エプソンは、ビジネス用プロジェクター「オフィリオ」シリーズ6機種を9月から順次発売する。価格はオープンプライス。
普及機種のスタンダードモデル5機種は、直販サイト「エプソンダイレクト」での販売価格が、3万円台後半から9万円台後半で、全機種とも10万円以下と導入しやすい価格を目指した。高級機種の多機能パワーモデルである「EB-1880」は23万円前後の見込み。
機能面では、「スライド式ヨコ台形補正機能」を新搭載した。投影するスクリーンに対して30度以下の角度であれば、本体にあるレバーをスライドさせるだけで台形補正ができる。
また、USBケーブル1本でPCと接続できるUSBディスプレイ機能の搭載や、HDMI端子の搭載機種拡大など、PCとの接続機能が強化された。
基本機能では、画面の明るさが向上し、スタンダードモデルでは2,600~3,000lm(ルーメン)、多機能パワーモデルでは4,000lmの明るさを実現している。方式は全機種とも、3原色液晶シャッター式投影方式(3LCD方式)。
オプションの豊富さも特徴で、実物や書類をそのまま投影できる「書画カメラ」、投影画面で指示棒をマウスとして使用できる「電子黒板ユニット ELPIU02」などに、ほとんどの機種が対応する。オプションの価格はいずれもオープンプライス。
発表会場では、プロジェクターにおけるエプソンのシェアが、世界全体/国内ともナンバーワンであることと、それを支える各市場に向けた幅広い製品ラインナップが紹介された。
ワールドワイドで10年連続、シェア1位 | 国内シェア1位は16年連続 | プロジェクターの市場は、中国などアジア圏を中心に伸びている |
発表は3人によって行なわれた。まず、エプソン販売 取締役 販売推進本部長 中野修義氏が発表の概要を説明 | 続いて、セイコーエプソン 映像機器事業部 副事業部長 森山佳行氏が製品の機能を解説 | 最後に、エプソン販売 VIMD部 部長 久保厚氏が、販売戦略を説明した |
また、新製品の狙いとして、ただ大画面を共有するという状態から、会議を活性化するようなインタラクティブな機能をシステムとして提供していることが強調された。
質疑応答では「小規模の会議室では液晶TVがプレゼンテーション用に使われる場合が増えているが、それとの住み分けは」という質問に対し、「プロジェクターの利点は、小さな機械で大きな画面が得られることにある。フラットパネルTVでは、100インチ級の画面を得ることは難しい。また、フラットパネルTVを壁面に設置するのは工事が必要だが、プロジェクターならば使用しないときは片付けておける。両者の特徴は、それぞれ異なるので、きちんと住み分けできていける」と回答された。
プロジェクターの投影品質に影響するスクリーンについてセット販売の予定を聞かれ、「個人市場向けの製品でスクリーンとセット販売したことはあるし、ビジネス用の製品でもセールなどでの例はある。検討したい」と回答された。
(2011年 8月 3日)
[Reported by 伊達 浩二]