バッファロー、スマホ/タブレット単体でWi-Fi/回線設定できる「AOSS2」
~搭載無線LANルーター3製品を投入

AOSS2ロゴ

6月6日 発表



 株式会社バッファローは、スマートフォンやタブレットだけでWi-Fi接続設定を完結できる「AOSS2」を発表した。

 AOSS2は、メルコが開発した無線LANの設定が自動で行なえる「AOSS」をさらに発展させたもの。スマートフォンやタブレット、LANポートやCDドライブを搭載しないPCでも、かんたんに無線LANルーターへの接続設定が行なえる。

コンシューマ・プロダクトグループ 中村泰之 氏

 AOSS2開発の背景として、バッファローのサポートセンターに寄せられる問い合わせのうち37%を初期設定が占めるが、「スマートフォンやタブレットしか持っていないので回線設定ができないといった問い合わせや、PCにLANポートがない、パソコンにCDドライブがないのでセットアップできないといった内容の相談が増加している。さらに、サポートセンターへの問い合わせのうちスマートフォン、タブレットに関する内容が、2009年と比較して2011年は190%に増加していることに加え、2012年2月から3月に行なったアンケート調査では無線LAN購入動機の20%がスマートフォンおよびタブレットとなっている」(バッファロー コンシューマ・プロダクトグループ 中村泰之氏)と、スマートフォン、タブレットに関する内容が急増していることが挙げられる。

 こうした問い合わせに対応するために、AOSS2は次の3つの特徴を持っている。1つは従来のAOSSのようにあらかじめPCでのセットアップが不必要で、スマートフォンだけで回線設定までが一括で設定できる、2つ目はiPhone、Androidスマートフォンだけでなく、3G回線を搭載していないiPad、iPod touch、Androidタブレットに対応し、さらにCDドライブやLAN端子を搭載していないWindows PC、Macintoshにも対応、3つ目はPCやソフトウェアCD、QRコードの読み取りや専門知識や技術が不要という点だ。

無線LAN市場の推移バッファローのサポートセンターに寄せられる問い合わせ内容初期設定に関する問い合わせの具体例
Wi-Fi端末の変化AOSS2の特徴のその1はスマートフォンだけで回線設定まで一括設定AOSS2の特徴その2はiPhone、Android端末、PCなどさまざまなWi-Fi端末に対応している点
AOSS2の特徴その3は専門知識がなくても誰でもかんたん操作が可能な点これまでの設定に必要だったPC、ソフトウェアCD、QRコード読み取り、専門知識が不要になる

 実際にiOS端末を設定する手順する場合は、無線LANルーターのAOSSボタンを押して、iOS搭載端末の無線LAN設定ボタンを押すと、「!AOSS-(MACアドレスの下6桁)」が表示される。これをタップして、次にWebブラウザのSafariを起ち上げると、自動で認証画面が立ち上がる。ここにAOSS2搭載のハードウェアに添付されているセットアップカードに書かれた3桁の番号を入力すると、個体認証が行なわれる。その後、インターネット回線がDHCPかPPPoEかを自動で判別し、PPPoEの場合は利用者自身がユーザー名やパスワードを入力すると設定が完了する。さらにiOSのプロファイルをインストールすると設定完了となる。

iOSの設定手順。おおよそ30秒程度で設定できる

 Android搭載端末の場合の設定もほぼ同様だが、ブラウザの画面で「設定が完了しました」というメッセージが表示された後で、Google PlayのAOSS for Androidを検索することなく、自動でAOSS for Androidがダウンロードされ、それを実施すると自動で接続し、設定が完了する。バッファロー社内では、「ほぼ30秒程度で設定が完了する」という。

Android端末の設定手順。ほぼiOSと同じだが、最後に接続するのがGoogle Playとなっている

 「最後のところで、iOS、Android共に小さなアプリケーションを自動ダウンロードし、インストールする設定となっている。そのため、Androidマーケットに非対応の端末では利用できない」(バッファロー ソリューション事業部開発部アプリケーショングループ・市川剛生氏)という。

 アプリケーションの自動ダウンロードが難しいゲーム機やTV、レコーダ、プリンタには非対応で、「こうした機器を利用する場合は、従来通りAOSSを利用しセットアップしてもらうのが最適」(中村氏)としている。

従来のAOSSも併存し、AOSS2に対応していないゲーム機、TVやレコーダ、プリンタなどの設定にはこちらを利用するAOSS2搭載のWi-Fiルーターアプリケーション開発を担当したソリューション事業部開発部アプリケーショングループ 市川剛生氏

 バッファローでは、6月以降に発売する無線LANルーター「エアステーション ハイパワーシリーズ」にAOSS2を搭載する計画。

 AOSS2対応機種は、450Mbps/2.4GHz帯対応の「WZR-450HP」が6月中旬発売で価格は14,280円、300Mbps/2.4および5GHz帯同時対応の「WZR-600DHP」が7月上旬発売で価格は11,130円、300Mbps/2.4GHz帯対応の「WZR-300HP」が6月下旬発売で価格は8,925円。

6月中旬発売予定の「WZR-450HP」7月上旬発売予定の「WZR-600DHP」6月下旬発売予定の「WZR-300HP」

 6月中旬発売のQRsetup/300Mbps対応2.4GHz帯ハイパワータイプ「WHR-300HP」(親機単品価格6,615円)、QRsetup/300Mpbs対応2.4GHz帯エントリータイプ「WHR-300」(親機単品価格4,410円)の2モデルはAOSS2非対応。

 説明会の会場には、アメリカでは発売している次世代無線LAN規格「IEEE 802.11ac」に対応した「WZR-D1800H」が参考展示された。この製品は、完成しているものの11acが日本では認可されていないことから、現在のところ日本での発売日は未定となっている。

6月中旬発売予定の「WHR-300HP」6月中旬発売予定の「WHR-300」日本では現在未発売の11ac対応無線LANルーター「WZR-D1800H」を参考出品

(2012年 6月 6日)

[Reported by 三浦 優子]