レノボ・ジャパン株式会社は、8万円を切るUltrabook「IdeaPad U310」など、デュアルコア版Ivy Bridgeを搭載するノートPC 4機種を発売した。価格はいずれもオープンプライス。
●IdeaPad U310IdeaPad U310は、薄型で長時間バッテリ駆動、高速応答性などのUltrabookのガイドラインに準拠しつつ、普及価格帯を実現した製品。また、一般層への訴求を目指し、グラファイトグレー、アクアブルー、チェリーブロッサムピンクという3色のラインナップを取りそろえる。
本体デザインは、手前から奥まで厚さ18mmで統一し、側面は全周に渡り若干くぼませた「ループ設計」を採用。また、底面/天面は金属素材で、縁に丸みを持たせ、持ちやすく開けやすいよう配慮した。
また、今回の新製品全てで、ストレージはHDDとSSDを組み合わせるIntel SRTに対応。同社独自の高速化技術「Enhanced Experience 3」と相まって、競合製品より4割速い約25秒でOSが起動する。また、「Boot Shield」技術により、アプリケーションを60個追加した場合、同技術なしでは起動に約82秒かかるところ、約26秒で起動し、購入時と変わらない高速起動が維持される。このほか、指と手のひらを区別することで、大型のタッチパッドに手のひらが当たっても誤操作しにくい「スムースタッチセンサー」を搭載する(一部例外あり)。
ハードウェアの主な仕様は、Core i5-3317U(1.7GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、HDD 500GB+SSD 32GB、Intel HM77 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応13.3型液晶ディスプレイ、Windows 7 Home Premium(64bit SP1)を搭載。店頭予想価格は8万円を切る見込み。
インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力、720p Webカメラ、SDカードスロット、音声入出力などを装備。
本体サイズは333×225×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.68kg。バッテリ駆動時間は約6.2時間。
アクアブルーモデル | 天板 | 左側面 |
右側面 | 正面 | 開いたところ |
持ちやすく開けやすいというループ設計 | 約25秒でOSが起動 | アプリを追加しても起動が遅くならない |
●IdeaPad Y580
エンターテイメント向け「IdeaPad Y580」の主な仕様は、上位モデルの「209973J」がCore i7-3610QM(2.3GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、HDD 1TB+SSD32GB、BDドライブ、GeForce GTX 660M、1,920×1,080ドット表示対応15.6型液晶ディスプレイ、Intel HM76 Expressチップセット、Windows 7 Home Premium(64bit SP1)を搭載し、店頭予想価格は11万円前後。下位の「209977J」はCPUをCore i5-3210M(2.5GHz、ビデオ機能内蔵)、HDDを750GBに変更し、店頭予想価格は10万円前後。
インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、720p Webカメラ、SDカード/メモリースティック/xD-Picture Cardスロット、音声入出力などを装備。
本体サイズは385×255×22~35.7mm(同)、重量は約2.7kg。バッテリ駆動時間はCore i7が約4.3時間、Core i5が約4.7時間。本体色はダークグレー。
IdeaPad Y580 |
●IdeaPad Z580
メインストリーム向け「IdeaPad Z580」の主な仕様は、Core i5-3210M、メモリ4GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチドライブ、Intel HM76 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応15.6型液晶ディスプレイ、Windows 7 Home Premium(64bit SP1)を搭載し、店頭予想価格は65,000円前後。
インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、30万画素Webカメラ、SDカード/メモリースティック/xD-Pictur Cardスロット、音声入出力などを装備。
本体サイズは376×250×20~34.1mm(同)、重量は約2.65kg。バッテリ駆動時間は約4.1時間。本体色はエナメルホワイトとチェリーレッドの2色。
IdeaPad Z580 エナメルホワイト | チェリーレッド |
●Lenovo G580
エントリー向けの「Lenovo G580」はCPUの異なる3モデルが用意。Ivy Bridge搭載搭載モデルの「26897MJ」は、Core i5-3210M、メモリ8GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチドライブ、Intel HM76 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応15.6型液晶ディスプレイ、Windows 7 Home Premium(64bit SP1)を搭載。「2689D6J」はメモリを4GB、HDDを750GBに変更したモデル。いずれも店頭予想価格は60,000円前後。
インターフェイスは、USB 3.0×2、USB 2.0、Ethernet、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、30万画素Webカメラ、SDカードスロット、音声入出力などを装備。
本体サイズは376×245×34.3mm(同)、重量は約2.6kg。バッテリ駆動時間は約5.4時間。本体色はグロッシーブラウン。
Lenovo G580 |
●守りと攻めの戦略を継続
渡辺朱美氏 |
発表に先立って行なわれた説明会では、4月付けで同社社長に就任した渡辺朱美氏が、初めて報道の前に登壇し、戦略などについて説明した。
まず渡辺氏は、これまでの実績として、IBMからPC事業を買収して7年が経過し、過去3年の世界シェアは2倍の13.1%に伸び、HPに次ぐ2位になったことを説明。また、NECと合弁会社を立ち上げた日本において、両者合算で25.2%のトップシェアだが、レノボ単体でも、過去3年で3.7%から7.5%へと2倍に成長しているとした。
その成長の要因は、トップシェアである中国ではその立場を守り、シェアの低い地域/史上では積極的な展開を行なうという、「守りと攻めの戦略」にあるが、渡辺氏は2012年もこの戦略をワールドワイドで継続するとの意向を示した。ただし、市場の変化が早いため、細かい点では修正を図りながら事業を進めるという。
重要なテーマとしては、「イノベーションの継続」、「レノボブランド」、「ビジネスモデルを強化」、「人材&カルチャー」の4点を挙げた。CES 2012ではPC業界で最多の23の賞を受賞したが、キーボード着脱式や、液晶を360度回転できる製品なども積極的に日本に投入する。また、元サッカー選手の中田英寿氏を起用したTV CMやマーケティングも継続し、特にIdeaPadのブランドの認知力を高めていく。
こういった、戦略の下、日本市場ではグループで30%、レノボ単独では外資系として1位のシェアを目指す。
(2012年 6月 5日)
[Reported by 若杉 紀彦]