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東工大、向こうが透けて見える厚さ4μmのDRAMウェハ
~超小型テラビット級メモリの実現に弾み
(2014/6/11 14:45)
東京工業大学異種機能集積研究センターの大場隆之特任教授は4日、ディスコ、富士通研究所、PEZY Computing、WOWアライアンスと共同で、DRAMが搭載された300mmウェハの厚さを4μmまで薄型化する技術を開発したと発表した。
メモリ容量を増やすための方法としては、プロセスルールなどはそのままに、ダイを積層する方法がある。上下の配線接続にバンプ(突起)を使うTSV(Through Silicon Via)配線では、これまでバンプとTSVを合わせた上下の配線長は約100μmだった。
今回、同研究グループは、容量2Gbitの300mm DRAMウェハの厚さを775μmから4μmに薄くすることに成功し、この厚さでもDRAM特性に影響がないことを明らかにした。この薄さだと、ウェハの向こうが透けて見えるほどとなる。
この技術と、同グループが開発した、上下のチップを直接接続するバンプレスTSV配線を用いると、TSVの長さを10μm以下にまで短縮できる。これにより、配線抵抗と電気容量はそれぞれ10分の1に、配線性能の指標となるその積は100分の1に抑えられ、16層積層しても電気的な課題を解消できるほか、加工しやすくなるため生産性も大幅に向上するという。
このダイを16層積層しても全体の厚さは200μm以下に収まり、16Gbitのメモリを使うと、256Gbitとなり、4チップで1Tbitを実現できる。これを従来の方法で達成するには、10nmや7nm級のプロセスが必要となる。