株式会社沖データは、世界最小の設置面積を謳うA3カラーLEDプリンタ「C841dn」、「C811dn」、「C811dn-T」を2012年1月より発売する。価格は順に、260,400円、144,900円、174,300円。

　第2世代の「COREFIDO」シリーズに位置付けられる製品。性能や使い勝手を向上させながらも、ベルトユニットを傾けることで、両面ユニットを背後に出っ張らせずベルトユニットの真下に配置するなどし、A3カラーLED(レーザー含む)プリンタとして世界最小の設置面積を謳う小型化を実現した。

　使い勝手については、問題などが起きた時に解決手順を表示可能な大型の液晶や、IPアドレスの入力や頻繁に使う設定をショートカットで呼び出せるテンキーを装備したほか、使用頻度が高い黒のトナーカートリッジは、前面の蓋を開けるだけで交換できるようにした。

　さらに、今回の製品に関するユニークな取り組みとして、これまでのCOREFIDOシリーズ同様5年間の本体無償修理保証に加え、定着器ユニット、給紙ローラーセット、ベルトユニットのメンテナンス品が寿命を迎えた場合に5年間無償で新品を提供する。

　交換作業はユーザーで行なうことになるが、新製品はユーザーが簡単にそれらを交換できることを前提に開発されているほか、交換保守の費用も削減できる。有償の出張交換サービスもあり、これを利用した場合のコストはおよそ5～6万円程度。メンテナンス品の寿命は、およそ印刷8～10万ページで、センドバック式の交換となる。

「C841dn」と「C811dn」	黒トナーは前面の蓋を開けるだけで交換可能	上蓋も開けたところ。上蓋についている細長いものがLEDヘッド
光沢のあるのがベルトユニット、その奥の黒いのが定着器ユニット	ユーザーインターフェイスも改良した	奥に出っ張りがないデザイン
メンテナンス品は5年間無償交換	発表会で女性でも楽に交換できることが紹介	ユーザーにかかる費用は、電気代などを除くと、本体と消耗品費用のみ

　印刷エンジンについては、カラー/モノクロともA4タテ送りが35ppm、A3ヨコ送りが20ppmへ高速化。両面印刷にも対応。新開発の定着器により、電源オン時のウォームアップ時間も従来機の半分以下となる32秒に高速化している。

　一方で、スリープモード時の消費電力を0.9Wから0.7Wへと低減、押すだけで省電力モードになる節電ボタンの搭載、指定アイドル時間の経過で自動的に電源をオフにするオートパワーオフなどにより、消費電力を削減。また、印刷時の騒音を54dBAから52dBAに抑え、節電モード時は「無騒音」にした。

　主な仕様はほぼ共通で、印刷解像度はC841dnが1,200×1,200dpi、C811dn/同-Tが600×1,200dpi、諧調がCMKY各色256階調、対応用紙がA3/A4/A5/A6/B4/B5/レター/リーガル/ハガキ/封筒など、給紙枚数は110+320枚、ファーストプリント時間は約9.5秒、消費電力は最大1,400W/平均700W。このほかC841dnはポストスクリプトエミュレーションに対応する。

　インターフェイスは、USB 2.0、Ethernet。本体サイズは449×552×360mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約32kgで、セカンド給紙トレイ(550枚)を装備するC811dn-Tは高さが498mm、重量が約39kg。

　2日に行なわれた製品発表会では、同社代表取締役社長の杉本晴重氏が、新施策などについて説明した。

　杉本氏によると、COREFIDOシリーズは2008年の発売以来好評を得ており、上期のプリンタ製品販売台数は、震災などがあったにもかかわらず3割成長。横ばいだったドットインパクトを除くと、46%の伸びだったという。シェア(複合機除く)も順調に推移し、2009年度第1四半期4%だったものが、直近の2011年度第2四半期では8%に達している。

　今回の新製品では、メンテナンス品も5年間無償提供というサービスを打ち出しているが、それだけでなく、販売報奨プログラムの改良や、2次パートナーへの支援プログラム適用といった、パートナー向け施策や、消耗品使用量に連動したポイント制度、紹介キャンペーンなどのユーザー応援プログラムも実施するなど、「つながり」をキーワードとした拡販に取り組む。これにより、今年度中にもシェア10%達成を目指す。

　なお、同社もタイ・アユタヤに工場を持ち、1,700人が勤務しているが、浸水により10月6日より操業を停止しているという。タイ工場ではA4 LEDプリンタや、消耗品などを生産しているが、復旧にはかなりの時間がかかると見ており、前者についてはA3型を扱っている中国工場に、消耗品はタイのチェンマイに移管することを決定した。

　発表会には、CMキャラクタの菅野美穂さんも登壇。今回の製品に合わせた新CMでは、菅野さんがプリンタの気持ちを代弁して、働く人達にエールを送っている。また、CMソングを歌っているKiroroの玉城千春さんも、ビデオで登場し、頑張っている人達がこの歌を聴いて笑顔になってくれればば、とメッセージを寄せた。

　同社はこの11月1日で創業130周年を迎えており、それを記念したキャンペーンも実施する。

代表取締役社長の杉本晴重氏	2011年上期の国内販売台数	プリンタの国内シェア
パートナー向けの新施策	エンドユーザーに向けた直接的なサービスも実施	130周年記念キャンペーンの内容
新CMのテーマは「がんばるあなたを応援したい」	発表会に登場した菅野美穂さん	壇上からも頑張る人に向けてエールを送った