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透明なガラスを造形できる3DプリンタをMITが開発
(2015/9/15 14:05)
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのネリ・オックスマン準教授らの研究チームはこのたび、硬くて透明なガラスを造形できる3Dプリンタを開発したことを発表した。
これまでもガラス対応の3Dプリンタへの取り組みはあったが、ガラスを溶かしてノズルから出すには、非常に高い温度が必要となる点が課題だった。過去には、小さなガラス分子を焼結技術で低温融合させるものもあったが、この場合ガラスに特徴的な硬くて透明という性質が失われ、脆くて濁ったものしか造形できなかった。
今回オックスマン氏らが開発したものは、ガラス材料を入れるホッパーからノズルまで約1,000℃の温度で維持できる構造とし、溶けたガラスをノズルから排出できるようにした。これによって、コップのような硬くて透明な造形物を生成できるようになった。
ここでの課題は、ガラスのフィラメントを、造形物の各層同士がきちんとくっつき合うのに十分な高温でありつつも、造形物全体が溶けて形を失わない程度の温度に維持することだった。同チームは、溶けたガラスのリザーバー、ノズル、造形物を支える台をそれぞれ異なる温度で制御できるようにすることで、この問題を解消した。
写真を見ると、層ピッチは数mmはありそうで、現時点ではピッチが0.1mm以下程度の樹脂製ほど複雑なものは作れないと思われるが、この3Dプリンタによって、従来の工法では不可能だった複雑な形状のガラス製品や、これまでにない構造の光学レンズなどが製造できるようになると期待されている。
今後同チームでは、加圧による高精度化や、ガラスへの色付け(すでに限定的には対応できる)などに取り組んで行く。