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パナソニック、LEDの高速点滅で情報を転送する「光ID」を活用したイベント

 パナソニックは、東京・銀座において、同社が開発した光IDを活用したイベント「ヒカリで銀ぶら」を、2015年12月19日、20日(いずれも開催時間は午後3時から午後9時)の2日間に渡って開催するのを前に、その内容を報道関係者に公開した。

 光IDは、LED光源を、高速点滅させることで、さまざまな情報を送ることができる可視光通信技術の1つで、その光源から送信されるさまざまな情報を搭載したID信号を、スマートフォンのイメージセンサーと専用アプリを用いて高速に受信。関連情報をスマートフォン上に表示することができる技術だ。

パナソニック AVCネットワークス社イノベーションセンターの川合啓民主幹

 パナソニック AVCネットワークス社イノベーションセンターの川合啓民主幹は、「これまでにも専用機器により、IDをやりとりする技術はあったが、当社の技術は、比較的安価な送信機で送信し、スマートフォンでID受信ができるようにしたのが特徴。kbpsベースの受信速度を実現するとともに、1コマに複数情報を集約。イメージセンサーの特性を活かして、1枚の画像から多くの情報を取得でき、わずか0.3秒以内の高速読み取りが可能になる。光IDに関して、国内では約30件の特許を取得している」という。

 現時点では、16bitでの読みとりとしているが、商用化時点では、24bitや32bitなどへの拡張を図る予定だという。

 今回の「ヒカリで銀ぶら」では、この技術を活用して、街全体でイベントを実施する世界初の試みとなる。

 「ヒカリで銀ぶら」は、一般社団法人銀座通連合会が開催するもので、銀座通り沿いの13店舗を中心に、銀ぶらをしながら、ヒカリを見つけて、スマートフォンをかざすと、プレゼントがもらえるというイベント。

 アップルのアプリダウンロードサイトであるApp Storeから、「ヒカリで銀ぶら」アプリをダウンロード。参加店舗のショーウインドウや店内に置かれた「光るギフトBOX」や「光るプレート」を見つけだし、そこにスマートフォンをかざすと、「ヒカリクーポン」がダウンロードされる。スマートフォンにダウンロードした「ヒカリクーポン」を参加店舗で提示すると、カードに示された内容のクリスマス特典がもらえるという仕組みだ。プレゼントはなくなり次第終了する。

看板などから発する光からも情報を読み取ることができる
「ヒカリで銀ぶら」アプリ
「ヒカリで銀ぶら」アプリをかざしたデモストレーション
銀座中央通り沿いのヒカリミチ行灯

 プレゼントは以下の通りだ。

・ハツコ エンドウ ウェディングス銀座店:オリジナルミニトートバッグ(先着50名・一人当たり1回限り)
・ハートマン銀座(キラリト ギンザ1階):オリジナルハンカチ(店舗指定の鞄(税込54.000円)をお買い上げの先着10名・1人当たり1回限り)
・TOYOTA GAZOO Racing:オリジナルクッション(各日先着500名・1人当たり1回限り)
・松屋銀座:スノーマンポストカード(各日先着100名・1人当たり1回限り)
・銀座三越:お好みのドリンク1杯(当日のお買い上げ金額合計10,000円以上(税込)の各日先着100名・1人当たり1回限り)
・和光:クランチチョコレート(12個入り)(税込10,800円以上お買上げの先着100名・1人当たり1回限り)
・東京鳩居堂:限定ノベルティ(先着100名・1人当たり1回限り)
・天賞堂(時計・宝飾):オリジナルタンブラー(各日先着100名・1人当たり1回限り)
・天賞堂(模型):オリジナルタンブラー(各日先着100名・1人当たり1回限り)
・銀座ワシントン(メンズ):シューケア用品(靴もしくはバッグをお買い上げの先着30名・1人当たり1回限り)
・銀座ワシントン(レディース):シューケア用品(靴もしくはバッグをお買い上げの先着70名・1人当たり1回限り)
・文明堂 銀座五丁目店:こだわりバームクーヘン(各日先着100名・1人当たり1回限り)
・EXITMELSA(イグジットメルサ):細澤牧場ミルクソフトクリーム(8階細澤牧場にお越しの各日先着100名・1人当たり1回限り)
・SHISEIDO THE GINZA:ビューティーブーストバー「アイブローデザイニングチケット」(16,200円(税込)以上お買い上げの各日先着30名・1人当たり1回限り)
・資生堂パーラー 銀座本店ショップ:クリスマスキューブショコラ(1,620円(税込)以上お買い上げの先着200名)

