日本マイクロソフト株式会社は26日、Windows 8の発売に合わせた記者発表会を開催した。
既報の通り、同社は25日の夕方から秋葉原で前夜祭を実施。各ショップ店頭では26日0時に向けたカウントダウンを行ない、DSP版OS発売の解禁を迎えた。前夜祭にも参加した代表執行役社長の樋口泰行氏によると、同社が用意した6千個のWindows 8紙袋はすべてはけたので、述べ1万人以上がこれらのイベントに参加したのではとの見通しを語った。
また、前夜祭会場に並べられたWindows 8 PC実機によるタッチアンドトライコーナーには多数のユーザーが詰めかけ、「すぐにでも買いたい」という感想が出るなど、日本マイクロソフト社員も驚くほどの注目を集めたとの所感を語った。
時差の関係で、前夜祭や発売は日本が世界で初となるが、樋口氏によると、年内に予定されている約1,000機種のWindows 8 PCの内、250機種以上が日本の製品の数で、これは世界最多だという。また、発売に向け、すでに全国の量販店11,000人に対してWindows 8のトレーニングを完了しており、発売の布陣が十分整ったことをアピールした。
樋口泰行氏 | 会場には各社の最新PCが一同に並べられた |
続いて、業務執行役員Windows本部本部長の藤本恭史氏がWindows 8の特徴を説明した。藤本氏はまず、ピクチャパスワードでのログイン、タイルを使った新しいスタート画面などの新規要素を説明し、Microsoft Officeなどの既存ソフトのほぼ全てが動き、かつ、OSプロセスやメモリ管理の最適化などにより、性能が大幅に改善された点も紹介した。
OSの発売と同時に、アプリを配信するWindowsストアも正式オープンとなったことで、日経新聞、Yahoo!、Note Anytime、TSUTAYA DISCAS、クックパッド、Shufoo!、ミクシィ年賀状などいくつかの国内アプリが紹介された。いずれもWindows 8に合わせたUIを採用し、スクロールや拡大縮小がスムーズにできる。
また、LAN経由で動画をTV上に表示するデモや、無線TVチューナも紹介された。TVへの動画送信は、基本的にDLNA対応であればできるが、ソニーなど、Windows 8での動作検証結果を公開しているメーカーもある。
発表会の締めとして、Windows 8搭載PCを発売する、ASUS JAPAN、NECパーソナルコンピュータ、エプソンダイレクト、KOUZIRO、ソニー、デル、東芝デジタルプロダクツ&サービス社、日本エイサー、日本ヒューレット・パッカード、パナソニック、富士通、マウスコンピューター、レノボ・ジャパンの代表者が登壇し、液晶ディスプレイを使った、デジタルテープカットを行なった。
質疑応答では、モバイル機で先行する競合に対し、樋口氏は、「アプリの数は、7千万台というインストールベースがあり開発者の裾野が広いことから、今後は勢いよく増え、質も高まっていくので心配していない。競合タブレットに対して製品面についても楽観視している」と答えた。
企業向けの訴求について藤本氏は、2014年4月にWindows XPのサポート期限が切れることから、Windows 7への移行検討が進んでいる中、Windows 8は7との互換性が高く、かつ仮想化やWindows To Goなどの面でより洗練されており、そういった点を背景にマーケティング的な支援をしていきたいと述べた。
また、樋口氏は、「Windowsはセキュリティと管理性が高いので、(企業向けのWindows 8機を)早く出して欲しいと言う声も頂いている」と答えた。
なお、同社独自のWindows RTマシンである「Surface」の日本投入については、コメントを差し控えた。
(2012年 10月 26日)
[Reported by 若杉 紀彦]