Intel、社内クライアントPCを全面的にSSD+Windows 7へ順次移行

IT本部 CTO 兼 チーフ・アーキテクト グレッグ ワイアント氏

4月20日 開催



 Intelは20日、同社の社内におけるITの推進に関するラウンドテーブルを都内で開催。米国から来日したIT本部 CTO 兼 チーフ・アーキテクトのグレッグ ワイアント氏が、実際の成果や今後の目標などについて説明した。

 同社のIT部門は、新機能や拡張機能の実装による会社全体の成長の推進、作業効率向上による社員の生産性の向上、そしてIT運用を効率化することでコストやTCOの削減に務めている。現在5,660人のIT部門の社員が、78,900人の社員、9万台強のPCと約10万台のサーバーを管理している。ITは主に設計エンジニアリング、オフィス利用、半導体製造/組立検査、そして基幹アプリケーションなどに使われている。

IT部門の目標IT部門の概要

 2010年度のクライアントPCへの取り組みとしては、25%の入れ替え、vProテクノロジーの推進、SSDの導入、そしてWindows 7へのアップグレードなどが挙げられる。

 このうち、25%のクライアントPCの入れ替えについては継続的に実行していることであり、社員1人につき1台のPCが約4年のスパンで使われることになっている。また、vProを約50%のPCで有効にすることで、リモート管理/修理による管理コストや消費電力の低下を図る。

 一方、SSDとWindows 7の導入は一緒に行なわれる。SSDについては、可動部をなくすことで信頼性が向上することや、性能向上によるユーザーの生産性向上などをメリットに挙げた。Windows 7については、テストパイロットで75%のユーザーが満足しているとし、積極的に展開する。このSSDとWindows 7の導入については、PCのリフレッシュとは別に、年間5,000~6,000台ベースで導入していくとした。

クライアントPCにおける取り組みvProの展開

 サーバー環境についても継続的に投資を行ない、4年間スパンでのリフレッシュや、4年先を見越した、適切な性能を持つサーバーの導入を行なう。ワイアント氏は「将来を見越さず最小構成のサーバーを導入してしまうと、初期投資を抑えられるが、それ以降はアップグレードによりコストがかさむ。当初から適切な性能を持つサーバーを導入することで、最終的にTCOが最大で半減する」とした。

 また、サーバーの仮想化についても積極的に推進しており、エンタープライズ環境では15%が仮想化され、これにより約2,900万ドルのコストを削減できたとしている。また、2010年末までには約30%、2011年末までには約60%を仮想化環境に移行したいとした。

サーバーに対する取り組みサーバー環境への投資継続による効果
サーバー環境の仮想化の成果4年先を見越したサーバーの導入

 クラウド化についても重要視しており、社外では人材や厚生福利、ソーシャルネットワーク、社内ではメッセージングや基幹アプリケーション、製造に関するデータをクラウド化している。これにより、社員はどこにいても、シームレスに業務のアプリケーションを利用でき、また、IT部門が社員のクライアントPCを管理できる環境にあるとした。

クラウド化の重要性クラウド化によるクライアントPCの社内/社外のシームレスな運用環境への取り組み

 また、データセンターの仮想化やクラウド化、クライアントへのvProの推進により、2012年までには二酸化炭素排出量を、2007年比で20%削減することを目標にするとした。

 最後にワイアント氏は、「我々はITに継続的に投資し、リフレッシュすることにより、社員各々の生産性を向上させ、全体の競争力を高めている。また、これにより他の企業にもITに対する投資に良い影響を与えていきたい」と述べた。

(2010年 4月 20日)

[Reported by 劉 尭]