インテル株式会社は10日、11月中旬から12月中旬にかけて、モバイルWiMAXの認知度向上を目指し、「いつでもどこでもパソコンプロジェクト」と題したキャンペーンを行なうことを発表した。
今回のキャンペーンは、都内のビジネスマンをターゲットに据えており、有楽町、新宿、品川、新橋といった場所で、さまざまなイベントや露出を行なう。同社マーケティング本部本部長の山本専氏によると、同社のWiMAX関連のイベントとして最大級の規模になるという。
内容としては、山手線と広島電鉄での車内広告にはじまり、有楽町イトシア前でのショーウィンドウ広告、品川および新橋駅などでのデジタルサイネージといった宣伝から、新宿、有楽町、丸の内でノートPC型ランチボックスを販売したり、新宿駅南口にガラス張りの架空オフィスを設置してのパフォーマンス広告といったユニークな取り組みも行なう。
また、11月19日~21日には有楽町駅駅前広場、26日~28日には新宿駅東口新宿ステーションスクエアにて、ブースを設置し、WiMAX内蔵PCの展示イベントを行なう。19日の15時からのステージでは、同社代表取締役副社長の宗像義恵氏、UQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏のほか、アナウンサーの久保純子さんが登場し、トークを行なう。
都内各所で11月中旬からさまざまなイベント/露出を図る | 有楽町や丸の内、新宿では、ノートPC型の特製のランチボックスも販売する(実際の中身はこれとは異なる) |
今回のイベントの背景には、WiMAXの登場から1年以上が経過し、10メーカーから46機種がWiMAXを搭載するに至ったものの、まだまだその利用率が低いことを巻き返したいという狙いがある。
10日に行なわれた発表会に登壇した野坂氏によると、最近までWiMAX搭載PCでの利用率は8%程度に留まっていたという。直近では、11月から「WiMAX PCバリューセット」と呼ばれるキャンペーンを開始したことも手伝い、15~16%にまで伸びてきた。しかし、野坂氏は、今後口コミなどでも広まっていくことを期待するには、30%くらいまで持って行く必要があると語り、今回のキャンペーンなどで基本認知率の向上を図りたいとした。
また、ここへ来てイー・モバイル、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルなどがWiMAXに近い40Mbps程度の通信サービスの立ち上げを発表したことについて同氏は、「誤り訂正符号を考慮したデータの実転送速度では我々が最速。また、料金についても最安値」と、その優位性を強調した。ただし、今後競争が激化するにつれ、料金体系については柔軟な対応を検討する必要があるとの考えも示した。
このほか、海外ローミングについて、すでにClearWireとの提携による米国での無料接続サービスを開始しているが、韓国、台湾、東南アジア諸国へも展開していくことを明らかにした。
WiMAXならノートPCを開けて即使えるので就職活動にも有利と野坂氏 | 今後アジア圏でのローミングも開始する |
インテルの宗像氏は、向こう10年でインターネットの利用人口は3倍近く、そして接続される機器は8倍近くにまで増えること、そして機器ごとのデータ転送量も爆発的に増えることを鑑みて、インテルとしては、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの全ての基盤において、積極的なサポートを行なっていくと語った。
また、同社は8月にInfineon Technologiesの無線部門を買収したが、これについて宗像氏は、WiMAXからLTEへ軸足を移すことを意味するものではなく、業界が支持する国際規格は幅広くサポートしていくという同社の方針の表われであると説明した。
(2010年 11月 10日)
[Reported by 若杉 紀彦]