NEDOや日立ら、3.9Tbit/平方インチを実現するHDDメディア技術

今回開発した自己組織化パターンの例

11月25日 発表



 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、および国立大学法人東京工業大学、国立大学法人京都大学、株式会社日立製作所は25日、HDDのメディアで、1平方インチあたり3.9Tbitの記録密度を実現する要素技術の開発に成功したと発表した。

 今回開発したのは、1平方インチあたり3.9兆個のドットを規則的に配置できる超高密度ナノパターニング技術。基板の表面に特定の高分子が集まりやすいよう化学的なマークを設け、マークに沿って微細なパターンを秩序よく形成させるケミカルレジストレーション法を用いた。

 さらにドットパターンをより微細化するために、周期10nm級のドットパターンを形成する「有機・無機ハイブリッド高分子ブロック共重合体」を開発。また、高分子を用いて基板上の化学的なマークとマークの間にもドットを挿入することでより密度の高いパターンを形成する「パターン密度高倍化技術」も開発した。

 これにより、従来の方法で形成したパターンと比較して4倍の密度を実現し、リソグラフィ技術では困難な3.9Tbit/平方インチを実現した。

 今回の成果は、11月29日から12月3日まで、米国ボストンで開催される材料技術に関する国際会議「2010 Materials Research Society Fall Meeting」で発表する予定。

(2010年 11月 25日)

[Reported by 劉 尭]