ラトックシステム株式会社は18日、都内で新製品内覧会を開催し、12月上旬より順次発売予定のHDDケースやワイヤレスオーディオアダプタなどを一斉に展示した。

　この記事では、PC向けのドライブケースについて紹介する。なお、ワイヤレスオーディオアダプタについては僚誌AV Watchの記事を参照されたい。

　シングルドライブ対応のドライブケース新製品は、主なトピックとして3つ挙げられる。1つ目はSATA 6Gbps、2つ目はUSB 3.0、そして3つ目はケース前面の液晶表示だ。

　SATA 6Gbpsは、今回発表のすべての製品のトレイ部分で対応済み。ただしUSB 3.0に変換して接続するモデルは、コントローラの関係で事実上SATA 3Gbpsまでのサポートとなる。

　トレイは、シンプルな「SA3」シリーズと、シャープが開発した“メモリ液晶”付きの「SAM」シリーズの2種類が用意される。トレイはオプション扱いとして販売され、価格はSA3が3,360円、SAMが5,460円。

　SAMシリーズのメモリ液晶はシャープ製の携帯電話などにも採用されているもので、解像度は96×96ドット。ボタン電池1個を利用し、PC非接続時でも表示内容を維持する。電池寿命は約10年間とされている。OS上のユーティリティで表示内容の変更などが行なえ、接続はUSB経由で行なう(USBモデルはケーブル1本で済む)。SAMシリーズの対応OSはWindows XP/Vista/7。

　SAMシリーズは従来製品とのケース互換性のため、背面はSATA端子しか備えていない。ケース側で、リザーブのピンなどを使用してトレイ側に表示を転送しているものと思われる。このため、リムーバブルケースでSAMシリーズの液晶表示の更新をするためには、今回発表された新製品を利用する必要がある。

シャープが開発したメモリ液晶。解像度は96×96ドット	OS上から表示内容の変更が行なえる。将来のアップデートで好みのビットマップを表示する機能を追加予定	設定ユーティリティ

メモリ液晶部はボタン電池を1個使用し、約10年間液晶表示データの保持が可能	SAMシリーズの液晶を設定するためにはUSBでPCに接続する必要があり、対応するケースを使用する必要がある
SAMのトレイは互換性維持のためSATA端子しか備えておらず、リザーブのピンを使って転送をしているものと思われる

　「SAM-RC1」と「SA3-RC1」シリーズは5インチベイ内蔵のリムーバブルタイプ。12月中旬発売で、価格はそれぞれ8,820円、6,720円。前述の通り、いずれもSATA 6Gbpsをサポートし、SAM-RC1はメモリ液晶を搭載。本体サイズは146×214×42mm(幅×奥行き×高さ)、重量前者が約725g、後者が約710g。本体色はブラック(型番末尾:-BK)とライトグレー(-LG)の2種類が用意される。

SAM-RC1-BK	SAM-RC1-LG	内覧会会場に展示されたSAM-RC1シリーズ
SA3-RC1-BK	SA3-RC1-LG	SA3-RC1の背面には40mm角ファンを装備する

　「SAM-DK1-U3」と「SA-DK1-U3」はUSB 3.0接続の外付けリムーバブルタイプ。12月下旬発売で、価格はそれぞれ18,900円、16,380円。SAM-DK1-U3はメモリ液晶を搭載。本体サイズは共通で、約192×274×60mm(同)、重量は約2.1kg。本体色はブラックのみ。対応OSはWindows XP/Vista/7。

SAM-DK1-U3	SA-DK1-U3	内覧会会場で展示されたSAM-DK1-U3

　「SAM-IFK-U3」と「SA3-IFK-U3」は、SATA→USB 3.0変換接続キット「SA-IFK-U3」が付属した、トレイを簡易外付けHDDケースとして利用できるドライブケース。12月下旬発売で、価格はそれぞれ8,820円、6,720円。SAM-IFK-U3はメモリ液晶を搭載。本体サイズは共通で、117×193×40mm(同)、重量は前者が約425g、後者が約360g。本体色はブラックのみ。対応OSはWindows XP/Vista/7。

　なお、SA-IFK-U3は12月下旬より単体でも発売され、価格は4,410円となっている。

SAM-IFK-U3	SA3-IFK-U3	SA-IFK-U3

　「RS-EC3M-U3」はメモリ液晶を搭載したUSB 3.0接続のドライブケース。12月下旬発売で、価格は7,770円。3.5インチのSATA HDDに対応し、東芝製TV「レグザ」やシャープ製TV「AQUOS」の外付けHDDとして好適としている。本体サイズは140×210×48mm(同)、重量は500g。

RS-EC3M-U3	内覧会会場に展示されたRS-EC3M-U3

　「RS-EC32-U3R」は、2台のSATA HDDを内蔵できるUSB 3.0接続の外付けケース。1月下旬発売予定で、価格は10,920円。

　RAID 0/1、およびJBOD、SINGLE(個別認識)の4つのモードを備え、環境や用途に合わせて切り替えて利用できる。モードの切り替えはソフトウェア(Windowsのみ)またはディップスイッチで行なえる。HDDの暗号化機能も備える。

　インターフェイスをUSB 3.0とすることで、USB 2.0接続時と比較して約5.7倍高速化した。さらに独自の「Fast USB」ドライバが添付し、同ドライバを利用することでさらに約20%性能向上できるとしている。

　アルミボディと40mm角のファンの採用で、HDDを動作保証の温度内に保てるという。RAIDの監視や暗号化、ログ記録などの機能をまとめた「RAID監視マネージャー」が付属する。

　対応ドライブは3.5インチのSATA HDDだが、2.5インチのSSDなどもマウンタを介すことで対応できる。コントローラは富士通の「MB86E50」。電源LEDを備える。本体サイズは81×177×123mm(同)、重量は約770g(HDDを含まず)。

RS-EC32-U3R	内覧会会場に展示されたRS-EC32-U3R	背面に40mm角ファンを搭載
コンパクトながら2基のドライブを内蔵可能	RAID監視マネージャーが添付	Fast USBドライバインストール前(左)とインストール後(右)のベンチマーク結果

REX-PE6S

　このほか、SATA 6Gbpsに対応したPCI Express x1接続のインターフェイスカード「REX-PE6S」も12月下旬に発売する。価格は6,720円。

　Marvell製コントローラ「88SE9128」を搭載し、SATA 6Gbpsを2ポート備える。6Gbps対応のケーブルが2本付属する。対応OSはWindows XP/Vista/7/Server 2003/Server 2008。