米Googleおよび韓国Samsung Electronicsは19日、香港で共同製品発表会を開催し、Googleはモバイル端末向け新OS「Android 4.0」、Samsungは同OS搭載スマートフォン「GALAXY Nexus」を発表した。
本稿ではAndroid 4.0の新機能について紹介する。なお、GALAXY Nexusは18日に行なわれた発表会で明らかにされた通り、NTTドコモが11月に国内で発売する。Android 4.0のSDKはすでに19日付けで公開されている。
Android 4.0は、これまで「Icecream Sandwich」のコードネームで呼ばれてきたOSで、改良や機能拡張に加え、これまでスマートフォン用とタブレット用とで別々だったものが1つに統合された。
追加された機能の内、いくつかはすでにAndroid 3.xで実現されている。例えば、メインのボタンはシステムバーとしてソフトウェアで画面に表示されるようになり、2.xでは戻る、ホーム、メニューだったものが、3.x用と同じ戻る、ホーム、履歴になった。履歴ボタンを押すと、過去に起動したアプリのサムネールが一覧表示される。ここで、不要な履歴については、サムネールを左右にスワイプすることで消すことができるが、これは通知の履歴など、他の標準アプリにおいても同じインターフェイスが採用されている。ソフトボタンは、画面の回転に合わせて、位置・角度が自動的に変わり、アプリによって一時的に消すこともできる。
ホーム画面では、アプリやショートカットのアイコン同士をドラッグアンドドロップで重ねることでフォルダとしてグループ化できるようになった。また、ホーム画面のシステムバーの上には、お気に入りトレイが表示されるが、ここにもフォルダを自由に追加でき、解像度の低い端末でも、効率的に目的へアクセスできるよう配慮してある。このほか、3.x同様、ホーム画面に設置したウィジェットはサイズを変更できる。
ロック画面は、右にスワイプで解除し、左にスワイプでカメラ機能を起動できるほか、ロック状態のまま通知を見ることもできる。新機能として、カメラを使った顔認識による、ロック解除が追加された。
これは英語版における話だが、文字入力においては、入力時にスペルチェックや、間違いの訂正候補表示、予測入力などのほか、インラインで単語・文節のコピー&ペーストができる。また、音声文字入力も強化され、休み休みの長文入力もできるようになった。
少し変わった機能として、データ転送量の確認が端末でできるようになった。最近は国内でも、一定量以上の通信を行なうと、何らかの制限が課される場合があるが、この機能を使って、指定した量の転送を行なうと警告を表示させたり、いつ、どのアプリがどれだけの通信を行なったかなどを確認できる。
ロック画面 | ホーム画面。下のシステムバーにソフトボタンが表示 | 右のボタンでアプリの履歴が表示 |
ロック画面からカメラの起動や、通知の確認ができる | テキスト入力時にスペルチェックなどができる | データ転送量確認機能が追加 |
主要アプリもそれぞれ改良、改善され、カメラのギャラリーアプリは写真の編集機能を搭載。撮影機能も強化され、撮影時間が高速化化されたほか、顔検出や、パノラマ撮影、動画撮影時のズームなどができるようになった。
ブラウザはChromeとの同期、サイト毎にモバイル版かフル版を指定して表示する機能、ページの保存機能などが追加。レンダリング性能も大きく向上している。
通話機能については、着信に応答できない時に、あらかじめ用意しておいたテキストを選んで送信する機能が追加された。
NFC搭載機においては、Android Beamという機能により、本体同士をくっつけることで、サイトや起動しているアプリのURLを相手の端末に送ることができる。また、Wi-Fi Directに対応し、インターネットに繋がっていなくても端末間で、写真や動画など各種データを送受信できる。
このほか、画面写真の保存機能が標準で搭載された。
写真編集機能が標準搭載 | ブラウザではサイト毎にモバイル版を表示するか指定できる | ロックは顔認識でも解除できる |
Android Beamの様子。端末同士をくっつけるだけで、同じサイトが表示されるデモ |
(2011年 10月 19日)
[Reported by 若杉 紀彦]