ソニーは、9.4型Androidタブレット「Xperia Tablet S」を9月15日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、ストレージ16GBモデルが4万前後、32GBモデルが48,000円前後、64GBモデルが56,000円前後。
同社のAndroidタブレット第一弾は「Sony Tablet」のブランド名だったが、今回よりスマートフォンと同じ「Xperia」ブランドを冠した。製品名から分かるとおり、Sony Tablet Sの後継機となっており、基本的な本体デザインを踏襲しつつ、スペックを引き上げた。また、ソニーの各種サービスとの親和性が高いほか、利用シーンに合わせた純正周辺機器を多数用意したのが特徴となる。
●ハードウェアハードウェアの仕様は、液晶が1,280×800ドット表示対応9.4型なのは前機種と変わらないが、指紋がつきにくく摩擦が少ないコーティングを施した。また、液晶TV「ブラビア」で採用されている「オプティコントラストパネル」技術を採用。ガラスと液晶パネルの間の空気層の代わりに樹脂層を用いることで、外光による反射を抑える。駆動方式はIPS。
プロセッサは、Tegra 2からTegra 3(クアッドコア1.3GHz)に変更。メモリ容量は変わらず1GBだが、ストレージ容量は16GB、32GBに加え64GBモデルが用意された。このほか、Bluetoothが2.1から3.0に、Wi-FiがIEEE 802.11b/g/nから、IEEE 802.11a/b/g/nに、カメラが前面30万画素/背面500万画素から、前面100万画素/背面800万画素の裏面照射型にそれぞれ強化された。OSはAndroid 4.0。
一方で筐体は、先端を折り曲げたような意匠は踏襲しつつ、約239.8×174.4×8.8~11.85mm(幅×奥行き×高さ)へ薄型化され、重量も598gから570gに軽量化。さらに、IPX4相当の防滴性能を追加した。メモリカードスロットはSDカードスロット。バッテリ駆動時間は、動画再生時で約12時間、Web閲覧時で約10時間。
オーディオにも注力しており、2Wのステレオスピーカーを内蔵。また、ワイドレンジでフラットな音を再現する「CLEAR PHASE」、音を歪めずに音圧を上げる「xLOUD」、仮想サラウンドの「S-FORCE FRONT SURROUND」、楽曲/ファイル間の音量レベルを均一にする「ダイナミックノマライザー」、イコライザーの「CLEAR BASE + Equalizer」といった機能を搭載する。
背面 | 右側面に音量と電源ボタン | 左側面にヘッドフォン端子 |
カバーを開けるとSDカードスロット | 背面下部にスピーカーとマルチポート | 防滴を実現した |
●アプリ、サービス
独自の「WALKMAN」、「アルバム」、「ムービー」などのアプリはアイコンやインターフェイスをスマートフォンと共通化。また、「Video Unlimited」、「Music Unlimited」、「PlayStation Mobile」、「PlayMemories」、「Reader Store」といったソニーグループの各種サービスに標準対応。
特徴的な機能として、「Xperia Link」というテザリングソフトを搭載。Xperiaスマートフォンとペアリングしておくと、Xperia Tablet S側からスマートフォンのテザリングをワンタッチでオン/オフできる。
また、家族や友人に一時的に本製品を使わせるための「ゲストモード」機能を搭載。ゲストモードでは、あらかじめ許可したアプリしか起動できなくなる。
前機種にあった「スモールアプリ」は引き続き搭載。スモールアプリは、ブラウザ、リモコン、電卓の機能を子画面で表示させる機能だが、新たに楽譜を見て歌いながら声を録音する「レコーダー」や、「タイマー」、「メモ」、「クリップ」といった機能が追加。さらに、他社製のものを含む任意のウィジェットをスモールアプリとして追加できるようになった。これによって、ソーシャルサービスのウィジェットでタイムラインを常に確認しながら、Webブラウズするといったことができる。
このほか、nasneやソニー製BDレコーダーとの連携、おでかけ転送、赤外線リモコンなどの機能を搭載する。
●周辺機器本体と同時に、各種周辺機器も発売する。「キャリングカバー」は、ブラック、ホワイト、ピンク、グリーン、ブルー、レッド、グレーの7色を用意。材質は、ブラックとホワイトがレザーで、残りがファブリック。店頭予想価格はレザーが約8千円、ファブリックが約5千円。
キャリングカバー | 装着したところ。カバーに合わせた壁紙を標準で収録している |
キーボード付きの「カバーキーボード」も用意。内側にキーがプリントされており、カバー兼スタンド兼キーボードになる。キーはタッチセンサー。本体色はブラックとホワイト。なお、Xperia Tablet Sでは、電源および周辺機器との接続用に独自の「マルチポート」と呼ばれるコネクタを採用。カバーキーボードも、このマルチポートで接続されている。店頭予想価格は約1万円。
カバーキーボード | 装着したところ |
「ドッキングスタンド」は、HDMI出力とUSBホスト×3、電源を搭載したスタンド。インテリアと馴染むスタイリッシュなデザイン。コネクタ部分が90度回転し、タブレットを縦向きの状態でも使用できる。店頭予想価格は約1万円。
ドッキングスタンド | 装着したところ。本体は縦横どちらにも固定できる |
「タブレットスタンド」はくの字型のスタンド。特に稼働部分はないが、置き方によってタブレットの角度を3段階に変えられる。店頭予想価格は約2千円。
タブレットスタンド | 利用形態 |
「クレードル」は、充電機能付きのスタンド。角度は2段階に調節可能。マルチポートは利用する際にカバーを外す必要があるが、クレードルには充電の接点のついた専用カバーコネクタが付属。これをタブレットにつけると、防滴性能を維持したまま、クレードルに着脱できる。店頭予想価格は約4千円。
クレードル。右にあるのがマルチポートカバー | 装着したところ |
「ドックスピーカー」は、デジタルアンプ「S-Master」搭載のスピーカー付きドック。スピーカーは10W+10W。リモコンが付属し、離れた場所から各種メディアを再生できる。店頭予想価格は約13,000円で、この製品のみ発売は10月27日。
ドックスピーカー | 装着したところ |
このほか、液晶保護シート、ACアダプタ、マルチポート用USBケーブル、USBホストアダプタケーブル、HDMIアダプタケーブルも発売する。
(2012年 9月 4日)
[Reported by 若杉 紀彦]