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MediaTek、8コアの64bit ARMを搭載したハイエンドSoC

~480fpsのフルHD動画撮影や120Hzのパネルもサポート

 台湾MediaTekは15日(現地時間)、ハイエンド向けのモバイル向けSoC「MT6795」を発表した。2014年末に提供される。

 パワーユーザー向けの最上位モデルで、8コアの64bit ARMとLTEモデムを内蔵した。最大動作クロックは2.2GHz、対応メモリはデュアルチャネルのLPDDR3 933MHzなどとなっている。独自の「CorePilot」技術を搭載し、世界最高水準のマルチプロセッサ性能と熱制御を提供するという。

 これらのスペックに加えて、ジャパンディスプレイと協業し、モバイル向けとしては業界で初めて120Hzパネルをサポート。これによりスムーズな録画やビデオ再生、ゲーミング体験を実現し、同社は「ClearMotion」技術と呼んでいる。

 さらに、ソニー製の2,070万画素センサー「IMX220」と組み合わせることで、480fpsで1080pのフルHDビデオの撮影、16分の1の速度での再生、そして編集が可能。同社はこれを「Super-Slow Motion Technology」と呼んでいる。これもスマートフォンとしては世界初としている。

 このほか、2,560×1,600ドット解像度のディスプレイ、H.265の4K2Kビデオ再生/録画、H.264/VP9の4K2Kビデオ再生、カテゴリ4 FDD/TDDによるLTE(150Mbps/50Mbps)、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth、FMラジオ、GPS、ジャイロスコープなどをサポートする。

 なお、2月に発表した4コアCortex-A17+4コアCortex-A7というbig.LITTLE構成の「MT6595」は下位モデルであり、32bitしかサポートしないが、今回MT6795同様にClearMotionとSuper-Slow Motion Technologyをサポートすることが明らかにされた。

【表】MediaTekのSoCラインナップの比較(一部抜粋)
型番命令セットコア数通信CPUコア動作周波数GPU120HzパネルSuper-Slow Motion
MT659532bit4+4コアLTECortex-A17+Cortex-A7不明PowerVR Series6
MT673264bit4コアLTECortex-A531.5GHzMali-T760--
MT659232bit8コアHSPA+Cortex-A71.7~2GHzMali-450 MP--
MT675264bit8コアLTECortex-A532GHzMali-T760--
MT679564bit8コアLTECortex-A532.2GHzPowerVR Series6

 MT6795に採用されているCPUコアとGPUコアについては明らかにされていないが、これまでの経緯を見るとそれぞれCortex-A53とPowerVR Series6である可能性が高い。

(劉 尭)