ニュース
「デバイスとサービスの企業に変貌する」とMicrosoftバルマーCEOが宣言
(2013/5/23 17:57)
米MicrosoftのCEO(最高経営責任者)であるスティーブ・バルマー氏が23日、来日。報道向けに講演を行ない、「Microsoftはデバイスとサービスの企業に変貌する」と宣言した。
今回の来日は滞在時間が短かったこともあり、報道陣との質疑応答の時間は設けられず、バルマー氏によるプレゼンテーションと、日本マイクロソフトの樋口泰行社長からの質問という形式となった。
プレゼンテーションを行なったバルマー氏に樋口社長が、「デバイスとサービスの企業に変貌するという詳細をもう少し説明して欲しい」と質問すると、バルマー氏は次のように話した。
「ソフトウェアは現在でも価値の高いものだが、供給の方法は従来とは大きく異なり、データセンターからの配信といったスタイルへと変貌している。この時代の変化に対応するために、従来通りのパッケージでのソフト販売や、OEMパートナーにソフトをインストールして販売してもらうスタイルだけでは不十分となった。Xboxのように、我々の開発したソフトがハードウェアといかに統合されるのかを考える必要がある。操作だけ考えても、タッチ操作や音声操作など、もっとハードウェア設計に関与していくことが必要となった」と従来のMicrosoftのソフトウェアビジネスモデルを変えるべき時期にあるとの見解を示した。
PCについても、「(コンピューティングにおいて)PCが最高のハードウェアであることは現在も変わりない。しかし、ハードウェアは変革の時代を迎えている。日本のOEMパートナーである東芝、富士通、NECといったベンダーと共に新しいハードウェアを開発するべきだ」とPC以外のデバイス開発にも前向きに取り組むという。
また、Microsoft自身が「デバイスとサービスの企業へと変貌する」ためには、「こうしたイベントも将来はバーチャルで行なわれるものとなるかもしれない。ミーティングのあり方はこのままで良いのか? ノートの取り方に変革は必要ないのか? ITそのものを再定義する必要がある」とあらゆることの変革を追求する姿勢が必要となるとした。
Windows 8.1については、「数カ月後に、Windows Storeから(Windows 8への)無償アップデートとして提供される。タブレットに搭載されることで、タブレットは次世代タブレットとして進化する」と説明。
Windows Phoneについては、「PCと同じような体験を提供できる重要なデバイス。日本ではWindows Phoneのその後の提供が遅れているが、(提供できるよう)努力は続けている。日本で提供が実現すれば、スマートフォンの刷新が実現することになるだろう」と日本での提供に意欲を見せた。
「1人1人のためにパーソナライズされたデバイスが、PCであっても、タブレットであってもWindows Phoneであっても同じサービスを受け取ることができるようになる。その素晴らしい例がOffice 365だ。我々は引き続き、コンシューマユーザーがワクワクするような体験を提供していく」。
また、Windows Azureの国内でのビジネス強化に向け、以前から要望があった日本リージョンを、東京、大阪の2拠点体制で開設することも発表された。具体的な開設時期など詳細は明らかにしていないが、「2拠点体制とすることで、国内だけでディザスタリカバリー(災害からの復旧体勢)を実現できることになる」という。
日本でのWindows Azureデータセンターとしては富士通がサービスを行なっているが、「双方のサービスを統合するような形のものへ進化させる」としている。
バルマー氏は日本市場について、「日本はMicrosoftにとって2番目に大きな市場である。私は今後のビジネスが新興国でのみ伸びるとは考えていない。新興国でも、日本でも、北米でも、ヨーロッパでもビジネスを伸張させていく。そのためにはイノベーションが必要となる」とイノベーションによって引き続き、日本市場でも成長していくと話した。