4月17日(現地時間)発表
米Gartnerは17日(現地時間)、2011年世界半導体市場の売上について報告をとりまとめた。これによると、下半期は世界経済の先行き不安などから市況が悪化したものの、特にモバイル関連が好調に推移し、3,068億ドルと前年比で1.8%成長した。
同社主席アナリストのピーター・ミドルトン氏によると、グラフィックス機能を統合したことでマイクロプロセッサの平均単価が14.2%向上するなど、主要デバイス分野の中でマイクロコンポーネントが最も成長したという。
企業別に見ると、1位は20年連続でIntel。サーバー向け製品が好調だったことや、Infineon Technologiesからワイヤレス部門を買収したことなどで、1998年に記録した16.3%を超える16.5%という過去最高のシェアを達成した。
以下、4位までは2010年から順位が変わっておらず、2位はSamsung Electronics。DRAMで苦戦したが、NANDフラッシュとAppleなどに提供したASIC事業が好調だった。東芝は、TV向けロジックICの出荷減などのほか、円高や、東日本大震災の影響などで売上を4.8%減らしたが3位を堅持した。4位はTexas Instruments。
ルネサスエレクトロニクスも、震災の影響を受けたものの、自動車向け組み込みプロセッサやLSIの売り上げが伸び、6位から5位に順位を上げた。また、Atherosを買収し、スマートフォン向けモデムなどが好調だったQualcommは前年比38.8%の成長を記録し、9位から6位に躍進した。
2011年 | 2010年 | メーカー名 | 2011年 | 2011年 | 2010年 | 2011年 |
ランク | ランク | 売上高 | シェア | 売上高 | 対前年 | |
(%) | 成長率(%) | |||||
1 | 1 | Intel | 50,669 | 16.5% | 41,988 | 20.7% |
2 | 2 | Samsung Electronics | 27,366 | 8.9% | 27,094 | 1.0% |
3 | 3 | 東芝 | 11,769 | 3.8% | 12,360 | -4.8% |
4 | 4 | Texas Instruments | 11,754 | 3.8% | 11,827 | -0.6% |
5 | 6 | ルネサス エレクトロニクス | 10,650 | 3.5% | 10,204 | 4.4% |
6 | 9 | Qualcomm | 9,998 | 3.3% | 7,204 | 38.8% |
7 | 5 | STMicroelectronics | 9,635 | 3.1% | 10,262 | -6.1% |
8 | 7 | Hynix Semiconductor | 9,388 | 3.1% | 9,884 | -5.0% |
9 | 8 | Micron Technology | 7,643 | 2.5% | 8,224 | -7.1% |
10 | 10 | Broadcom | 7,160 | 2.3% | 6,604 | 8.4% |
その他 | 150,811 | 49.1% | 155,807 | -3.2% | ||
合計 | 306,843 | 100% | 301,458 | 1.8% |
(2012年 4月 19日)
[Reported by 若杉 紀彦]