日立ディスプレイズ、中型IPS液晶パネルの生産を台湾Chimeiに委託

7月2日 発表



 株式会社日立ディスプレイズは2日、台湾Chimei InnoluxにIPS液晶技術を供与し、中型IPS液晶パネルの生産委託で合意したと発表した。Chimeiは2010年度中に量産を開始する予定。これにより日立ディスプレイズは6~10型のIPS液晶パネルの供給能力を向上させる。

 Chimei Innoluxは、FOXCONN傘下のInnolux DisplayとChiMei Optoelectronicsが合併し、2010年3月18日に誕生した液晶パネルメーカー。売上高は台湾AUOに次ぐ世界3位の規模。

 今回の生産委託により、どの角度からでも見やすいことが求められるタブレットPCを中心に、拡大が見込まれる中型のIPS液晶市場に対応する。Chimei Innoluxは、IPS液晶を高く評価し、高い生産能力を持っているため、このパートナーシップで中型IPS液晶パネルの生産能力を強化する。量産開始後には日立ディスプレイズへ優先的に供給し、日立ディスプレイズは需要増加に対応していくとしている。

 IPSはIn-Plane-Switchingの略で、横電解により視野角や色再現性、中間階調の応答速度などに優れている方式。国内では日立ディスプレイズの登録商標。NEC液晶テクノロジーのSFT(Super Fine TFT)技術も水平方向の電界で動作し、同様の特性を持っている。

(2010年 7月 2日)

[Reported by 山田 幸治]