イベントレポート

ASUS、5年前のチップセットを今風にアレンジした「SABERTOOTH 990FX R3.0」

SABERTOOTH 990FX R3.0

 COMPUTEX TAIPEI 2016のASUSのブースでは、990FXを搭載した最新のTUFシリーズの超耐久マザーボード「SABERTOOTH 990FX R3.0」が展示された。

 AMDのハイエンド環境は、未だ5年前に発表した990FXが担っている。日本ではこの990FXを搭載したASUSの超耐久マザーボードTUFシリーズとして、2011年に「SABERTOOTH 990FX」、2012年に「SABERTOOTH 990FX R2.0」の2製品が発売されている。2013年には、PCI Express 3.0のブリッジチップを用いてPCI Express 3.0に対応させた「SABERTOOTH 990FX GEN3/R2.0」が海外で発表されたが、日本では投入されていない。

 今回のSABERTOOTH 990FX R3.0では、デザインを一新し、現代のTUFシリーズと同じく基板に迷彩のシルク印刷が施されている。また、ヒートシンクにPOSTの状態を表示する「Q-LED」を備え、PCI Express x16スロットのラッチがRGB LEDで光り、M.2スロット、背面パネルにUSB 3.1(Type-A×3/Type-C×1)を追加するなど、すっかり今風の仕上がりとなっている。

 もちろん、TUFシリーズならではの特徴を踏襲しており、24時間/7日の高負荷連続稼働に対応。PCI Expressスロットを金属でハウジングし、耐久性を高めることで、重いグラフィックスの装着によるスロットの破損を防ぐ。電源は10フェーズ構成だ。

 CPUはSocket AM3+のFX/Phenom II/Athlon II/Sempron 100シリーズに対応。メモリはDDR3-1866/1600×4で、最大容量は32GBまでをサポートする。拡張スロットはPCI Express x16×4(最大x8×4動作)、同x1×2。背面パネルインターフェイスは、USB 3.1×4、USB 3.0×4、USB 2.0×4、Gigabit Ethernet、音声入出力などを備える。

ソケットは正真正銘のSocket AM3+。Phenom IIからFXまで使える
チップセットのヒートシンクカバーには穴が開けられ、POST状況を表示するLEDが見える
PCI Express x16のスロットのラッチはRGB LEDで光る
背面パネルには、USB 3.1 Type-Cが追加されている

 ちなみにCOMPUTEX TAIPEIでは普段お目にかかれない工業向け製品やOEM/ODM製品も出展されるため、古いチップセットを採用した製品はさほど珍しくない。例えば深センのHONGDAFENG Electronicsは、8年前ぐらいに登場したIntel G41 Expressチップセットを使ったLGA775マザーボードを展示している。この製品は現在も作り続けているという。

 CPUソケットこそFoxconn製、その周りの電源も固体コンデンサが使われていたりするが、そのほかの部分に関しては液体コンデンサだったり、マイナーなメーカーのスロットが使われていたりして、コスト重視であることが伺える。

 どう見ても特殊業務向けの製品だが、個人でもWindows XP世代のOSでしか動かないゲームを動作させるために欲しい、という人は少なくないだろう。「日本でもこういうパーツの需要はあると思うんです~」と担当者にプッシュしようとしたところ、その時起きた最大震度4の地震で会場内がざわめき、それどころではなくなってしまった。

未だ作り続けているというIntel G41チップセット搭載マザーボード
こちらは若干設計が異なるモデル
一応、LGA115x世代のマザーボードも製造しているようだ
こちらはSocket FM1のマザーボード