それぞれの製品のポート数 |
LSIロジック株式会社は15日、都内で記者発表会を開き、6Gbps転送のSAS/SATAに対応したインターフェイスカード8製品を発表した。いずれの製品も既に出荷済みで、価格はオープンプライス。
8製品ともに、6Gbps転送に対応したSAS/SATAのインターフェイスカード。PCとの接続インターフェイスはPCI Express x8(2.0)で、HDDやSSDが持つ性能を最大限に発揮できるという。
●3wareブランドの2製品
8製品のうち2製品は3wareブランドの製品。LSI Logicは2009年4月に3wareを買収したが、今後についても3wareのブランドを継続して投入する。LSIブランド製品との違いはファームウェアの最適化およびソフトウェアで、過去の3wareのソフトウェア資産をそのままに、ハードウェアを最新に移行できるとしている。
LSIブランド製品にない特徴としては、複数のシーケンシャルリード/ライト処理に最適化した「StreamFusion+」技術を採用し、ビデオのストリーミングなどにおける性能を向上させているほか、コントローラキャッシュとディスクキャッシュの両方を使用し、RAID処理のパフォーマンスを向上させる「StorSave」などを備える。
SAS 9750-4i | 3wareブランドの2製品 | 3wareの管理スイートがそのまま利用できる |
ラインナップは、8ポート対応の「SAS 9750-8i」と、4ポート対応の「9750-4i」の2製品。コネクタはいずれも内蔵用のMini-SAS(SFF-8087)で、前者は2基、後者は1基備える。対応RAIDは0/1/10/5/50/6。
コントローラにPowerPCをベースとした800MHz駆動の「LSI SAS2108 6Gb/s RAID-on-Chip」を採用する。また、512MBのDDR2キャッシュメモリ(800MHz駆動)をキャッシュとして備える。RAID 5時の最大リード速度は2,500MB/sec、ライト速度は1,500MB/sec。
●LSIブランドの6製品LSIブランドの6製品については、上位4モデルがコントローラに「LSI SAS2108 6Gb/s RAID-on-Chip」を採用し、RAID 0/1/10/5/50/6をサポート。512MBのDDR2キャッシュメモリを備える。下位モデルが「LSI SAS2008」を採用し、RAID 0/1/10/5/50/JBODをサポートする。
「LSI SAS 9200-16e」は、16ポート対応の外付け用コネクタ(SFF-8088×4)を備えた製品。「Fusion-MPT」アーキテクチャにより毎秒40万超のI/O処理を実現する。また、エクスパンダーにより最大512基のドライブをサポートする。
「同9212-4i4e」は、4ポートの外付け用コネクタと4ポートの内蔵用コネクタを備えた製品。Fusion-MPTアーキテクチャにより、毎秒29万超のI/O処理を実現する。
LSI SAS 9200-16e | LSI SAS 9212-4i4e |
「MegaRAID 9280-4i4e」は、4ポートの外付け用コネクタと4ポートの内蔵用コネクタを備えた製品。自己暗号化ドライブ(SED)向けの「Instant Secure Erase」機能を搭載するほか、RAID管理ユーティリティ「MegaRAID Management Suite」が付属。最大リード速度は2,875MB/sec、ライト速度は1,870MB/sec。
「同9261-8i」は、9280-4i4eからポートを内蔵用8基に変更したモデル。
MegaRAID 9280-4i4e | MegaRAID 9261-8i |
「同9240-8i」は、9261-8iからコントローラをLSI SAS2008(533MHz)に変更し、キャッシュやRAID 6対応などを省いたエントリー向けの製品。
「同9240-4i」は9240-8iからさらにポートを4基に減らし、低価格化を図った。
MegaRAID 9240-8i | MegaRAID 9240-4i |
LSIブランドのラインナップ | 会場に展示された「MegaRAID SAS」 | 性能のテスト。ストレージにIntelのX25-Eを4台採用している |
●幅広い製品ラインナップでユーザーのニーズに応える
スレッシュ・パニカー氏 |
15日の国内製品発表にあわせ、米国から来日したLSI本社のワールドワイド・チャネル・マーケティング シニア・マネージャーのスレッシュ・パニカー氏は、「2009年4月に3wareを買収したが、今回の製品発表でも3wareブランドを継続して投入しており、これは我々が3wareのユーザーに対するコミットメントである。日本においても認知度が高く、ビデオのストリーミング市場で幅広く使われている」とした。
その一方で、LSIブランドの製品も継続的に投入し、「幅広いユーザーのニーズに応えたい」とする。LSIブランドが汎用アプリケーション、3wareがビデオストリーミング向けという位置づけで、それぞれのブランドの棲み分けをしたいという意向を示した。
また、6Gbps製品への投資の価値についても、RAID 5のシーケンシャルリードにおいては300%増、同ライトにおいて190%増、データベーストランザクションにおいては50%増の速度向上の効果が得られるとし、従来の3Gbps製品との互換性を維持しながらも、将来の高速なデバイスに対応できるメリットを訴えた。
新製品の特徴 | 6Gbps対応のメリット |
(2010年 2月 15日)
[Reported by 劉 尭]