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サイバーリンク、高解像度映像やデータメディアへの対応を強化した「PowerDVD 13」

~DVD/BDだけでなく普段から使われるメディアプレーヤーとしてのアップデート

PowerDVD 13
4月2日より順次発売

価格:6,980円~

 サイバーリンク株式会社は、BD/DVD/メディアプレーヤー「PowerDVD」シリーズの最新版となる「PowerDVD 13」を発表した。同社直販サイトでのダウンロード版は4月2日、パッケージ版は4月12日に発売される。

 PowerDVDシリーズは、ソフトウェアDVDプレーヤーとしてバージョンアップを繰り返し、PCや周辺機器のバンドルソフトとしての採用も多く、年間1億コピーの出荷を続けているという。同社代表取締役のピーター・リン氏は報道関係者向けの説明会の中で「PowerDVD 13の開発チームはプログラムに36,000時間、品質テストに14,400時間、UIのデザインに8,800時間を費やした。光学ドライブを持っていない人にも、PowerDVD 13を持って欲しいと感じている」と、PowerDVD 12からの革新性や、新技術が広いユーザーに受け入れられることに自信を見せた。

サイバーリンク代表取締役のピーター・リン氏
製品の説明を行なった同社ビジネス・ディペロプメント&マーケティング シニアマネージャーの相蘇和貴氏

 そのPowerDVD 13には、60個を超える新機能を追加したとしているが、大きく3つのポイントが挙げられている。

PowerDVD 13の強化点

 1つ目はHD解像度を超える動画の品質を高めたことである。4K解像度の再生に対応したほか、PowerDVDシリーズに搭載されている「TrueTheater」と呼ばれる高画質化機能をBDやストレージ上の動画ファイルにも適用できるようにした。

 デモでは、ビットレート100Mbps前後の4K動画を再生するデモや、BDに対してTrueTheaterを適用するデモなどを実施。ちなみに4K解像度の再生はCPU/GPUへの負荷も大きく、CPUはSandy Bridge以上(できればIvy Bridge)、GPUはIvyBridge内蔵GPU、Keplerクラスが必要になるとしている。

 また、従来はDVDをフルHDディスプレイなどに出力する利用シーンが多かったが、BDをより高解像度のディスプレイに出力することを想定し、フルHD(1,920×1,080ドット)の動画を、より高解像度のWQXGA(2,560×1,600ドット)などのディスプレイに出力する際のアップスケーリング機能も備えている。

 ちなみに、BDへの対応はハードルもあったそうで、従来のPowerDVDではGPU上のフレームバッファに書き出したものに対してTrueTheaterを適用し、そのまま出力していたのに対し、コンテンツ保護されたBDなどに対応させるために、GPUから一度メインメモリ側へデータを戻して暗号化した上で出力するよう、技術的にも従来とは大きく異なるものになったという。

 また、後述の内容とも重なるが、高DPI液晶の普及に合わせ、ユーザーインターフェイス(UI)も改良。高DPI液晶であると判定した場合にはメニューやボタンなどを最大170%まで拡大して表示する機能を備えた。

4K解像度の動画再生に対応。写真はWQHD(2,560×1,440ドット)表示対応液晶で再生するデモで、ダウンスケールはGPU側での処理になるとのこと
4K動画の再生情報。100Mbpsほどのビットレートになっている
BDの再生時にTrueTheaterを適用するデモ。左側が非適用、右側が適用状態の映像。写真では分かりにくいが、このコンテンツでは特にシャープさや彩度、コントラストあたりがはっきり異なっていた
高DPI液晶を意識した機能も装備。PowerDVD 12(左)とPowerDVD 13(右)で左端にあるメニューの文字の大きさが異なっている。WindowsのDPI設定を判定して自動的に大きさが変わるほか、マニュアルでの設定も可能

 2つ目のポイントは操作速度や操作性の改良である。これは、DVDやBDなどの“ディスク”の再生だけでなく、ムービープレーヤーとして常用されることを目指したものという。

 特に、起動時間に対する要求はユーザーからの改良要望が多かった点でもあるとし、「インスタントプレイ」と名付けて改善を行なっている。BDの再生においては、BD Liveのプロセスを飛ばすなどの高速化も行なっている。

 このほか、再生中のDVD/BDなどでシーク時の画面をリニアに変更する「インスタントシーク」、メディアファイルの一覧表示時にフォルダ内のファイルを参照しやすくする「インスタントビュー」、再生中のコンテンツを拡大表示する「インスタントズーム」、メディアファイルの一覧表示サイズをリニアに変更する「インスタントスケール」、シークバーをなぞってサムネイルを表示したり、CMジャンプ向けの機能である「イージーナビゲーション」など、PowerDVD 12から引き続き搭載する機能も含め、UI改善を行なっている。

 また、従来は一定時間のマウス操作がない状態でナビゲーション部が隠れるようになっていたが、PowerDVD 13では、カーソルを左右に持っていくことですぐに隠せるといった操作性の変更も施されている。

