オンキヨーは、Windows 7 Home Premiumを搭載したスレートPC「TWシリーズ」3機種の受注を開始した。価格はオープンプライスで、10月中旬より順次発売する。
スレートPCとは、タッチパネル付液晶を搭載したピュアタブレット型PCの別名。オンキヨーではWindows 7を搭載したスレートPCは国内メーカーでは初の製品としている。
TW317A5 | TW217A5 | TW117A4 |
今回発売される3機種は、いずれもAtomベースだが、3機種3様で仕様が異なっている。
「TW317A5」は、Atom N450(1.66GHz)、1GBメモリ、32GB SSD、11.6型1,366×768ドット液晶で、約1.0kg。店頭予想価格は69,800円前後。
「TW217A5」は、Atom Z530(1.60GHz)、1GBメモリ、32GB SSD、10.1型1,024×600ドット液晶で、約850g。店頭予想価格は59,800円前後。
「TW117A4」は、Atom N450、1GBメモリ、160GB HDD、10.1型1,024×600ドット液晶で、約990g。店頭予想価格は49,800円前後。
液晶はいずれもグレアタイプの「輝き液晶」で、タッチパネルはマルチタッチ対応の静電容量型となっている。TW317A5は、Broadcom BCM70015ハードウェアアクセラレータを搭載し、フルHDの動画再生にも対応する。
共通の仕様として、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth Ver.2.1+EDR、SDメモリーカードスロット、USB 2.0ポート、130万画素Webカメラなどを備える。
また、上位2機種にはHDMIミニ端子、TW117A4には専用アナログポートが用意され、外部ディスプレイへ接続できる。
左からTW117A4/TW217A5/W317A5 | 3台ならべると微妙にデザインが異なる | 参考展示された周辺機器類 |
菅正雄氏 |
オンキヨーの常務取締役 PCカンパニー社長 菅正雄氏は、「スレートPCは注目されている製品なので、どこよりも先に出したかった。また、本気であることを感じてもらうために、一気に3機種投入した。すでに、法人ユーザーからの問い合わせも多く、納品を待つばかりというところもある。いま日本市場の年間出荷台数は1,600万台だが、スレートPCにはそれを2,000万台に向けていく魅力がある」と力を込めた。
製品の特徴については「ともかくPCそのものなので、インターフェイスやアプリケーションソフトが、そのまま使えることが一番の魅力だ。ご覧になったお客様からは、よくUSBを付けてくれたと言われた。USB端子で、こんなに褒められたのは初めてだ」と語った。
国内メーカー初を強調 | 新シリーズの位置付け | 競争相手がおらず、付加価値が望めそうな市場をめざす |
ライバルのiPadに比べ、オープンであることを強調 | 既存のPCの資産がそのまま使える | Windows 7+Atomが特徴 |
用途に合わせて3機種を用意 | 個人も法人も狙う | スレートPCではNo.1を目指す |
左から、インテル土岐英秋氏、オンキヨー菅氏、マイクロソフト 藤本恭史氏 |
会場では、マイクロソフトとインテルの各日本法人からゲストスピーチが行なわれ、それぞれWindows 7とAtomの魅力を語り、両者を搭載したスレートPCの誕生を祝福した。
質疑応答では、これまで普及できなかったタブレットPCとの違いを問われ、「やはりiPadの影響は大きく、一般の人も含めて関心を集めている。このタイミングで出すことで普及が図れるのではないか」(菅氏)と述べた。また、メモリ容量の制約によるパフォーマンス不足の指摘に対しては、「これは第一歩であり、素材である。IBM PCがサードパーティの支持を得て成長していったように、オープンであることによって、この製品は成長していく。現時点で不満な部分もあるだろうが、今後も次々と製品を投入していくので、見守ってほしい」(同)と現段階が第一歩であることを強調した。電子出版については、「現在、一番多くの電子書籍が読めるのは、PCのWindowsプラットフォームであり、それがそのまま利用できるのは大きな利点だ」(同)と、PCプラットフォームの優位を強調した。
(2010年 9月 28日)
[Reported by 伊達 浩二]