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デル、世界初の4K搭載12型2in1「New XPS 12」の実機を展示
~第4四半期は量販店好調、今後も直販より量販店を重視
(2016/2/9 16:58)
デル株式会社は9日、コンシューマ向け新製品説明会を開催し、今年(2016年)1月に日本国内で販売を開始した「New XPS 12 2-in-1」と、本日発表のエントリーノート「New Inspiron 11 3000」および小型デスクトップPC「Inspiron マイクロデスクトップ」の概要説明などを行なった。
仕様等に関しては別記事を参照していただき(XPS 12の記事へのリンク、Inspironの記事へのリンク)、ここでは説明会の模様とそれぞれの機種の実機写真を紹介する。
コンシューマ市場が好調だった2015年第4四半期、量販店が大きく牽引
説明会では最初に、デル株式会社の執行役員 ビジネス&コンシューマー事業統括本部 ジェネラル・マネージャーの原田洋次氏が登壇し、コンシューマ事業の現状やこれからの見通しについて説明した。
原田氏は、2015年の第4四半期は市場的には厳しい時期だったが、デルではコンシューマ事業が好調だったと述べ、国内PCの販売台数は-10%縮小したものの、前年比で販売台数が1.5倍に、シェアは2.8ポイント伸びたことを伝えた。特に量販店での実績が前年同期比で2倍になり、取り扱い店数が1.5倍に増えたことが今回の好調の理由であるという。
量販店での成長があった背景について原田氏は、コンシューマ向け製品のラインナップをWeb直販よりも拡充するという、これまでの直販重視から量販店重視へと比重を移すことによって達成できたと分析。結果的に量販店での取り扱い店数が増え、前年度(2014年)と比較するとノートPCは1.7倍と、今まで以上に売れたと語った。
また、こうした好調の裏には3つの要因があったと述べ、前述の量販店向けラインナップの拡充のほかに、社内体制の増強と販促活動の強化を挙げた。
前者については、製品開発部門や他国リテール部門との連携を強化し、外勤の営業とマーケティングの専任者を追加、中国やインドなどではリテール/コンシューマ部門のシェアが伸び続けているとのことで、他国の量販店向けの体制を参考にしたという。後者については棚作り、広告、店舗回り、イベント開催など、デリバリ部隊も設け、量販店向けに包括的に戦略を練った。
原田氏は「1年前から話し続けてきた結果が第4四半期で出せた」と今期の内容に満足した様子で、直販では既に3割のシェアを持っており、現状は量販店優先で製品を展開していく構えを見せた。
メインストリームに2in1を投入、エントリーモデルも拡充
続いて、デル株式会社 クライアント製品&ソリューション マーケティング本部 本部長の田中源太郎氏が登壇し、「New XPS 12 2-in-1」、New Inspiron 11 3000」、「Inspiron マイクロデスクトップ」の3製品説明を行なった。
デルでは、製品ラインナップを写真・動画編集、マルチユース、上質・洗練、デイリーユース、ゲーミングの5つの使い方で提案しており、今回は「上質・洗練」のNew XPS 12 2-in-1、「デイリーユース」のNew Inspiron 11 3000」と「Inspiron マイクロデスクトップ」が追加されることになる。
田中氏は、メインストリーム向けのXPSシリーズのノートPC販売台数が前年同期比で2.8倍伸びており、XPSシリーズの新しいデザインと機能がユーザーに広く受け入れられたとし、今回はこういった要素を取り入れつつ、世界初となる4K着脱式の2in1「New XPS 12 2-in-1」を投入したと述べた。
田中氏はNew XPS 12 2-in-1は4K(3,840×2,160ドット)の解像度も注目すべきところだが、IGZOパネルを採用し、400cd/平方mという高輝度液晶となっていることも重要な点とし、光沢液晶でも屋外での視認性が悪化しないようになっていると説明。クラムシェルよりも可搬性が要求される2in1という性格を配慮しての実装となっているようだ。
また、既に発表済みのNew XPS 13やNew XPS 15などと同様に、堅牢性を重視した筐体となっていることも挙げ、液晶部分は通常のガラスよりも8倍の強度を備えたCorning Gorilla Glass NBTを採用しており、表面にゴミや砂が付いても簡単には傷が付かなくなっていることをアピールした。それに加え、筐体の素材にはマグネシウム合金とカーボンファイバーが使われており、剛性を増すための施策も怠っていないとする。12型のタブレットのみで重量は約790gと軽量ではないが、堅牢性を重視していたずらに軽量化はしていないという。
ほかのXPSと違い、着脱式のカバー兼キーボードの「Folioスリムキーボード」を備えていることも特徴とするが、海外ではこれ以外にもキックスタンドを使わないマグネティックキーボードも展開されている。このことについて田中氏に質問すると、日本市場を検討した上で、今回は「Folioスリムキーボード」のみを投入としたとの回答が得られた。そのため、国内ではオプションなどで販売することもなく、実質入手は困難である。
キックスタンド式は膝の上で使う場合に著しく操作性を損なうことから、クラムシェルのように使える立てかけタイプのキーボードスタンドも必要と思えるが、XPSのクラムシェルには11.6型相当のフットプリントのXPS 13があることから、XPS 12との食い合いを避けたのかもしれない。なお、田中氏によると、日本では15型がもっとも売れているそうで、2in1はまだまだ普及が進んでおらず、あまり大きな売上を望めないとの判断のようだ。
なお、先日発表された法人向けの「Latitude 12 7000シリーズ 2-in-1」ではXPS 12と同じくカバーキーボードを備えるが、立てかけ可能なタイプのキーボードも用意している。これらがXPS 12に使えるか聞いたところ、利用できる可能性はあるそうだが「もちろん保証はされません」と釘を刺された。
この後は、11型ノートの「New Inspiron 11 3000」とNUCのような小型デスクトップPC「Inspiron マイクロデスクトップ」について説明が行なわれた。
前述の通り、詳細は別記事に譲るが、New Inspiron 11 3000はエントリー向けながら、128GBの容量を備えたSSD搭載の上位モデルを用意しており、これは日本では他国に比べてMicrosoft Officeのインストール率が極めて高い状況などから、それなりの容量で高速性を要求する日本ユーザーのニーズに応えられるモデルとして日本向けに用意したそうだ。なお、下位モデルは32GBのeMMCとなっており、両社に大きな差があることが分かる。一方の「Inspiron マイクロデスクトップ」については、DisplayPortとHDMIポートを備えており、この大きさでデュアルディスプレイ環境を構築可能な点や、4基のUSBポートを備えている点をアピールした。
田中氏は製品説明の後で、量販店向けモデルと直販モデルの違いについて説明。量販店モデルでは通常の「ベーシックサポート」ではなく、「プロサポート」が付帯することを述べ、24時間365日繋がる専用窓口の用意、修理依頼の翌日には引取が行なわれるオンサイト保守、セットアップの支援や、メジャーなもの限定でのサードパーティ製アプリのサポートなどを利用でき、手厚い支援を受けられることを訴求。冒頭に登壇した原田氏と同じく、量販店へと注力する姿勢が窺えた。