レノボ、Windows 8タブレット「ThinkPad Tablet 2」説明会を開催

ThinkPad Tablet 2試作機

11月16日 開催



 レノボ・ジャパン株式会社は16日、Windows 8搭載ピュアタブレットPC「ThinkPad Tablet 2」の説明会を開催した。

 ThinkPad Tablet 2は10月26日に発表され、法人向けの受注を開始。Windows 8搭載の10.1型タブレットPCとして世界最軽量という約570gを実現している。詳細は発表時のニュースを参照いただきたい。


 説明会では、Think Client Brand Managerの土居憲太郎氏が販売戦略、製品開発統括担当 ノートブック製品の木下秀徳氏が技術や機能を説明した。また、日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部の藤本恭史 本部長もゲストとして招かれた。

レノボ・ジャパン 土居憲太郎氏

 販売について土居氏は、法人向けのタブレットの現状として、Androidは2万円以下のコスト重視の製品が求められ、スマートフォンがメインであること、iOSは機能を限定した用途で運用管理もPCとは別の方法になっているという課題を指摘。特に2万円以下という要求は、ThinkPadブランドでは難しかったとする。

 AndroidとiOSは割り切ったセキュリティで使用しているが、今回のThinkPad Tablet 2はWindows 8を採用することで、これまで使われてきたセキュリティや、PCと同じ運用管理を実現。また、ハードウェアは純正の周辺機器(キーボード、ドック等)や、フルサイズのUSBポート(Aコネクタ)を備え、なおかつ10.1型でAtomを搭載するWindows 8タブレットとして世界最軽量という優位性を訴求。加えて、デジタイザーペンの入力、HDカメラ/ステレオスピーカー/ノイズキャンセリングマイクによるVoIP品質、Windows 8にスタートボタンを追加する独自アプリケーションなど、使い勝手の面でも強みがあるとした。

 具体的なマーケットとしては、iOSデバイスと異なり全てのWindows業務アプリやIE、Java、管理ツールが動くことによる置き換え、医療/建設などグローブ/手袋をして作業する現場でもペン操作できる分野、POPやチラシ代わりになるデジタルサイネージ、コンビニやファミリーレストランといった接客業での在庫や勤怠管理、教育現場でのデジタル教科書といった例を挙げた。

 生産性といった面では、同社のコンバーチブルタブレットPC「ThinkPad X230 Tablet」と比較すると劣るが、性能や生産性がそこまで必要でない分野において、キー入力が必要な場合はBluetoothキーボードと組み合わせ、業務特化のタブレットとの中間のような位置付けで使えることもアピールした。

ThinkPad Tablet 2の特徴 法人向けのタブレットの現状 Windows 8搭載で企業用セキュリティに対応
10.1型Atom搭載Windows 8タブレットで世界最軽量 豊富な周辺機器を用意 デジタイザーペン入力に対応
VoIPも高品質でできるよう設計 タブレットの対象マーケット例 競合製品との比較。Windows RTも企業向けとしては穴が多い
日本マイクロソフト 藤本恭史氏
レノボ・ジャパン 木下秀徳氏

 日本マイクロソフトの藤本氏は、「Windows 8は据え置き、持ち運びに加えて新しいワークスタイルのユーザー体験を目指して開発した」とビジネスに適していることを強調。「Windowsでは場所にとらわれずフレキシブル、新UIでのワークスタイルが提案できていなかったが、Windows 8とThinkPad Tablet 2を始めとした新しいデバイスで拡がっていくと期待している」と語った。

 製品技術の説明でレノボの木下氏は、「フルWindowsが動くこと、コンパクトなものを目指した」とし、従来からのビジネスで使えるThinkPadの思想は変わっていないという。

 堅牢性かつ軽量化の点では、ThinkPad伝統のマグネシウム合金のインナーフレームで強化し、液晶とタッチパネルをダイレクトボンディングで薄型化。強化ガラスにはより薄くなるよう旭硝子の「Dragontrail」(ドラゴントレイル)を採用している。本体の厚さは約9.8mm。大和研究所での堅牢性の試験も従来通り実施し、金属のボールを液晶面に落とすようなテストにおいても、他社製品より厳しい条件でそれを上回る強度を持たせたという。

