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16Lab、無接点充電対応の指輪型コンピューティングデバイス

OZON

 株式会社16LabはCEATEC JAPAN 2015が一般公開される前日の6日、会場(幕張メッセ)において、指輪型のウェアラブルコンピューティングデバイス「OZON」の新型モデルを発表した。

 OZONは2014年にコンセプトモデルが発表された指輪型のウェアラブルコンピューティングデバイス。プロセッサやモーションセンサー、Bluetooth通信モジュール、バイブレータ、NFCモジュール、バッテリなどを集約しており、3次元ジェスチャによる認証機能やTV/エアコンなどのリモートコントロール機能、メールやメッセンジャーなどの通知機能、および決済機能などを実現できる。

 OZONはモーションジェスチャのレスポンス性が非常に速いのが特徴で、ソフトウェアを最適化することで低いレイテンシを実現。3Dモデリングのコントローラに用いることもでき、ほぼリアルタイムに操作できる。

 新型モデルでは2014年のコンセプトから30%幅を小型化し、装着時の違和感を軽減。また、新たに無接点充電機能を搭載し、LED窓以外の窓を全て取り払った。このサイズで無接点充電機能を備えたデバイスは世界初としている。

 ウェアラブルとして重要な「安全性」に最大限に配慮した。例えば競合他社の製品では、本来曲げてはならないバッテリを曲げて実装したりしているが、16Labは最初から曲がっているバッテリを特注して実装している。基板に関しても折り曲げが可能なフレキシブルタイプを採用し、折り曲げによるハンダの剥離などを防ぐ。

 また、指輪の内側は削り出しのチタンを採用しており、世界最高水準の精密切削加工・研磨技術を誇る高級腕時計向け金属加工メーカーに製作を依頼。これはアレルギー対策への配慮だとしている。

 OZONはコンソーシアムモデルを採用しており、当初から多くの大企業が開発やエコシステムの構築に参入している。現時点では未公開の企業も多いが、10月6日時点ではトヨタ自動車株式会社とヤマハ株式会社の参加を発表している。具体的にOZONとどのようなソリューションで連携することは発表されていないが、例えばキーの代わりに車のドアロックを解除したり、モーションセンサーを駆使した楽器の開発などが示唆されている。

 なお、新型モデルは2015年内に予約販売を開始し、2016年より量産出荷を行なう。ただし当初は資金調達の問題で、ユーザー個別にサイズのバリエーションを揃えられないため、あくまでも開発者向けのデベロッパーズキットとして販売を行なう。量産の監修および実際の量産はアルプス電気が行なう。

 同時に、8×8mm四方のモジュールも提供開始を行なうとしており、アクセサリを手掛ける世界大手のファッションブランドからもこのモジュールを採用したウェアラブルデバイスが発表される予定。

 OZONは4年前、“デバイスにとってディスプレイは本当に重要なものなのか”ということに着目し、会社設立(2013年)当初からディスプレイがないデバイスの開発を行なった。そのため、ハードウェアとソフトウェア両方が、ウェアラブルに特化して低消費電力化に徹底的に最適化。発売時には「1回の充電で最低、どんなに酷使しても2日間は持つようにチューニングを施す」としている。特にソフトウェア面では、必要なデータのフィルタリングなどを行ない、プロセッサが最小限の計算で済むようにしているという。

 6日時点で展示されたものはプロトタイプがベースとなっており、実際の仕様やサイズ詳細などについて、予約販売開始時に改めて案内を行なう。プロトタイプは7日より一般公開されるCEATEC JAPAN 2015の会場で展示される。

指にはめたところ。親指にはめることを想定しているようだ
従来モデル(左)から幅が30%削減された
無接点充電にも対応した
OZON開発のきっかけ
ウェアラブルデバイスで直接肌に触れるため、安全第一で設計
トヨタ自動車とヤマハをパートナーに迎える
OZONの機能

(劉 尭)