米NVIDIAは5日、モバイル向けパフォーマンスクラスのGPU「GeForce GT 500M」シリーズを発表した。すでにPC OEMメーカー向けに出荷されており、2011年1月より搭載機が出荷される予定。
GeForce GT 500Mシリーズは、デスクトップ版のGeForce 500シリーズ同様、Fermiをベースとしたアーキテクチャだが、プロセス改善により性能(周波数)、電力効率を改善させたモバイル向けGPU。今回は、パフォーマンスクラスとなる、GeForce GT 555M/同550M/同540M/同525M/同520Mの5モデルが発表された。
同時期にIntelからグラフィック性能を大幅に強化したCPU「Sandy Bridge」(コードネーム)が登場することで、単体GPUは不要との声もある。そんな中、同社では、Sandy Bridgeに対し、GT 520Mが最大2倍、GT 540Mが最大4倍の性能を発揮する点、発売から1年が経過したIntel G45ベースのPCで、2010年の売れ行きベスト30のゲームタイトルのうち87%が性能および互換性の問題から満足に動作しない点、Intelの内蔵グラフィックがDirectX 11に対応しない点などを挙げ、NVIDIA製GPUの必要性を説いている。
実際、GeForceシリーズは、Samsung、Acer、Sony、ASUSTeK、Dell、Toshiba、Lenovo、HPといった上位ベンダーから発売されるSandy BridgeベースのPCの内、200モデル以上で採用が決定されているといい、これは2010年の実績の6割増しとなる。
Sandy Bridge(ミドルクラス)とGeForce GT 520Mの比較 | Sandy Bridge(同)とGeForce GT 540Mの比較 | 1年前のG45 PCでは現在のゲームの87%が動作しないという |
各GPUの主な仕様は下表の通り。DirectX 11、Optimus、PhysX、CUDAに対応する点は全製品で共通だが、525Mと520Mは性能的な理由から、3D Visionには対応しない。
なお、メインストリームは、GeForce 410M/315Mが、ハイエンドはGeForce GTX 460M/470M/485Mが継続販売される。ハイエンド向けのGeForce GTX 500Mシリーズは、2011年後半に投入の予定。
GeForce GT 555M | GeForce GT 550M | GeForce GT 540M | GeForce GT 525M | GeForce GT 520M | |
Process | 40nm | 40nm | 40nm | 40nm | 40nm |
SP数 | 144 | 96 | 96 | 96 | 48 |
グラフィッククロック | 590MHz | 740MHz | 672MHz | 600MHz | 740MHz |
プロセッサクロック | 1,180MHz | 1,480MHz | 1,344 MHz | 1,200MHz | 1,480MHz |
メモリクロック | 1,800MHz | 1,800MHz | 最大1,800MHz | 1,800MHz | 1,600MHz |
メモリ | 最大1.5GB | 最大1.5GB | 最大1.5GB | 最大1.5GB | 最大1.5GB |
メモリ幅 | 192bit | 128bit | 128bit | 128bit | 64bit |
メモリタイプ | GDDR5/DDR3 | GDDR5/DDR3 | GDDR5/DDR3 | GDDR5/DDR3 | GDDR5/DDR3 |
(2011年 1月 6日)
[Reported by 若杉 紀彦]