 セキュリティはUEFIによりタッチ入力に対応したBIOS設定を搭載し、管理統合は「SRSetup」という共通のBIOS設定を複数のタブレットに展開するツールを用意。ThinkVantageやWindowsアップデートの自動更新、クラウドストレージSugarSyncを使ったバックアップや、設定用のWindowsストアアプリ「Lenovo Settings」を提供する。

 省エネ設計については、Windows 8およびタブレットに最適化された電力測定ツールで細かく調査した上で、消費電力を最適化。スリープ時にもネットワークに接続して情報を最新に更新するWindows 8の機能「Connected Standby」においても、ストアアプリの効率的な管理などを実施してスタンバイ時の平均消費電力を下げているという。これにより、スタンバイ25日(600時間)、画面OFFでのオーディオ再生150時間、Wi-Fiアクセスを使ったWeb動画再生(720p動画、画面200cd/平方m)で10時間、JEITA測定法で16.4時間のバッテリ駆動時間を実現した。

タブレットとPCの融合として開発 軽量化、堅牢性の両立 大和研究所でのテスト(写真は旧ThinkPad Tablet)
セキュリティ機能の強化 管理統合の強化 Lenovo Settingsを提供
バッテリ駆動時間の従来製品との比較 測定ツールで消費電力を最適化 Connected Standbyによる長時間駆動

 ユーザビリティでは、ラバーフィーリングペイントは好評だったので継続したほか、デジタイザーペン収納や、ベゼルサイズを極限まで小さくした筐体設計、タッチの感触の向上、オリジナルのアプリケーション、キーボードやドックなどの周辺機器で応えられるとした。

 オーディオ性能に関しては、小さな筐体で最大の性能を出すのに何度も試作をしたという。独自に検証した結果、スピーカー音圧、マイク感度、ノイズの低さでいずれも競合との比較でトップクラスだという。GPSアンテナについても制度を改良し、タッチ性能においても実仕様に沿った性能測定で独自の指標を集めて計測し、トップクラスの性能だったという。

 独自アプリケーションは、自由に画像からペンで抽出できる切り抜きソフト「QuickSnip」や、Windows 8デスクトップでスタートボタンの代わりに使える「QuickLaunch」といったソフトを搭載。

 専用のBluetoothキーボードは、ノートPC製品のホットキー機能をサポートし、FnキーのロックやマイクのON/OFFといった情報をディスプレイに表示できる。ハードウェアとしてはクリックボタン3つになり、中ボタンスクロールに対応。トラックポイントは光学式になっているが、薄型化したかったため光学式を採用したという。専用ドックはタッチ操作時でも安定感を持たせたという。

 デジタイザーペンはワコム製デジタイザーを採用。従来とは異なり、今回は電池が不要なアクティブペンで軽量(20g)さを実現した。さらに、ダイレクトボンディングで光の乱反射、ペン入力位置の視差を低減。ペンの入力音も反射が少なくなり小さくなった。一般的な静電ペンでは指のタッチとして認識するが、ThinkPad Tablet 2のペン入力は電磁界共振方式により高精度にペンの位置を捉えるところも優位点であるとした。

ユーザビリティを考慮し設計 オーディオ性能 GPSアンテナ感度を改善
独自指標によるタッチ性能 さまざまな独自アプリケーションを搭載 専用Bluetoothキーボードのホットキー機能
Bluetoothキーボードの改善点 ワコム製デジタイザー、電池不要のペンを採用 ダイレクトボンディングによる効果

 なお、法人向けの受注は始まっているが、個人で購入できる直販の開始時期は言及されなかった。会場に展示されていた製品も全て試作機で、量産はもう少し時間がかかるようだ。

ペンは向かって左側に収納できる 下部の中央にドック/アナログRGB出力アダプタ用コネクタ、右にHDMI出力 上部に引き出す形のカバーがあり、microSDスロット(左)とSIMスロット(未使用)
下部の中央に付ける専用のアナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)アダプタ 専用のBluetoothキーボード。光学式トラックポイントとクリックを搭載 上部に立て掛けるスタンドと溝を装備
ThinkPad Tablet 2をスタンドと溝に立て掛けて置いた状態 本体の内部
メイン基板 ボトム(背面)ケース メインチップのアップ。中央がClover Trailの上に積層されたDRAM、左側がeMMC接続のNANDフラッシュメモリ

(2012年 11月 16日)

[Reported by 山田 幸治]