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中小企業市場を見据えた製品展開を行なうブラザー

HL-L6400DW、HL-L5200DW、HL-L5100DN

 ブラザー販売株式会社は、都内にてA4モノクロレーザープリンタ・複合機「JUSTIO」ブランドの新製品5機種に関する記者発表会を開催した。

 今回発表されたのは、A4モノクロレーザープリンタ「HL-L6400DW」、「HL-L5200DW」、「HL-L5100DN」と、ファクス機能搭載のA4モノクロレーザー複合機「MFC-6900DW」、「MFC-L5755DW」の全5機種。各製品の詳細については別記事(ブラザー、印刷速度の高速化と耐久性が向上したモノクロレーザープリンタ&複合機)を参照されたい。

 製品発表会にはブラザー販売株式会社 代表取締役社長の三島勉氏、同社 マーケティング推進部長の伊藤英雄氏らが登壇。同社のプリンタ事業方針と製品の説明を行なった。

ブラザー販売株式会社 代表取締役社長 三島勉氏
同社 マーケティング推進部長 伊藤英雄氏

 三島氏は、ブラザーグループの新中期戦略「CS B2018」について言及し、「プリンティング事業については、収益性の向上を目指す」と述べた。ブラザーではプリンティング製品についてビジネス向けの「JUSTIO」、家庭用の「PRIVIO」の2つのブランドを持っているが、前回の中期戦略では、PRIVIOブランドの認知率向上にリソースを割いていたという。

 SOHO向けのプリンタ市場では、既に高いシェアを獲得しており、顧客満足度では1位を獲得するなど、今後も5割以上のシェアを維持していくとした。

CS B2018
顧客満足度1位

 しかし、今回新製品を投入しているA4レーザープリンタ/複合機市場は、SIerを含む卸売(販売店)経由での台数が市場全体の約45%を占めており、ブラザーでは量販やメーカー直販の比率が高く、卸売経由での実績が課題であるとする。

 そこで今回、既にシェアを持っているSOHOから、卸売経由での導入比率がより高い、中小企業向け(SMB)を見据えた製品を投入し、卸売向けの販売を強化していきたいとした。

 また、店舗や建築/不動産、金融/保険など、業種に特化した導入の提案をしていくと述べ、特に問診票や照会状などを印刷している、医療分野でのシェア拡大を狙うとした。A4プリンタだけでなく、ラベルプリンタやエアスカウターなど、別製品を組み合わせたソリューションの提案も行なっていくという。

販売店経由の実績が課題
新製品はSMB市場を見据えたもの
業種別に導入を提案

 三島氏に次いで登壇した伊藤氏は、新製品と販売戦略について解説した。

 今回投入されるA4モノクロレーザープリンタ/複合機は、中小企業ユーザーの要望を分析して得られた「高い耐久性」、「ランニングコストを含む高コストパフォーマンス」、「保守サービスの充実」の3つのニーズに応える製品であるとアピール。今回の新製品は、印刷ボリュームの多いユーザーを想定し、従来のインクジェットプリンタなどローコストモデルから耐久性など印刷枚数の多さで差別化を図っており、量販店でも展開するものの、卸売への販売に注力するという。

 実際の卸売向けの活動については、参入を開始した2011年当時の30社から300社へパートナー数を増やしており、堅調に推移しているとした。

ユーザーの要望を実現
新製品の特徴
販売パートナー数を増加
量販市場を維持しながら販売パートナー向けの販売を強化
MFC-6900DW
MFC-L5755DW

(佐藤 岳大)