NTTドコモ、REGZA Phoneを始めスマートフォン4機種を発表
~LTEは年内開始。年度内にタブレットや電子書籍端末も発売

今回発表の新製品

11月8日 発表



 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は8日、携帯電話の2010年冬~2011年春モデル28機種を発表した。

未発表製品を含め今シーズンのスマートフォン(タブレット)は全7機種

 この内、スマートフォンは「REGZA Phone T-01C」、「LYNX 3D SH-03C」、「Optimus chat L-04C」、「BlackBerry Curve 9300」の4機種。今シーズン向けとして同社は、すでにスマートフォン「GALAXY S」とタブレットの「GALAXY Tab」を発表済み。さらに、年度内にもう1機種タブレットを発売予定としており、これを入れると全7機種となる。

 REGZA Phoneは、すでにKDDIからも発表された同名の製品とほぼおなじもの。発売は12月~2011年1月。「モバイルレグザエンジン3.0」と呼ばれる技術を搭載し、ワンセグやYouTubeの映像を、超解像、フレーム補間などにより高画質化する。また、IPX7準拠の防水仕様となる。

 ハードウェアの主な仕様は、480×854ドット表示対応4型タッチ液晶と、約1,220万画素のカメラを搭載。本体サイズは約62×126×11.9~14.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約149g。連続待ち受け時間と通話時間は、3Gが約370時間/約280分、GSMが約250時間/約260分。本体色は、モイストブラックとメローボルドー(紫系)の2色。

REGZA Phoneドックに接続したところ約1,220万画素の高解像度なカメラを搭載
ワンセグなど日本向け機能も搭載生活防水仕様カラーバリエーションは2色

 LYNX 3Dは、ソフトバンクモバイルが発表した「GALAPAGOS 003SH」と同等機能を持つ製品。発売は12月。製品名が示すとおり、裸眼による立体視に対応。3D写真の撮影や、2D静止画の3D変換が可能。3Dゲームや3D動画もプリインストールされる。

 ハードウェアの主な仕様は、480×800ドット表示対応3.8型タッチ液晶と、約960万画素のカメラを搭載。本体サイズは約62×123×13.4mm(同)、重量は約140g。連続待ち受け時間と通話時間は、約410時間/約270分(3Gのみ)。本体色は、ピュアホワイト、インクブラック、フェアリーブルーの3色。

LYNX 3Dカメラのレンズは1つだが、横にパンさせながら撮ることで、3D写真が撮影できる
3Dの動画やゲームがプリインストールされるカラーバリエーションは3色。女性にも訴求したいと山田社長

 2製品に共通の特徴として、OSはAndroid 2.1だが2011年春までに同2.2へのアップデートが予定。また、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信といったiモード機で定評のある機能を搭載するほか、スマートフォンでiモードメールアドレスを利用できる「spモード」やデコメにも対応する。おサイフケータイは、Edyが2011年1月、iDが2011年2月以降、モバイルSuicaが2011年上半期に対応予定。

 通信機能は、REGZA Phoneが3G+GSM、LYNX 3Dが3Gで、下り7.2Mbps/上り5.7MbpsのFOMAハイスピードに対応。このほか、Bluetooth、Wi-Fi、GPS(海外対応)を搭載。

 このほか、エントリー向けに位置づけされるスライド式QWERTYキーボード搭載のOptimus chatが2011年2月、ビジネス向けのBlackBerry Curve 9300は12月より発売される。

 また、シャープのGALAPAGOSをベースとした電子書籍端末を12月から2011年1月にかけて発売する予定。通信には3Gも使うが通話はできず、書籍ほかマンガや雑誌などのコンテンツに特化した製品となる。

フラグシップ2機種はおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信に対応Optimus chatスライド式QWERTYキーボード搭載
BlackBerry Curve 9300発表済みのタブレットGALAXY Tab電子書籍端末「SH-07C」も近々発売

