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スチールケース、タブレット利用を考慮したオフィスチェア

~今のデバイスにマッチした椅子を再設計

Gesture
2014年初頭 発売

価格:171,900円~

 日本スチールケース株式会社は、新しいデジタルデバイスの利用を考慮したオフィスチェアのフラグシップモデル「Gesture(ジェスチャー)」を2014年初頭に発売する。価格は171,900円から。

 日本を含む世界11カ国、2,000人を対象にさまざまな環境や姿勢について研究調査を行ない、その結果をもとに設計したオフィスチェア。iPhoneが発売されて以来、さまざまな新しい形のデバイスが誕生してきているにも関わらず、椅子に関してはその利用形態に合わせて設計がされておらず、新しいデバイスの利用において無理な姿勢を強いられている現状に着目して開発。“世界初のマルチデバイス対応オフィスチェア”を謳う。

 同社のグローバルな研究調査の結果、新しいデバイスによって9つの姿勢が新たに生まれたという。新しい姿勢は下記の通り。

・タブレットをリクライニングで使用する「ドロー」
・電話しながらノートPCを作業する前屈みの「マルチ・デバイス」
・小型スマートフォン特有の腕を曲げて文字入力する「テキスト」
・リクライニングし、膝を曲げて足も載せ、太ももで体を支える「コクーン」
・デスク上にタブレットを置き片手で操作する「スワイプ」
・身体を後ろに傾けながら作業する「スマート・リーン」
・デスク上に寄りかかって前のめりになり、肘を机に着き手で支える「ストランチ」
・集中してマウスやタッチパッド操作を長時間行なう「トランス」
・背もたれに掛かって大きな画面を見たり、熟考したりする「テイク・イン」

スチールケースが研究調査した「9つの新しい姿勢」
「コア」、「リム」、「シート」の3つに分けて分析

 いずれの姿勢にも対応できるよう、Gestureでは人間の胴体を「コア」、腕を「リム」、お尻を「シート」の3つに分割して、1日の人間の行動を分析。いずれの姿勢も最適なサポートが得られるようデザインした。

 「コア」については、背もたれから底面にかけて1つのパーツで構成され、脊髄の動きに合わせてサポートできるよう調整。右寄り、左寄りに体重移動しても、動きで対応できるようにした。また、リクライニング時の腰椎へのサポートを強化し、特に若年層に多いというリクライニングの姿勢に対応した。

 「リム」は、肘掛けの可動域向上でサポートを実現。昇降、角度、広がり幅などを調節可能で、一番狭い状態では業界最狭も実現する。また、肘掛けのネックを後部に設ける、シートの端も柔らかい素材にすることで、横向きに座った場合でも快適さを維持できるという。

 「シート」は、前後調節機能を搭載。これによりリクライニング時に前に出るお尻をサポートできる。

胴体を支える「コア」
腕を支える「リム」
お尻を支える「シート」

 また、昇降、シートの前後、リクライニングの反発力調整、リクライニングの角度を調節するダイヤルを本体の右側に集中させ、ダイヤルとレバーの2段構成、合計4個の可動部にすることで、直感的な操作を可能にしたという。シートの前後は前、リクライニングの反発力調整は後ろのダイヤルを使用。いずれも6回転でフルレンジ調節が可能。昇降は前のレバー、リクライニング角度は後部のレバーとなっている。

 デザインは、カバーが少し後部まで回りこむラップバックタイプ(177,700円)と、バックのデザインがそのままのシェルバックタイプ(171,900円)の2種類。素材と色は「Buzz2」が13色、「Cogent Connect」が11色、「Cross Check」が9色、「Omni-R」が18色から選べる。なお肘掛けなしタイプも141,600円から用意する。

 本体サイズは520.5×571.5×990.5~1,124mm(幅×奥行き×高さ)。

さまざまな体型の人の増加
年齢層による姿勢の違い
利用スペースも増加した
本体右側に操作系を集中
前の方のダイヤルとレバー。ダイヤルはシートの前後、レバーはシートの昇降を調節
後ろの方のダイヤルとレバー。ダイヤルは背もたれの反発の強さ、レバーは背もたれの角度を調節する
肘掛けを一番狭くした場合、業界最狭を実現する
肘掛けを広くすることもできる
肘掛けの片方だけを上げるといったことも可能
このようにスマートフォンを眺める場合、肘掛けを上げた方が良い
一方ノートPCを膝に乗せて使う場合、肘掛けを下げることもできる
記者発表会でも使われた
バックは2種類
カラーバリエーションの一例
シェルバックタイプ
ラップバックタイプ

 10日に都内で開かれた記者会見では、アジア・パシフィックのマーケティングを務めるJason Heredia(ジェイソン・ヘレディア)副社長が、新製品の特徴と開発の背景について説明。「スマートフォンが登場して以来、スマートデバイスにマッチした椅子が登場しておらず、ユーザーが無理な姿勢を強いられ、疾病を抱えるに至ったケースさえある。これは20年前のデバイスにマッチしたデザインの椅子が、今のデバイスにマッチしていないからだ」と語り、Gestureがまさにこの“不自然さ”への回答であり、既に各社から強い引き合いがあり、フラグシップとして誇りを持てる製品と自信を見せた。

Jason Heredia副社長
20年前に設計されたオフィスチェアは、今の時代にマッチしない
副社長自らGestureに座りデモしてみせた

(劉 尭)