形になる。

 また、Tobiiによるアイトラッキング機能も備えており、赤外線センサーにより視線の動きを検知し、ゲームの操作に利用できる。例えば右手がマウス、左手がキーボードの操作を行なっているようなゲームで、このアイトラッキングの機能を利用できれば、視線の移動を利用してキャラクターの視線を変えられる。ただし、ゲーム側の対応が必要になるということで、すべてのゲームで利用できるというわけではない。

 なお、Acerは同じくアイトラッキングに対応した「Predator Z271T」、「Predator XB251HQT」、「Predator XB271HUT」というゲーミング向けのディスプレイを同時に発表している。

Predator XB271HUT、アイトラッキング機能が用意されている

 Predator 21Xの仕様は、CPUが第7世代Coreプロセッサ(SKUは未発表)、GPUにGeForce GTX 1080をSLIで搭載しており、内蔵ディスプレイがG-SYNC対応と発表されている。GeForce GTX 1080クラスのGPUが2つという、ノートPCとしては熱的に厳しい構成になっているが、本機はファンを5つを搭載し、発熱の問題を解決している。

5つのファンを内蔵している
1つはスケルトンで見えている

 キーボードはZF ElectronicsのCherry MXスイッチを利用したメカニカルスイッチのキーボードで、カスタマイズ可能なRGBバックライトを搭載。ユニークなのはポインティングデバイスで、キーボードの右側にあるテンキーとタッチパッドがリバーシブル(表裏)になっており、用途に応じて切り替えて利用できる。ノートPCなのに手前にタッチパッドが来ないのかという意見も出てきそうだが、ゲーミングPCという性格上、ビジネスに使うわけではなく、常にゲーミングマウスを繋げて使うことが前提になりそうなので、これでいいということなのだろう。

タッチパッドとテンキーはリバーシブルになっている
本体の右側面

 ただ、今回は概要が発表されただけで、具体的な価格や出荷時期などに関しては何も言及されていない。CPUはゲーミングノートだけに、クアッドコアのCore i7などになると思うが、現時点ではIntelは第7世代のクアッドコア製品を発表しておらず、薄型ノートPCやタブレット向けのデュアルコア製品しかラインナップしていない。ほかの製品は来年(2017年)の1月になると説明しているので、このPredator 21Xも来年1月以降に正式に発表ということになるのではないだろうか。

容積1Lの省スペースデスクトップRevo Base Mini PCなど

Revo Base Mini PC

 Acerの「Revo」シリーズは省スペースデスクトップのブランドで、合体型の省スペースデスクトップPCなどの製品がラインナップされている。Revo Base Mini PCはその最新製品で、14×14cmの省スペースの底面積で、容量が1LのコンパクトPCだ。Core i7、8GB/DDR3L、ストレージは最大2TBないしは256GB SSDというスペックで、4つのUSB 3.0ポート、HDMIとDisplayPortのポート、Gigabit Ethernetがそれぞれ用意されている。2017年第1四半期から欧州で販売開始予定で、429ユーロで販売開始予定だ(日本での販売は欧州側の担当者には不明とのこと)。

Iconia Talk S (A1-734)は、7型720×1,280ドットの液晶を搭載したファブレット、169ユーロから

 Iconia Talk S (A1-734)は、7型720×1,280ドットの液晶を搭載したファブレット。デュアルSIMになっており、バッテリで9時間稼働が可能。1,300万画素の背面カメラを備えている、Android 6.0のOSが採用されている。欧州では169ユーロからの価格設定がされている。

デュアルSIM構成になっている、デュアルスタンバイは2Gまで