既報のとおり、Appleはサンフランシスコでスペシャルイベントを開催して「iPad 2(アイパッドツー)」を発表した。これを受けて日本時間3日には、銀座にある同社の直営店「Apple Store 銀座」でも製品発表会が開催された。なお製品の紹介は報道関係者に限って行なわれたもので、3月3日時点で同店店頭にiPad 2が展示されているわけではない。
発表会は、まず3階に常設されているシアターを使って、米サンフランシスコで開催された発表会の模様が上映された。内容は同時通訳レシーバーが配られた点を除いては、日本時間3日午前よりiTunes Storeを通じてPodcastで配信されている映像とほぼ同一である。講演には病気療養のため休養中(ただしCEOとして経営上の重大な決断を下す立場にある)とされるスティーブ・ジョブズCEO自らが登壇。お馴染みのスタイルと演出でiPad 2および関連機器、関連ソフトウェアなどを次々と披露していった。
講演の骨子としては、昨年同社のiPad発売により幕を開けることになったタブレット市場。約9カ月で1,500万台を出荷して「iPadの年となった2010年」に続いて「2011年はiPad 2の年」として、引き続き市場を牽引するというメッセージになっている。講演の中では数回、追い上げる立場となるAndroid 3.0(Honeycomb)搭載タブレットをはじめとした他社競合タブレット製品にも触れており、現時点でのタブレット対応アプリケーション数の差や、ハードウェアとソフトウェアを同一社内で開発を行なっている点などで、iPad 2(iOS搭載製品)が優位にあると説明した。
ジョブズCEO以外の登壇者は、iPad 2に搭載されるiOS 4.3開発の責任者であるソフトウェア担当の上級副社長のスコット・フォーステール氏、ビデオアプリケーションのチーフアーキテクト、ランディ・ユービロス氏、ミュージックソフトのマーケティングディレクター、ザンダー・ソレン氏の3名。それぞれ「iOS 4.3(PhotoBooth、FaceTime)」、「iMovie for iPad」、「GaregeBand for iPad」の説明とデモンストレーションを行なった。
iOS 4.3はiPad 2にプリインストールされるほか、既存のiOSデバイス向けにも3月11日(米国時間)よりアップデートが提供される予定。iMovie for iPadとGaregeBand for iPadも同日よりiTunes Storeで販売される。いずれも既存のiPadでも利用可能で、iMovie for iPadはiPhone 4でも使えるユニバーサルアプリケーションとなる。価格は米国向けがそれぞれ4.99ドル。日本国内価格は未発表だが、現時点で入手可能なiPhone 4対応のiMovieが同じ4.99ドルで600円ということを考えると、いずれも600円が日本のApp Store価格になるものと予想される。対応可能な既存iOSデバイスへのiOS 4.3アップデートは無償提供される。
なおiPad 2の日本国内向け価格や、3G対応キャリアなどは現時点で未発表で、後日発表の予定。正式発表があり次第、それらはあらためてお伝えする。
シアターでの上映後、およそ30分間ほど、iPad 2ハンズオンが行なわれている。製品撮影については、フラッシュを使った撮影は一切禁止という条件もあったため、やや暗めでかつ環境光に左右されている。形状などは参考になるが、製品の実際の色や質感については、一般向けの展示が開始され次第、ぜひとも実際に製品をその手に取って確かめていただきたいと思う。既存のiPadユーザーにとっては従来機との比較写真も欲しいことは十分に承知しているが、現時点では同社従来モデルも含めて他の製品と比較しての撮影は一切許可されていないため、すべてiPad 2および関連製品単独の写真となっている。製品概要は写真を中心に紹介する。
(2011年 3月 3日)
[Reported by 矢作 晃]