UQ、東京大手町でWiMAX 2を実証実験
〜静止時150Mbps、車両移動時でも100Mbpsの実効速度を確認

7月6日 実施



 UQコミュニケーションズ株式会社は6日、東京の大手町で報道関係者を前にWiMAX 2の実証実験を行ない、165Mbpsの最大理論値に対し、150Mbpsという実効速度を得られることを確認した。

 実験に先立ち、同社代表取締役社長の野坂章雄氏が説明会に登壇し、現行WiMAXのこれまでの実績や、新しいWiMAX 2の導入目的やスケジュールなどについて説明した。

 WiMAXは2009年の7月に商用サービスを開始して以降、順調に加入者を増やし、2011年6月の時点で100万契約を達成した。特に、WiMAXモバイルルーターとiPadが2010年の春頃に発売されてからの伸びが著しいといい、2012年3月までには200万契約を目指す。

 利用エリアも広がっており、基地局数はこの1年程度でほぼ倍増し、2012年3月には2万局に達する見込み。また、成田エクスプレス車内のほか、東京メトロ、都営地下鉄との合意に基づき、地下鉄構内や地下街でも順次利用可能になる予定。

 野坂氏は好調な普及の要因として、WiMAXが屋内外を問わず利用でき、料金も低く抑えられていることなどを挙げた。また、主立った家電量販店やISPなどWiMAX MVNOの採用も増加の一途で、現在その数は55社に上る。

野坂章雄氏 加入者数は100万を超え、2011年度中に200万を目指す 利用エリアも地下鉄などにも拡大の予定

 しかし、加入者が増えれば増えるほど、その通信量も増大する。野坂氏の示した資料によると、2015年のモバイルデータ通信量は2010年の約14倍に達する見込みだという。

 こうした背景の中、同社ではWiMAX 2の導入により効率的な処理を図る構え。

 野坂氏によると、容量増加の方法は、1) 基地局数増加によるセルの縮小、2) 新技術の導入による電波利用効率の向上、3) 連続した周波数の追加の3つがある。WiMAX 2はまさにこの2と3を実現する。1については、東京都内ではすでに基地局同士の距離が200〜300mにまで縮まっており、これより密度を上げると、隣接基地局同士の干渉が発生し、返って品質が劣化する恐れがあるため、この方法は採らない。

 WiMAX 2はMIMOが2x2から4x4に、周波数帯域幅が10MHzから20MHzに向上。これにより、最大通信速度は下り165Mbps、上り55Mbpsと、現行の4〜5倍に高速化。さらに、対応できる走行速度も120Km/hから350Km/hになり、新幹線で移動中でも途切れずに利用できる。

 また、両者は互換性があり、WiMAX 2の機器はWiMAX基地局との通信、WiMAXの機器はWiMAX 2基地局との通信(この場合速度はいずれもWiMAXに準ずる)が可能となっている。

 なお、WiMAX 2では40MHz帯を利用した330Mbpsの通信も規格に含まれるが、この周波数帯の割り当てがなされていないため、現時点で対応の予定はない。

 サービス開始までのスケジュールは、USBドングルおよびPCI Expressミニカードデバイスを2012年度第2四半期頃より出荷、基地局については2012年度中に当初の配備を完了させ、2013年度より提供開始する予定。

 利用料金については、WiMAXよりも高い定額制となる見込みだが、新たにデバイス別従量制を導入する方向でも検討していることを明らかにした。これは、端末やユーザーによって、利用するデータ量が大きく変わってくることに対する対策だという。

 このほか説明会には、WiMAXへの積極的投資を行なっているインテルの宗像義恵取締役副社長が、WiMAX 2投入に対する歓迎と期待の辞を述べたほか、WiMAXのキャンペーンキャラクタとなっているガチャピンとムックも応援に駆けつけた。

WiMAXとWiMAX 2の仕様の違い 容量増加の3つの方法 しかし、都内などではこれ以上基地局は増やせない
WiMAX 2は2013年度からサービス開始予定 料金は定額制でWiMAXより高くなるが、従量制も新たに導入予定 モバイルで100Mbpsを実現できることから、「光ワイヤレス」を謳う
インテル宗像義恵氏 ガチャピンとムック 4人での記念撮影

 説明会の後、会場の外でWiMAX 2の検証端末を乗せたバスの試乗会が行なわれた。発表会が行なわれた大手町のKDDIビルには、実証実験用のWiMAX 2基地局が設けられており、バスがこのビル周辺を走る中、どの程度の通信速度が得られるかがリアルタイムで示された。

 まず、バスが発車する前の停止時は、最善の電波状況となっているため、最低でも130Mbps程度、最大では150Mbps超の数字が確認できた。これは理論実効速度をほぼ完全に実現できていることを意味する。

 バスが移動し始めてからも、通信速度は100Mbps程度を維持した。しかし、皇居に面する内堀通りにさしかかると、その速度は一気に50Mbps程度にまで落ち込んだ。これは、WiMAX 2では4x4のMIMOを利用しており、ビル間の電波の反射で4つの経路が得られる環境では最大速度が出せるが、皇居前では反射がなくなり経路が2つになってしまうため。

 今回は敢えてこのルートを選んで走ったのだが、速度が落ち込んでもQoSにより、車内でストリーミング再生していた動画の品質は維持されていたほか、2経路になってもWiMAXの最大値を超える速度が得られることが確認できた。

今回の実証実験用に用意された特別バス 車内の送受信端末はこの箱のような物体 当然、製品としてはこのようなドングルなどになる
WiMAX 2では1つの電波経路で40Mbpsで、異なる4つの経路を束ねて160Mbpsを実現 今回の実験で150Mbpsの実効速度を確認 同社の検証によると基地局から500m離れた地点でも100Mbps超を確認できたという

(2011年 7月 6日)

[Reported by 若杉 紀彦]