富士通フォーラムで3D撮影PCを参考展示

5月13日、14日に開催される富士通フォーラム。午前10時から午後6時まで

会期:5月13日~14日

会場:東京国際フォーラム



 富士通は、5月13、14日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催する富士通フォーラム 2010で、3Dカメラ搭載パソコンを参考展示する。

 本体のディスプレイ上部に2つのカメラを内蔵し、静止画や動画を撮影。オリジナルの3Dコンテンツを作成し、画面に表示することが可能になる。

 同社によると、3Dカメラを搭載したパソコンは初めてとなり、「単に3D映像を表示するだけでなく、自ら撮影してコンテンツを作成できる点が大きな特徴。子ども動画を3Dで撮影して、そのままメールで両親にビデオレターとして送信し、よりリアルな映像で楽しんでもらうといった使い方が可能になる」などとしている。

3Dカメラ搭載PCの試作品3Dカメラ搭載PCは、ディスプレイ上部に2つのカメラを搭載して、3D画像を撮影する

 3D画像の視聴には専用の眼鏡が必要となる。

 具体的な製品への投入時期などについては明らかにしていないが、すでに技術は、研究所から事業部へと移管されており、比較的早い時期に製品化される可能性もありそうだ。

 また、3D化によるコスト増などについては明らかにしていない。

 そのほか、手のひら静脈認証センサーを内蔵したノートPCの試作品を参考展示。同社が金融機関向けなどに提供している技術をノートPCに活用することで、精度の高い認証を提供できるとしている。

手のひら静脈認証センサーを内蔵したノートPCも参考出品手のひらをかざすだけで認証する

 一方、そのほかの参考展示では、富士通研究所が開発した従来比2倍の画面書き換え速度となる0.7秒を実現したカラー電子ペーパーの試作品のほか、最薄部で3.9mm以下の厚さ、160gの重量とした8インチのカラー電子ペーパーを展示。篠田プラズマと共同で開発したプラズマチューブアレイ技術を採用した円柱に取り付け可能な曲面ビジョンを展示する。

160gという軽量化を実現したカラー電子ペーパー。片手で軽々と持てる。最薄部3.9mmを実現した富士通研究所が開発した従来比2倍の画面書き換え速度となる0.7秒を実現したカラー電子ペーパー

 さらに、すでに欧州市場向けに発売している待機電力をゼロにするデスクトップPCを展示。休止状態や電源オフ時に待機電力をゼロにすることで、年間13%もの消費電力削減が可能になるという。この技術を活用することで、PCに接続されたディスプレイや周辺機器の待機電力もゼロにできるという。なお、日本での発売予定はないという。

 また、理化学研究所と開発している次世代スーパーコンピュータのプロトタイプや、プリウスにディーラーオプションとして用意されているマルチアングル全周囲モニター、ノートPCの長時間利用を可能にする窒素ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)や、水冷ユニットを活用することで、冷却ファンの消費電力を50%削減し、装置全体の消費電力を10%削減できる省エネ冷却テクノロジーなどを展示する。

次世代スーパーコンピュータの参考展示次世代スパコンに搭載されるSPARC64 VIII fx。8コアを持ち、ピーク性能は128GFlops
システムボードのプロトタイプ。4つのCPUが搭載され、主要部品を水冷する。水冷化によって、低消費電力化と安定化が実現できるという次世代スーパーコンピュータの完成模型。10PetaFlopsを実現。40×40mの部屋に800ラックが設置される
窒化ガリウムHEMTパッケージサンプル。ノートパソコンなどの長時間利用が可能になるほか、ACアダプタを10分の1のサイズにまで小型化できるというノートPCにも搭載した省エネ冷却システムの試作品。水冷ユニットの採用により、従来に比べて30%低い回転数で同等の冷却性能を実現する待機電力ゼロを実現するデスクトップPC。すでに欧州では発売されている
プリウスのミラーにつけられたカメラ。前後方のカメラを両側のミラーのつけたカメラで全方位を撮影これを画像処理して、俯瞰するような形で見ることができる。真ん中の車の部分だけはCGで表示される
携帯電話に搭載したセンサーを利用してウォーキング診断を行なうという参考展示歩いたあとにフォーム診断をしてくれるアスリートからの診断が表示される
ぬいぐるみ型ロボット。介護施設や高齢者世帯、学校や保育園での利用を想定。ユーザーの状況を把握して身振りを行なうほか、内蔵されたカメラを利用してネットワークを通じて監視などにも利用できる

(2010年 5月 11日)

[Reported by 大河原 克行]