栗山浩一 本部長 |
NECパーソナルコンピュータ株式会社は11日、初心者層を対象とした「とことんサポートPC」の製品発表会を開催した。
登壇したコンシューマPC商品企画本部の栗山浩一本部長は、「PCは生活になくてはならないものとなっているが、まだ初心者の方もお使いいただいていない方もいらっしゃる。この方々に使っていただけるPCを目指した」と語った。
ある調査によれば、PCを使っていない層は33%、初心者を入れると過半数を超える層が対象となる | グループインタビューを積極的に行なった | 実際にユーザーにテストしてもらい、ひっかかりやすいところをチェックした |
初心者がやりたいことの調査結果。ネット系は「やってないけどやりたい」が多い | 初心者が困るポイント。導入でひっかかり、使い方がわからない、困ったときに頼りになる人がいない |
企画にあたって、初心者やパソコン教室の講師にグループインタビューを行なった。また、ユーザーテストも重視し、年賀状作成や写真取り込みなどでつまずきやすい操作を洗い出したという。
ハードとソフト、サポートが一体となった商品 | 液晶は15型、本体色は白 | キーボードは専用で、ローマ字入力で重要なキーが色分けされている |
1回限りだが、出張設置サービスが付属する | おてがるメニューの例 | 「動画ナビ」と「おてがるモード」 |
ハードウェア面では、専用のキーボードを備えた本体を用意した。ソフトウェア面では専用メニューソフトの「おてがるメニュー」、動画によるガイド「動画ナビ」、アプリの操作を単純化した「おてがるモード」を用意した。初心者が困難に感じる初期導入についても、無償で出張サービスが付属する。
専用のサポート窓口が用意される |
しかし、もっとも力を入れたのはサポート面で、専用のサポート窓口を用意した。この窓口では、用件を電話機のプッシュボタンで選択するなどの操作がなく、すぐにサポート要員が電話口に出る。また、サポートの内容も、NEC製品に限らず、インターネット上で調査がつく範囲ではあるが他社製品の使い方や特徴にも回答してくれる。ある意味で、コンシェルジュ的な専用窓口を用意した。
また、通常は有料となるリモート操作によるサポートも標準で用意され、受付時間も夜10時まで延長されるなど、「これまでのサポート経験の蓄積を活かした」(栗山本部長)内容となっている。なお、この専用窓口によるサポートは、期間制限もなく無料で受けられる。
会場では、「おてがるモード」を使った写真入り年賀状の作成が紹介された。また、サポート例としてtwitterのアイコンを自分の写真に変えるという内容で、他社製品とリモートサポートを含むデモが行なわれた。
おてがるモードで起動した「筆ぐるめ」。メニューがシンプルでわかりやすい | まず、フォーマットの選択 | 写真の選択。あとは、文章を自分なりに直すと完成 |
画面の左に「動画ナビ」を表示しながら操作することもできる | Outlookのおてがるモード | Office用には各種テンプレートが用意される |
テンプレートの例 |
質疑応答では、サポート体制の充実に対する対価について質問があり、「この製品は一体であり、サポートだけを取り出して対価を公表していない」(同)とした。しかし、想定している販売価格は14万円前後としており、ベースとなった製品に対して3~4万円の差額があることを認めた。
左のウィンドウが「動画ナビ」によるYahoo! オークションの案内。インターネット上のサービスについては、おてがるメニューからのショートカットと、動画ナビでの紹介に留まる |
また、おてがるモードの対象ソフトが、ハガキ作成ソフトとOutlookであり、現時点のPCの使い方としては古めかしい印象がある、もっと携帯電話との連携やインターネット上のサービスについてサポートするべきではないかという質問に対しては、「今回は本体のみで楽しめるという点を重視し、また季節的にも年賀状に対して配慮した。携帯電話との連携についてはおいおいやっていきたい。また、インターネット上のサービスについては、サイト側の変化もあって、密接な連携はとれなかったが、動画ナビで使い方を紹介するという形でサポートしている」(同)と回答された。
全体として初心者層に対して配慮された製品であることは間違いない。また、レノボから個人製品向けサポートを引き継ぐほどの実績とノウハウがある、NECのサポート能力を活かした製品でもある。せっかくの新ブランドなので、PCの魅力を分かりやすく伝えて使いこなすという役割を長く果たして欲しいと思う。
(2011年 10月 11日)
[Reported by 伊達 浩二]