パナソニック、新Let'snoteの発表会を開催
~Ultrabookは「ご期待いただきたい」

1月25日 発表

価格:オープンプライス



 パナソニックは25日、モバイルノートPC「Let'snote」シリーズの発表会を都内で開催。新しい12.1型「Let'snote SX」シリーズの特徴を紹介したほか、Let'snoteのUltrabookも検討中であることを明らかにした。

 今回の新機種は、12.1型の新シリーズで、筐体を1cm以上薄型化し、ディスプレイ解像度を高めるなど、大幅な改良が施されている。製品の詳細は関連記事を参照されたい。

Let'snote SXシリーズ手前側。光学ドライブ、音声入出力、無線スイッチ、電源スイッチを装備左側面。USB 3.0×2、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、排気口がある
右側面。ACアダプタ用コネクタ、SDカードスロット、USB 2.0、Gigabit Ethernetを備える。左側の埋められている箇所は、法人向けのアナログモデムなどに使用される背面はバッテリ部分と液晶でインターフェイスは無いミニACアダプタ(ACコード、ウォールマウント)とバッテリ
ミニACアダプタ(上)と標準ACアダプタ4セルバッテリと8セルバッテリ8セルバッテリ搭載時は背面が飛び出す形状
4セルバッテリはヒンジの位置に納まる樹脂製からマグネシウムに変わった本体側のトップケース新トップケースに合わせたシェルドライブ
段差が薄くなったボンネット天板キートップ左上/右下の角を丸くしたリーフ型キーボードファンクションキーは微妙に凹んだ形状で押しやすくしている

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット長 原田秀昭氏

 発表会では、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット長の原田秀昭氏が、新製品のコンセプトを紹介した。

 15周年を迎えたLet'snoteシリーズは、2002年3月の第1世代が軽量/長時間、2005年5月の第2世代が頑丈、2009年10月の第3世代が高性能(通常電圧版CPU採用)という特徴を加えて進化してきた。これはユーザーからの声を反映してきたとする。

 新しい声は、「薄くして欲しい」、「カバンに入りやすくして欲しい」といった筐体に関するものや、「スマートフォンと組み合わせて仕事を効率化したい」、「日帰りの出張用に小さいACアダプタが欲しい」といった仕事上の使い勝手といった点で要望があったという。

 そこで、Let'snote SXシリーズを「第4世代」と位置付け、「タフ」と「クリエイティブ」を提案していきたいとした。

 また、新しい取り組みとして、アジア進出する企業が増加していることから、アジアモデルの展開を発表。アジア進出企業への販売やサポートを行なうという。

Let'snoteシリーズの進化の歴史ユーザーからは、薄型化や使い勝手の面で要望
12.1型HD+液晶、光学ドライブ搭載で世界最軽量第4世代として「TOUGH」と「CREATIVE」を提案アジアモデルを展開

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター レッツノート総括 参事 坂田厚志氏

 続いて、パナソニック株式会社 AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター レッツノート総括 参事の坂田厚志氏が、新製品の詳細を説明した。

 本体の薄型化は、天板のボンネットを薄く、傾斜を補強して強度を確保したこと、光学ドライブを新開発の別パーツにすること、樹脂製だった本体部分をマグネシウムに変更したこと、従来のよりも薄いファンと小径の冷却フィンを多数設けたアルミダイカストの受熱板の開発などを挙げた。冷却ファンは、従来の35mm角/14mm厚から48mm角/10mm厚とし、薄くなったが面積の増加と新しい羽根の形状で風量が7%向上したという。

11.2mm、30%もの薄型化を実現天板のボンネットの薄型化
薄くしたトップケースとシェルドライブを新開発新開発の薄型ファンと受熱板

 そして“新提案”としてスマートフォン連携を説明。無線LANはルーターやアクセスポイントなどを経由せず、Let'snoteとスマートフォンでダイレクトに接続し、ファイルをコピーできる。スマートフォン用アプリは、PowerPoint、Excel、Word、PDFの閲覧および簡易編集が行なえる。

 PCのリモート操作は、スタンバイ状態のLet'snoteに対して、スマートフォン側からBluetoothで起こし、起動後に無線LANでダイレクト接続。スマートフォンの画面にWindows画面が表示され、メールやOfficeなどを操作できる。BluetoothでPCを起動するのは、Let'snote側が常時待ち受けるためバッテリを消費しないよう、無線LANよりも消費電力が低いBluetoothを選択した。Let'snoteはこれまで、直販モデルしかBluetoothが無かったが、SXシリーズはこの機能のため店頭モデルにもBluetoothが標準搭載されている。

 このほか、Let'snoteの電源OFF時のUSB充電および最大電流1.5Aに対応し、スマートフォンの充電も可能になった。パナソニック製の新型スマートフォンでは急速充電にも対応するという。

スマートフォン連携、ファイル操作スマートフォン連携、PCログオン電源OFF時スマートフォン充電対応

 ACアダプタは、通常タイプとミニタイプの2つを同梱。通常タイプは従来から待機電力を90%削減したという。重量は約200g。一方、ミニタイプは出力が低いため、ACでのPC使用もしくはPC電源OFF時の充電のどちらかしか使えないが、重量は約110gと軽く、ウォールマウントも付属する。バッテリも8セル/4セルが付属する。

 これによりさまざまな組み合わせで運用でき、宿泊の出張では8セルバッテリと標準のACアダプタ、長時間の外出なら8セルバッテリ+ミニACアダプタ、短時間や社内移動は4セルバッテリとミニACアダプタといった例を挙げた。

 直販モデルではカラー天板を選択できるが、このほかに、自分で装着できる天板カバーも3色用意される。天板カバーは量販店などでも購入できる。

2種類のACアダプタ、バッテリを同梱状況に合わせて色々な組み合わせで運用可能Let'snote Jシリーズに続くリーフ型キーボード
高速起動もSSDモデルが約9秒になったディスプレイ解像度の向上、720p対応Webカメラなどを搭載天板カバー。直販のカラー天板とは異なり、ユーザーが取り付けられる

 ゲストとして、インテルの宗像義恵副社長が登壇し、Sandy Bridgeを紹介。また、イスラエルIntel社長になった元PCクライアント事業本部長のムーリー・イーデン氏が、動画でお祝いのコメントを寄せた。

インテル 宗像義恵副社長イスラエルIntel ムーリー・イーデン社長からお祝いメッセージ

 質疑応答では、「Ultrabookはどうするか」という問いに対し、「部品なども含めたパナソニック全社的には、IntelのUltrabook構想をサポートしていく」とし、Let'snoteについては「いま考えているところ。Let'snoteのUltrabook版はご期待いただきたい」と、Ultrabookに取り組んでいることを示唆した。

(2012年 1月 25日)

[Reported by 山田 幸治]