参加店舗であるSHISEIDO THE GINZAのショーウインドウ
資生堂パーラーの飾り窓内の「光るギフトBOX」
和光ではスマートフォンをかざすとおすすめ商品を表示する

 また、銀座の街に、突如現れるMr&Missサンタが持つ「光るプレゼントBAG」を見つけたり、ヒカリミチ行灯の一部でスマートフォンをかざすとクーポンなどがダウンロードでき、5ポイント以上集めると、特別なプレゼントがもらえる「ヒカリ抽選会」に参加できる。ヒカリ抽選会は、EXITMELSA(イグジットメルサ)で行なわれる。

 パナソニック AVCネットワークス社イノベーションセンターの川合啓民主幹は、「銀座は、日本を代表する伝統の街でありながら、新たな文化を発信し続けている街である。老舗の店舗と外資系ブランド、電気店なども出店している。2020年に向けた『おもてなしソリューション』への取り組みを銀座発でやっていく。これをきっかけづくりとして、全国へと展開するなど、次の仕掛けにつなげたいと考えている」とした。

 パナソニックは、光IDを、今後、さまざまな分野で活用することを想定している。

 これまでにも展示会場や空港、鉄道会社などの情報配信、施設案内のほか、街中でのイベント活用、ファストフード店や流通分野における来客、送客用途、看板広告での採用提案を行なってきた。

 こうした提案や活動を加速するために、同社では、2016年4月から、光IDプラットフォームサービスの提供を開始。デジタルサイネージやLED自照式看板などと、スマートフォンを連携し、詳細情報を提供する環境を実現する。

パナソニックが提供する予定のデジタルサイネージ用光ID送信機能内蔵液晶ディスプレイ

 「これにより、光IDを、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせたプラットフォームサービス事業へと展開していくことになる」としている。今後、他社にも技術供与していくことになるほか、将来的には同社のスペースプレーヤーなどへの搭載などの横展開なども視野に入れているという。また、既存のディスプレイでも、同技術を利用できるようなことも検討していくことになる。

 光IDプラットフォームサービスとしては、ID発行、管理機能、IDおよびコンテンツリンク機能、光ID標準アプリの提供および光IDオリジナルアプリ開発サポート・管理機能を提供する。

 また、2016年4月をめどに、光ID送信機を商品化。デジタルサイネージ用に、光ID送信機能内蔵液晶ディスプレイと、店舗看板や交通看板用の内照式・導光式LED看板用光ID送信機を投入する。基本的には、パナソニック製のディスプレイを利用することに限定するという。

 「光IDによって、デジタルサイネージとスマートフォンの連携による奥行きのある情報提供が可能になる。1つの看板にスマートフォンをかざせば、スマートフォンに設定された言語設定に合わせて、日本語、英語、中国語といったように、利用者が必要とする言語で情報を提供できる。QRコードのように時間をかけて読みとるのではなく、看板にスマートフォンをさっとかざせば瞬時にIDを読みとり、情報が入手できるという直感性、受信が早く、混雑状況に強いという特徴もある。街を行く人たちに情報を提供したいという場合には威力を発揮することになる」(パナソニック AVCネットワークス社イノベーションセンターの川合啓民主幹)としている。

4Kタブレットでも光IDに対応できるようになる

 スマートフォンを切り口にしたオムニチャネル化の支援にも活用。看板を使って実店舗に誘導するためのクーポンの配信なども可能になるという。

 今回の「ヒカリで銀ぶら」は、光IDを活用した店舗への顧客誘導という提案の1つになる。

 また、2016年1月には、東急田園都市線・大井町線の二子玉川駅において、同駅構内のデジタルサイネージの広告内容と連動させた試験を実施する。スマートフォンをかざすと光ID向けの専用アプリを通じて、クライアントのWebサイトを表示。駅構内の広告だけでは入手できないような情報や、クーポンを入手できるようにする。1月18日〜24日までは映画配給会社、2月8日〜14日まではインターネット検索サービス業、2月22日〜28日までが食品メーカーによる試験が行なわれる予定だ。ここでは、デジタルサイルージに対してかざすだけでなく、間接光からも光IDを取得できるようにする。

 さらに、東京・有明の東京ビッグサイトでの導入も決定しており、ここでは、案内や誘導などに活用していくという。

(大河原 克行)