●LTEを12月24日からサービスイン

 同日行なわれた製品発表会では、同社代表取締役社長の山田隆持氏が製品のほか、新しい施策や、サービスなどについて発表を行なった。

 同社独自のサービスとして、今シーズン発売のAndroid端末5機種に、今回世界で初めて発表されるAndroid用Evernoteバージョン2.0をプリインストールする。また、既存製品含め、全ての同社製Androidスマートフォンユーザーに対して、1年間無償でプレミアム会員へのアップグレードを行なうキャンペーンを2011年5月1日まで実施することを発表した。

Evernoteとの協業を発表NTTドコモの山田隆持社長とEvernoteのフィル・リービンCEOスマートフォンへのプリインストールと、プレミアム会員への無償アップグレードが発表

 また、かねてより告知していた、LTEを使った次世代通信サービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日よりサービス開始することを発表した。Xiは、下りが最大37.5Mbps、上りが最大12.5Mbps。限定的ではあるものの、10MHz(通常は5MHz)通信を利用可能な一部屋内施設では下り75Mbpsの通信も可能としている。

 12月時点でのサービス利用可能地域は東京23区、横須賀市、成田市、名古屋市、常滑市、大阪市、豊中市、池田市、泉佐野市、泉南市の一部。2011年度には全国の県庁所在地級都市、2012年度には全国主要都市へと拡大する。

 最初の端末はPC用のUSBデータ通信アダプタが用意。次いで2011年4月にExpressCard/34用内蔵アダプタが発売予定。音声にも対応する汎用端末は、2011年後半の予定。

 通信料金は、2年契約の場合で、最低が月額1,000円、通信量5GBまでが6,510円、以降2GBごとに2,625円加算される。ただし、2012年4月30日までキャンペーンを行なう予定で、これによりどれだけ使っても最大月4,935円となる。なお、山田氏によると、同社ユーザーの99.6%が、通信量5GB未満だという。

 利用するアプリケーションについての制限はないが、3日間の通信量が300万パケットを超え、かつ混雑した地域で利用するユーザーについては、現状と同等の帯域制限を行なうという。

LTEは12月24日に提供開始下りは最大37.5Mbps
当初は月額上限4,935円で利用できるキャンペーンを実施USBアダプタとExpressCardアダプタ(奥)

 質疑応答では、競合となるソフトバンクモバイルに関する質問が多く投げかけられた。

 山田氏は「他社のことなので、あまり踏み込んだことは言えないが」と前置きしながら、「iPhoneは垂直統合モデルなのに対し、Androidはオープンなので、キャリアが手を加えることが可能で、これにより独自のサービスなどを盛り込める。そのため、いずれAndroidのシェアは、iPhoneを超えるだろう。(iPhoneを持つ)ソフトバンクモバイルがAndroid機を出したのは、それを見越した苦し紛れでは」との見解を示した。

 また、同社の強みは、端末、iモードで培ってきたサービス/コンテンツ、ネットワークがいずれも強力である点だが、今後スマートフォンにiモードのコンテンツを簡単に移せる仕組みを提供していくことを明らかにした。

 LTEについては、今後の主力とし、向こう5年間で3,400億円としていた投資を3年間で3,000億円とし、2014年度に基地局を3万5千局建設し、人口カバー率70%を達成するとの見込みを示した。

 発表会の最後には、CMに出演している女優の堀北真希さんと、俳優の渡辺謙さん、そしてダースベーダーがゲストとして登場した。

 堀北さんは、今回の28機種の中では、気分に合わせてパーツを付け替えられる「F-02C」が一番のお気に入りだというが、スマートフォンにも興味があり、機種変更も考えているという。堀北さんは、メールを頻繁に使うとのことだが、特にspモードでiモードのアドレスがそのまま使えるのがうれしいと語った。

 渡辺さんのお気に入りはREGZA Phone。ワンセグでスポーツ中継などがいつでも見られるほか、防水なのでキッチンなどでも使えるのは、料理好きとして重宝する、とその理由を語った。また、現在Xperiaを使っているが、家族やマネージャーとは頻繁にメールをやりとりしており、デコメも多用しているという。

発表会には、堀北真希さん、渡辺謙さん、そしてダースベーダーがゲストとして登場

(2010年 11月 8日)

[Reported by 若杉 紀彦]