エルピーダメモリ株式会社は、世界初のTSV(Through Silicon Via)積層技術によるDDR3 SDRAMをサンプル出荷した。
TSVはチップに小さな孔を開け、そこに金属を充填することで積み重ねた複数のチップを電気的に接続し、3次元構造を実現するスタックパッケージ技術。ワイヤボンディングで接続する手法と比較して配線距離を大幅に短縮できるため、高速化/省電力化/小型化などの面で有利という。
エルピーダは、2004年にNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成によりTSVの開発を開始し、2009年に1Gbit DDR3 SDRAMを8枚積層した世界初のTSV DRAMの開発に成功していた。
今回、エルピーダは2GbitのTSV DRAMを用いて4層積層することで、8Gbit(1GB)の容量を実現。従来のSO-DIMMを用いたシステムと比較して、動作時の消費電力を約20%、スタンバイ時の消費電力を約50%削減したほか、マザーボード上の実装面積をおよそ70%削減できる。今後は超薄型ノートPCやタブレットPCなどへの搭載を見込んでいる。
(2011年 6月 27日)
[Reported by 劉 尭]