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Apple、画面が12.9型になった「iPad Pro」

~第3世代64bitプロセッサ「A9X」搭載。オプションでキーボードとペンも用意

iPad Pro

 米Appleは9月9日(現地時間)、米国でプライベートイベントを実施し、この中でiPadシリーズで最大となる12.9型ディスプレイを備えた「iPad Pro」を発表した。

 11月に発売予定で、価格は32GB/Wi-Fiモデルが799ドルから。128GB/Wi-Fiモデルは949ドル、128GB/LTE対応モデルは1,079ドルとなる。

 特徴は12.9型のディスプレイ。シリーズ共通の4:3のアスペクト比はそのままに、解像度は2,732×2,048ドットとなった。12.9型サイズとなった理由は、「iPad Air 2」を縦持ちにした時の画面の高さと解像度が、ちょうどiPad Proを横にした時の高さと解像度になるため。このためiOS 9に搭載されるマルチタスク機能を有効に活用できるとしている。

 液晶は酸化TFTを採用し、カスタムタイミングコントローラや可変リフレッシュレート機能を搭載し、560万に及ぶ画素の表示タイミングを最適化し、なおかつ省電力化を実現した。

 搭載するプロセッサは同社の第3世代64bitプロセッサとなる「A9X」。画面の解像度向上に合わせて、CPUおよびGPU性能も向上。A8Xの1.8倍の性能を達成し、“デスクトップクラスのCPU”と“コンソールゲーム機クラスのGPU”と謳う。また、M9モーションコプロセッサを内蔵した。

 初代iPadと比較してCPU性能は22倍に、GPU性能は360倍に達し、CPU性能は一般的なポータブルPCの8割より、グラフィックス性能は9割の製品より高速としている。ストレージコントローラも2倍に高速化された。このため4K解像度の動画を同時に3ストリーム扱えるとしている。

 このほか、4基のスピーカーを内蔵し、10時間のバッテリ駆動を実現。筐体は6.9mm薄で、重量は約713g。薄さはiPad Air 2、重量は初代iPadからの微増で12.9型のサイズを実現した。

 背面のiShightカメラは800万画素で、f値は2.4。裏面照射型センサーを採用し、オートフォーカスにも対応する。動画は1080p/30fpsおよび120fpsのスローモーションに対応。前面のFaceTime HDカメラは120万画素で、f値は2.2、こちらも裏面照射型センサーを採用し、HDRをサポートする。

 無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応。Bluetooth 4.2も備える。Wi-Fi+Cellular対応モデルのWWAN対応バンドは、UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPAが850/900/1,700/1,900/2,100MHz、GSM/EDGEが850/900/1,800/1,900MHz、CDMA EV-DO Rev.A/Bが800/1,900MHz、LTEがバンド1/2/3/4/5/7/8/13/17/18/19/20/25/26/28/29/38/39/40/41。

 標準搭載されるOSはiOS 9となる。本体色はスペースグレー、シルバー、ゴールドの3色。バッテリは38.5Wh。本体サイズは220.6×305.7×6.9mm(幅×奥行き×高さ)。重量はWi-Fiモデルが713g、Wi-Fi+Cellularモデルが723g。

 このほか、CPUにA8を採用した「iPad mini 4」も、9月10日より発売した。プロセッサの強化に加え、ストレージはiPad mini 2の16/32GBから16/64/128GBとなり、厚さは7.5mmから6.1mmに、重量はWi-Fiモデルが331gから298.8g、Wi-Fi+Cellularモデルが341gから304gに薄型/軽量化された。またフルラミネーションディスプレイ/反射防止コーティングを採用する。カメラ機能では新たにスローモーションとバーストモードを備えた。

iPad mini 4

生産性を向上させるキーボードとペン

 そしてiPad Proの最大の特徴は、別売りの「Smart Keyboard」と「Apple Pencil」に対応する点だ。価格は前者が169ドル、後者が99ドル。

 前者はいわゆるカバーキーボード。従来のSmart Coverと同様、本体と磁石でくっつく。ヒンジに近い側は“お風呂の蓋”のように三角形に折りたたんでスタンドとして利用し、手前がキーボードとなる。シンプルなボタン構造だが、キーのタッチにもこだわったとしている。iPad Proとの接続は、新たに側面に用意された3つの接点「Smart Connector」を用いて行なわれ、電源および通信を担う。

Smart Keyboard

 一方Apple Pencilは、iPad Pro表面の静電容量式タッチセンサーを用いて位置を特定しつつ、内蔵されるセンサーでペンの筆圧および角度を検出。プロフェショナルのクリエイティブ用途にも耐えうる精度を実現したとしている。Pencilはバッテリを内蔵しており、LightningコネクタによりiPad Proから充電できる。

筆圧や傾きを感知するApple Pencil

(劉 尭)