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NTT、手元を見ないでも使えるスマホ用文字入力システム

~視覚障がい者向けに音声でも補助

 日本電信電話株式会社(NTT)は21日、視覚障がい者向けに、手元を見ないでも使えるスマートフォン用文字入力システム「Move&Flick」を開発したと発表した。

 一般的なスマートフォン用文字入力システムは、画面に表示されるひらがなやアルファベットなどのキーを指で正確にタッチする必要があり、視覚障がい者が利用するには困難が伴う。

 今回同社が開発したMove&Flickでは、画面の中央部分をタッチすると、フリックのUIが表示され、そこから指を8方向にスライドさせて、“あかさたな……”(AKSTN……)の子音を選択。続いて、8方向スライドから母音を選択することで、ひらがなの入力が完了する。

 最初にタッチする部分は画面端を除くほぼ全域になっているほか、指の移動距離の制約がなく、移動方向を判定する領域感に隙間を設けることで境界領域での入力ミスを防いでおり、指の移動方向を覚えれば手元を見ずに入力できるという。

 また、子音の選択時、母音の選択時には「K(ケイ)→か、A(エイ)→い、S(エス)→せ、A(エイ)→い」というように人工音声による補助があり、変換時には「改正:改良の改、改める。快晴:快適の快、快い。晴れ、晴天の晴」というように同音異義語の説明が音声で再生され、意図した漢字を選択できるようになっている。画面の左右端には、変換や削除などの各種機能が用意され、これらも選択時に音声が読み上げられる。

 同社では今後、さらなる開発を続けるとともに、アプリ配信などの提供形態を検討していく。

(若杉 紀彦)