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脳波で家電制御。NTTらが日常生活支援技術を開発
(2014/12/5 17:45)
株式会社国際電気通信基礎技術研究所、日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社島津製作所、積水ハウス株式会社、学校法人慶應義塾は4日、共同で、一般の利用者が日常的に生活する場での活動を支援するための、新しいインターフェイスとしての「ネットワーク型ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)」とその周辺技術の開発に成功したと発表した。
この研究開発は、高齢者や体の不自由な人の自立社会の実現に向け、これまでは実験室環境だけで使えたBMIを実際の生活環境で利用できるための技術の実現を目指すもの。
それにあたり、一般家庭でも日常的に使用できる小型軽量の携帯型脳活動計測装置を島津製作所と慶應義塾大学が開発。脳活動の計測には、近赤外分光と脳波を利用するが、近赤外分光脳計測装置は、バックパックに入る程度に小型化し、データの無線送信に対応。脳波計測装置は、頭皮へのクリーム塗布が不要なジェルシート型電極や、ジェルシートさえ不要なものを開発するとともに、手のひらサイズで電池駆動式のアンプを作り、近赤外分光脳計測装置と一体化させた。
これを用いることで、計測された脳活動をネットワークを通じて、クラウドや家庭内などに置かれた脳活動データベースと照合する脳情報解析技術によって、利用者の同サイトや情動状態を読み出す。
国際電気通信基礎技術研究所が開発した技術により、強く念じるといった特別な訓練や負担なく脳情報を読み出せるようになっており、TVやエアコンを操作するといった動作意図を認識し、その意図に応じて環境を変えることで生活支援を行なう。また、利用者の不快感を捉えることも可能で、それを介助者に伝えられる。加えて、脳活動と連動して身体装着型ロボットアクチュエータを動かす技術も開発し、一般生活環境で利用者の上肢の動作をアシストできるようになった。
また、読み出された脳情報は、NTTの技術を使い、利用者がいろいろな機器があるリビングにいる場合は、クラウド上で処理を行ない、大規模データを参照し、それらさまざまな機器を高い解析精度・低遅延で制御できるようにし、一方、機器の種類が少ない寝室に移動した場合は、寝室での脳活動はネットワーク上に流したくないというプライバシー配慮も踏まえつつ、ローカルで処理を行なう。
これらの技術は、高齢者・要介護者だけでなく一般の人に対しても、脳活動から意図を読み取り、家電の操作や環境の制御を行なったり、情動状態を相手に伝えるといった、生活支援サービスも視野に入れており、今後の各種サービスの実用化を目指していく。