オンキヨー株式会社は、PCI Express接続のサウンドカード「SE-300PCIE」を4月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は34,800円前後の見込み。対応OSはWindows Vista/7。
同社が2008年4月に発売した「SE-200PCI LTD」以来、約3年ぶりのサウンドカード新製品。オーディオプロセッサとして、Creative製の「20K2 X-Fi」を採用し、将来性を見込んだPCI Express x1インターフェイスとなった。
性能や機能面でもX-Fiの特徴を引き継ぎ、ゲーム向けサウンドエフェクト「EAX ADVANCED HD 5.0」を利用可能。また、用途に合わせてプロセッサの機能を最適化する「ゲームモード」、「エンターテイメントモード」、「オーディオクリエーションモード」の3種類を備える。
オンキヨーの従来のサウンドカードと同様、音質を追求したさまざまな機能や設計を盛り込んだ。まず、一般的なオペアンプを使用せず、すべてディスクリート部品で上下シンメトリーに専用設計した独自回路「DIDRC」を採用。スルーレートを高めることで、可聴周波数帯以上(メガヘルツ帯)のノイズがDACから入力されても、可聴周波数帯に影響を与えるビートダウン(混変調)現象を抑え、低ノイズを実現したという。
なお、DIDRC回路はヘッドフォンアンプ部にも採用することで、ヘッドフォンの利用が多いゲームユーザーのニーズにも応えられるとしている。
本体正面 | シールドを取り払ったところ | DIDRC回路部分 |
電源を安定供給するために、PCから供給される電源をそのまま利用せず、PCI Expressから供給される12Vから、12Vと5Vを再生成する「絶縁型高レギュレーション±両電源」を搭載。これにより、オーディオ回路に安定した電源供給ができるという。
DACには、バーブラウン製の2チャンネル専用DAC「PCM1798」を2個搭載。合計4つのDACの平衡出力を用いて、チャンネル毎にダブルで差動合成しセパレーションすることで、120dBのS/N比を実現したという。
また、アナログ回路には銅製のシールド、デジタル回路と電源のDC/DCコンバータには磁性シールドをそれぞれ施すことで、信号の内部干渉や、輻射ノイズを抑えられるという。
このほか、グランド電位の安定化を図る銅バスプレートをアナログ出力回路に搭載するほか、カスタムオーディオコンデンサの採用や、DAC用の±10PPMの高精度クロック、7.1ch出力用の別ブラケットなどを備える。なお、7.1chブラケットは本体とケーブルで接続されるほか、DIDRC回路なども利用できなくなるため、機能的にはオプションとして提供し、推奨はしないとしている。
出力端子として、アナログRCA、デジタル光出力、デジタル同軸出力、ヘッドフォン端子を装備。デジタル出力サンプリング周波数は32kHz/44.1kHz/48kHz/96kHz、周波数特性はアナログの2ch出力が0.3Hz~88kHz、7.1ch出力が0.3Hz~20kHz。入力端子として、ステレオミニジャック、デジタル光入力を備える。
本体サイズは25×181×126.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は300g。
20K2 X-Fiを搭載 | 7.1ch出力用ブラケットが付属する |
(2011年 4月 8日)
[Reported by 劉 尭]