PowerDVD 13で行なわれた操作性に関する改善。起動速度のほか、使用中に直感的に操作できるよう配慮して設計されたという
【動画】「インスタントプレイ」のデモ。PowerDVD 12では起動からワンテンポあって再生が開始されるのに対し、PowerDVD 13はすぐに再生が開始される
【動画】「インスタントシーク」のデモ。ディスク(DVD/BD)などのシークでもリニアに動画が表示される
【動画】「インスタントビュー」のデモ。一覧表示時のフォルダアイコンの下側にシークバーのようなものがあり、フォルダ内のファイルを切り替えて表示させられる
【動画】「インスタントズーム」のデモ。再生中にズーミングが可能。4Kコンテンツなどの高解像度コンテンツが増えることで、このような機能が求められることも増えるのではないかとしている
【動画】「インスタントスケール」のデモ。一覧表示のサムネイルをリニアにサイズ変更できる
【動画】「イージーナビゲーション」のデモ。シークバー上に動画のサムネイルを表示する。ただしこの表示は、一度再生したことがあるコンテンツに対してのみ有効
【動画】マウスカーソルを左右に持っていくことで、下部のナビゲーション部が瞬時に非表示になる機能のデモ

 このほかにもUI関連の変更点は多く、UIのカスタマイズ機能や、静止画/動画/音声などのメディアを問わないスライドショー機能、ミニチュアオーディオプレーヤー、動画ファイルに対してファイル名などから推測して動画情報をダウンロードする機能、MKV/MP4ファイルの字幕サポートなどが行なわれている。

 中でもUIのカスタマイズは、単にアイコンやメニューの表示/非表示を行なうだけでなく、非表示にした対象がバックグラウンドで動作するサービスやプログラムに関連した場合、そのサービスやプログラムを止める動作を行なう。例えば、DLNA関連のメニューを非表示にした場合はDTCP-IP関連を止めたり、デバイス連携の機能を非表示にした場合には、PowerDVD RemoteやDLNAのレンダラー機能に関連するプログラムを止めるといったことが行なわれる。これにより消費電力削減に繋がるとしている。

UIのカスタマイズ機能を装備。非表示にしたメニューによってはバックグラウンドプロセスも止まるようになっている
音声ファイルの再生用にコンパクトなUIも用意される
サポートファイルの一覧
【動画】スライドショーのデモ。静止画、動画を織り交ぜたスライドショーを表示できる

 PowerDVD 13の3つ目のポイントとして挙げられたのは、他デバイスとの連携機能だ。従来から引き続き、DLNAに対応し、SKUにもよるが、サーバー/クライアント、コントロール、レンダラーの各機能を利用可能。また、DTCP-IPもサポートする。

 モバイル版にも注力しており、スマートフォンなどからPowerDVDを操作する「PowerDVD Remote」。モバイルデバイス内のファイル再生やPC版と連携してストリーミング再生を行なえる「PowerDVD Mobile」が提供される。PowerDVD Mobileは有償アプリ(iOS/Android版は1,700円、Windowsストアアプリは1,150円)だが、最上位のUltra版を購入したユーザーには無償で利用できる。

 また、PC版PowerDVDもWindows 8でのタッチUIに最適化した「新シネマモード」と呼ばれるUIが提供される。

PowerDVD RemoteやPowerDVD Mobileを提供し、Android、iOS、Windows 8との連携が可能
DLNA、DTCP-IPに対応。Ultra版はサーバー、クライアント、コントローラ、レンダラーの全てに対応する
Windows 8搭載PCで増加したタッチパネルでの操作に向けて新しいシネマモードを用意した
新タッチUIは、指で操作しやすいように各アイコン、メニュー類が大きく表示される
PoweDVD 13のSKU

 販売は冒頭でも紹介したとおりダウンロード版が先行。SKUは最上位から順に「PowerDVD 13 Ultra」、「PowerDVD 13 Pro」、「PowerDVD 13 Deluxe」の3種類が用意される。

 価格はUltraのダウンロード版が11,800円、パッケージ版が12,980円。従来バージョン利用者向けのUltra アップグレード版は、ダウンロード版が8,800円、パッケージ版が10,980円。

 Proはダウンロード版が9,500円、パッケージ版が9,980円。従来バージョンや他社プレーヤー使用者向けの優待版はパッケージ版のみ提供で、価格は7,980円。Deluxe版はダウンロード版のみで6,980円。Deluxeのアップグレード版が4,680円。

 また、Ultrabookなど使っていて光学ドライブを持たないユーザーがパッケージ版を購入した場合のために、インストーラをダウンロードできるサービスも用意される。

各SKUの機能
UltraProDeluxe
BD 3D/MK3D/3D ビデオファイル再生××
ネイティブ3D写真ファイル(MPO/JPS)××
BD-Liveバイパス×
AVCHD 2.0、1080p/3D対応×
Android端末とのスマートシンク××
同期時にファイルをトランスコード××
メディアライブラリ-の共有(DLNA DMS)××
DTCP-IP対応ストリーミング再生××
プッシュ再生 (DLNA DMC/DMR)××
PowerDVD Mobile(iOS/Android/Windows 8)無償有償有償
TrueTheater 3D(BD、H.264ファイル)××
TrueTheater 3D(写真ファイル)××
BD/DVDのインスタントシークDVDのみ
YouTubeのネイティブ3Dビデオ 対応××

【お詫びと訂正】初出時、TrueTheaterのスペルが誤っておりました。また推奨スペックについて「CPUはSandy Bridge以上(できればIvy Bridge)、GPUはKeplerクラスが必要」としておりましたが「CPUはSandy Bridge以上(できればIvy Bridge)、GPUはIvyBridge内蔵GPU、Keplerクラスが必要」へ改めました。お詫びして訂正いたします。

(多和田 新也)