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極地研、日立「SR24000」ベースの40.4TFLOPSスパコンを導入

極地研の「極域科学コンピュータシステム」

 株式会社日立製作所は26日、同社のスーパーコンピュータ「SR24000」シリーズを用いて、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所(極地研)で利用される「極域科学コンピューターシステム」の構築を行なったことを発表した。2月1日より稼働する。

 極地に関する科学研究や観測を行なう極地研では、極域科学に関する大容量データ処理、画像処理、大規模計算機シミュレーションなどを行なうスパコンとして、従来よりPOWER7ベースの「SR16000」シリーズを用いた、7.2TFLOPSの演算能力を持つスパコンが稼働している。

 今回新たに構築されたスパコンは、POWER8ベースの「SR24000」シリーズを用いたものとなる。演算ノードには、「SR24000モデルXP1」を74ノード採用し、合計40.4TFLOPSの理論演算性能を持つほか、物理乱数ノードに「SR24000モデルXP2」を1ノード搭載。ストレージは「Hitachi Unified Storage 100」シリーズを用いて合計210TBの容量を持ち、分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」の採用でデータ転送を高速化。複数ノードによる並列処理の高速化を図った。総メモリ容量は18.5TBを搭載。従来システムと比較して、演算性能で約5.6倍、データ転送速度で約6.5倍、メモリ容量で約9.3倍となる。

 近年は、人工衛星での広域観測が行なわれるほか、観測技術やデータ転送技術の向上で、生成される観測データが増加しており、そのデータを短期間で高精度に解析できることを目的に新システムが導入されたという。その活用例として、南極/北極域における気候や海洋変動メカニズムの解析、オーロラ減少と太陽風による磁気圏変動の因果関係の研究が挙げられている。

【お詫びと訂正】初出時、従来システムの演算性能を7.2FLOPSと記載しておりましたが、7.2TFLOPSの誤りです。お詫びして訂正いたします。

(多和田 新也)