富士通、世界最小のWindows 7ケータイ「F-07C」発表会

F-07C

5月26日 開催



 富士通株式会社は5月26日、世界最小を実現したWindows 7搭載の携帯電話「F-07C」の製品発表会を開催した。

 F-07Cは、5月16日にNTTドコモの2011年夏モデルの発表会で発表されたWindows 7搭載のケータイ。フィーチャーフォンであるiモードケータイ機能と、Windows 7搭載PCを1つに収めた。搭載のWindowsはWindows 7 Home Premium(32bit/SP1)で、PCのフル機能が利用できる。本体サイズは約125×61×19.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約218gと、Windows 7搭載機としては世界最小としている。

 フィーチャーフォン機能とWindows 7の切り替えは側面のハードウェアボタンによって行なう。Windows 7起動時にこのボタンを押すとWindows 7がまずバックグラウンドで動作し、その後にスリープへ移行して低電力モードで動作する。もう1度押すとWindows 7がスリープから復帰する仕組みだ。一方フィーチャーフォン側は常に待ち受け状態であり、Windows 7起動時に電話の着信などがあった場合はシームレスに切り替わるようになっている。なお、CPUはWindows側とフィーチャーフォン側で独立しているとのことだ。

 NTTドコモが行なわれた発表会の時点では、600MHzのAtom、1GBのメモリ、600×1,024ドット(WSVGA)表示対応4型ワイドタッチパネル付き液晶ディスプレイ、32GBのSSD(eMMC)などを搭載することが明らかにされたが、今回の発表会のハンズオンで、具体的な仕様が明らかとなったので、まずはそちらから紹介する。

 搭載するCPUだが、富士通の説明員によれば、最新のプロセスを採用したAtomで、まだ市場には出回っていないものとなる。クロックは1.2GHzだが、低電力を実現する半分の600MHzに制限されている。また、Windows 7のデバイスマネージャー上からは、コンパニオンチップセットとして「Intel SM35 Express」、ディスプレイ アダプターとして「Intel Graphics Media Accelerator 600」の存在が確認できた。以上のことから、Lincroftのコードネームで呼ばれていたAtom Z650を搭載しているとみられる。

 キーボードはQWERTY配列で、右側にトラックボールを内蔵する。マウスの左クリックはボールを押し込むか、キーボード右上のボタンでも操作できる。キーボードはバックライト付きで、暗いところでも操作できるようになっている。

 このほかは既報のとおり、赤外線通信とBluetoothがケータイモードのみ、無線LANがWindows 7モードのみ利用できる。さらに、最大7.2MbpsのFOMAハイスピードに対応する。ただし3G通信は排他使用となる。カメラは背面に500万画素、前面に31万画素のものを備えており、背面はケータイモードのみで利用可能、前面はWindows 7モード利用時で約17万画素のものとなる。

Windowsエクスペリエンスインデックスを実行してみたところ

 ハンズオンで試用したモデルは試作機であり、あくまでも参考としてまでだが、実際の操作感はネットブックよりやや遅い程度であり、Word 2010やInternet Explorer 9の初回起動は10秒〜20秒待たされる感じだった。とはいえ、限られたスペックの中でフルのWindowsが動いていると思えば十分に使える印象だ。Windowsエクスペリエンスインデックスも計測してみたが、プロセッサが1.1、メモリ(RAM)が2.6、グラフィックスが2.9、ゲーム用グラフィックスが2.4、プライマリ ハード ディスクが4.6であった。

iPhone 4(右、以下同)との比較 本体底面にはインターフェイス類は装備しない 左側面にはクレードル用のインターフェイスが見える
本体上面にUSBを備える 本体右側面はWindows切り替えボタンやカメラシャッターボタンなどを装備 キーボードはLEDバックライト付き
Intel SM35 Expressチップセットが確認できた ディスプレイ アダプターはIntel Graphics Media Accelerator 600
CPUとしてはAtomの1.2GHzを搭載する クロックは約50%の600MHzに抑えられていることがわかる
【動画】Windows 7とフィーチャーフォンの切り替え動作
【動画】Word 2010の起動

●PCとケータイの垣根を超えた製品
佐相秀幸氏

 発表会の冒頭では、同社 執行役副社長の佐相秀幸氏が挨拶。PC市場の現状について触れ、「Windows PhoneやAndroidの登場により、PCは高機能/高性能化したスマートフォンとの垣根がなくなりつつある。これは過去にあった、いわゆるコンパックショック、つまり独自のアーキテクチャから、グローバルなアーキテクチャへのシフトと同じような潮流だと私自身は感じている」と語った。

 今回Windows 7ケータイを投入した背景についても「このPCとスマートフォンの垣根を超えた概念のもと開発された」とする。「新製品はPC開発部隊の思考と、ケータイ開発部隊の技術という、ユビキタスプロダクトグループが一丸となって生まれたもの。従来、PCは水平分業型のビジネスモデルで、ケータイは垂直統合のビジネスモデルであるが、組織的に一体化している強みを活かせたからこそ、それぞれの良いところを融合できた。今後も、商品化、開発、モノづくりにおいて新たな価値を生み出したい」とした。

 ゲストとして招かれた日本マイクロソフト株式会社 代表執行役の樋口泰行氏は、「Windows 7はこれまでのOSの中で最速の普及率を実現し、全世界で3.5億のライセンスを出荷した。この大きなフットプリントの中での新しいデバイスの投入にあたって、日本マイクロソフトとして全面的にサポートした。今後もこうした日本らしいデバイスの開発をサポートし、日本の技術力を、世界のフットプリントの中で展開してもらいたい」と述べた。

 また、インテル株式会社 取締役 副社長の宗像義恵氏は、「インテルはサーバーからクライアントPC、最終的にはケータイデバイスまでIntelアーキテクチャを展開するコンピュート・コンティニュアム戦略を展開しているが、今回の製品はまさにその現れである。今後もこうした新しいデバイスが増えていくことに期待したい」と語った。

樋口泰行氏 宗像義恵氏 齋藤邦彰氏

 製品紹介を行なった富士通株式会社 執行役員 齋藤邦彰氏は、「富士通のPCは“ライフパートナー”、つまり1日24時間の中でなるべく多くの時間でユーザーを支援できることをコンセプトにしてきたが、今回の製品はまさに通勤途中からオフィス、自宅までと、あらゆるシーンで利用でき、新たなライフパートナーな提案となる」とした。

 新製品の特徴としても、インテルとの協力により、1.5Wのプラットフォームを採用したこと、Windows 7搭載PCとしてFlashやSliverlight、OfficeなどのフルPC機能が利用できること、18種類の辞書/辞典コンテンツを搭載して利便性を高めたこと、独自のランチャーやズームボタンで操作性を高めたこと、さらにケータイとしての基本機能/セキュリティ機能を充実させたこと、クレードルでフルPCのように使えることなどについて紹介し、新製品をアピールした。

PCとケータイの融合 新しいライフパートナーの提案 富士通の独自技術による実現
製品の特徴 PCとしてフルWindows 7が利用可能 辞書コンテンツなども充実させた
操作性への工夫 独自のランチャーやユーティリティにより操作性を工場 高解像度液晶やズームボタンの搭載
ビジネスにおける利用シーン フィーチャーフォンとしての機能も充実させた ボタン1つで切り替え可能
クレードルを利用することで普通のPCのように利用できる 発表者の集合写真

(2011年 5月 26日)

[Reported by 劉 尭]